ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

教育とハラスメントの分岐点

2019-11-04 | 大阪日記

9月12日から14日までの3日間、京都国際会館で第59回日本産科婦人科内視鏡学会が開催されました。私は初日にランチョンセミナーで講演させていただきましたが、もっとも興味深かったのは、内視鏡手術とは少し場違いな(?)この講演でした。

招請講演:教育とハラスメントの分岐点ー不確実な時代のレジリエンス

演者:松崎一葉先生(筑波大学大学院生命システム医学専攻産業精神医学・宇宙医学研究グループ)

医師の世界、とくに外科系は技術を習得するのに時間がかかります。それだけに上司や先輩に習うことも多く、そういう社会はパワハラの温床になりがちかもしれません。実際、私も手術室では決して甘くないほうだと思いますし、気がつかないうちにパワハラになっていたかもしれません。

『いくら正しいことを指導していても指導方法が強圧的で身体的・精神的暴行があれば労災である』

自分では少し口が悪いだけだと思っていても、教わる方が傷ついたり精神的に落ち込むようなことがあれば、それは労災になってしまう可能性があるのですね。

 

そして次は、、、下記のごとくのスライド。


・偉くなりたいだけ(自己愛の歪み)

・レジリエンスが高い(とことん「したたか」)

・コンプライアンス意識が希薄(プロセス無視)

・ハイパフォーマー(実際にデキル)→ 本人は潰れず周囲を潰す→代理症


そ、そうですか、、、代理症とは、パワハラをする人の周りで部下や同僚が身体や心を病んでしまうことだそうです。

 

しかもパワハラは組織の生産性を低下させるだけではなく、イノベーションを潰してしまうそうで、、、


自己愛が不健全で、かつ能力が高いパターンは、独善的で「自分が全て正しい」「俺の言うことを聞いていればいいんだ」

若者のイノベーティブで荒削りな「種を潰す!」

→確かに定常状態での成果はあがるが、イノベーションの芽を摘む

→自分の「コピー」製造マシンとしては優秀

 →ただし、コピーのコピーは解像度が下がる

  →中期的な組織と人材の劣化

   →良い人材が集まらなくなる


まあ、こういう人は、定型的な手術はできるのかもしれないけど、複雑な症例になると歯が立たないでしょうね。だから、本当に手術が上手い人とは言えないと思います。

昨日のグランメゾン東京で早見倫子(鈴木京香さん)が言いました。

『自分の家族や店の仲間を幸せにできないような人がお客さんを幸せにできるわけありませんよ』

自分の家族や部下・同僚を幸せにできないような人が、患者さんを幸せにできるわけありません

 

はい、そのとおりでございます。明日から、私も頑張らせていただきます。ところで、、、

 

「あー、オレの自己愛は大丈夫かなー?」

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