縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

5年経った401k

2006-10-18 23:58:00 | お金の話
 この10月1日で日本版401k、確定拠出年金導入から丸5年となった。加入者数200万人、運用残高2兆5000億円と、残念ながら、制度導入時に懸念された通り、401kはあまり普及していない。未だ米国の1/100の規模だ。当時、関係者の間では「小さく産んで大きく育てる」が合い言葉だったが、それは夢のまた夢、といった感じである。今日はこの「日本版401k」について、導入の経緯および制度の問題点を考えてみたい。

 そもそも「日本版401k」という言葉をご存知の方、更にその内容をある程度理解されている方はどのくらいいるのだろうか。おそらく、年金の一つのタイプだと名前は知っていても、それ以上はよくわからないという方が多いのだと思う。
 日本版401k = 確定拠出年金 とは、従来の確定“給付”年金、即ち、受取額が確定している年金に対し、月々の年金への積み立て = 拠出額 は確定しているものの、受け取る金額が自らの運用成績により変化する年金である。

 僕が初めて401kの名前を聞いたのは確か1988年、米国に工場を建設する取引先に対し、銀行の海外進出をサポートする部署の担当が、「優秀な従業員を確保するには401kという年金制度を採り入れる必要があります」と説明するのを聞いたときだと思う。そのときは、ふーん、そんな制度があるんだ、ぐらいで、さして気にはしなかった。
 それから10年以上経ち、なぜか401kに関係する仕事に就いた。感慨もひとしおとは言わないが、妙に懐かしく思った記憶がある。

 が、上述の通り、日本の401kはひどく貧弱な内容だった。401kを名乗るには、本家米国に対し失礼極まりない。わが国の401kは、税務当局との兼ね合いから目立たないよう、質素に始めざるを得ないが、将来は立派な制度にしようと、皆、志(商魂?)高く、スタートを切った。とはいうものの現実には育っていない。米国のようなリクルーティングの必須条件など程遠い。では、何が日本版401kの問題なのだろう。

 一言でいえば、「使い勝手が悪い」に尽きる。まず企業側の使い勝手。非課税となる拠出額、掛け金の額は月23,000円(企業年金のある会社の場合)と極めて小さい。このため企業は401kだけで年金制度を組み立てることができず、従来の年金との組み合わせか、年金前払いを検討するしかない。因みに米国では月300,000円近い金額が非課税で拠出を認められている。日本の10倍以上の金額である。
 又、マッチングを認めない、つまり企業の資金拠出しか認めず、従業員個人の401kへの拠出を認めないことも問題である。

 一方、従業員から見た使い勝手も悪い。転職時に年金をそのまま移行できるポータビリティが401kのメリットと言われている。しかし、それは転職先も401kを導入していることが前提で、かつ手続きが大変面倒である。又、60歳まで資金を払い出しできないことも問題だ。

 いっそのこと国民年金は国庫負担100%、つまり全額税金で賄い、401kは個人で積み立てる年金と位置付けてはどうだろう。ついでに社会保険庁を廃止できるともっと良いのだが・・・・。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。