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一瞬の輝き : オルセー美術館展

2006-11-18 23:59:00 | 芸術をひとかけら
 芸術の秋に因み、今日はちょっと文化の薫る話を。

 神戸でオルセー美術館展が開催されている。来年1月8日まで、神戸市立博物館において『オルセー美術館展 十九世紀 芸術家たちの楽園』というテーマで行われている。その後、東京でも開催される。1月27日から4月8日まで、場所は東京都美術館である。
 今回の展示には、マネの「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」、シスレーの「洪水と小舟」、ゴッホの「アルルのゴッホの寝室」等、140点近い絵が来ているそうだ。

 オルセー美術館には一度行ったことがある。前身の印象派美術館と比べると、随分綺麗になったなという印象だった。印象派美術館は文字通り印象派の作品が主体であったが、オルセーでは印象派は勿論、ポスト印象派から20世紀初頭が対象と若干範囲が広くなっている。
 又、印象派美術館では一部絵画に西日が平気で差すなど、陳列というか保存の状態がひどいと思ったが、それも、当然といえば当然だが、建物が変わって改善された。オルセーの建物自体は1900年のパリ万博に合わせて建設された旧オルセー駅であるが、改造され、随分モダンな作りになっている。

 話は変わるが、東京でも木々が色付き始めた。毎朝、近くの公園を抜けて出勤するが、木の葉が赤や黄色に変わり、朝日の中で輝いている。やれ、桜が綺麗だ、新緑が鮮やかだと、つい最近思った気がするのに、季節の移ろいは早い。
 この紅葉した葉を見て思い出したのだが、印象派の特徴は何かというと、まさしく印象、つまり、そのとき、その瞬間に感じたこと、思ったことを絵にすることであり、それも感じたままの色で表現することだと、聞いたことがある。黄色く紅葉した葉は黄色であるが、緑の葉でも光線の関係で黄色や赤に見えたり、さらには輝いて金色に見える瞬間があるかもしれない。そうした一瞬の驚き、印象を絵にするのが印象派だと。
 19世紀、絵の具の進歩もあって野外で絵を描くことが増え、これに当時の自由な雰囲気とが相俟って、印象派が生まれたのであろう。

 以前(3月?)、「プラド美術館展に行こう!」という記事を書いたが、結局行かなかった。混雑が嫌、忙しい等理由はあるが、人に勧めておきながら自ら行かなかったことに変わりは無い。今回はこの反省を踏まえ「オルセー美術館展に行こう!」とのタイトルは止めた。芸術の秋ならぬ、食欲の秋で終りそうな気もするし・・・・。
 というわけで、皆さんにお勧めはしないが、神戸の方、それに東京の方、19世紀の画家が、マネ、モネ、シスレーが感じた、一瞬の驚きや感動を自らも体験したいと思う方、そして人混みにメゲない方は、『オルセー美術館展』にトライしても良いかもしれない。(って、十分勧めてる?)

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