ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

電動モルセレータについて 4 Semi-closed power morcellation

2015-02-16 | 子宮筋腫

現在、私たちは、腫瘤を飛散させない方法として、アイソレーション・バッグの中で上図のように半閉鎖的に子宮筋腫を細切除去する方法を開発しています。これは腫瘤の飛散をほぼ完全に予防できる画期的な方法であり、今後、この方法で皆さんに安心して腹腔鏡下手術を受けていただくことができるだろうと考えています。当院の腹腔鏡下子宮全摘術は、開腹による子宮全摘術に比べても、出血量が少ない、他臓器損傷などの合併症も少ない、などの利点がありますが、電動モルセレーターの使用時における腫瘍の飛散リスクも極めて低くなり、真に安全性の高い低侵襲手術が確立できつつあると思っています。

なお、子宮全摘の際の細切除去の方法は、以下のように選択します。

1.子宮が小さい場合は、経腟的にそのまま取り出す。(腟内で子宮に切開を加える場合あり。)

2.子宮が大きい場合は、摘出子宮を回収袋に入れて経腟的に細切除去。

3.腟が狭い場合、子宮が大きすぎる場合には、摘出子宮をアイソレーションバッグに入れて、経腹的に電動モルセレーターで細切除去。

4.アイソレーションバッグに入らない場合、バッグを用いた場合にスペースが狭くて操作困難な場合には、従来の方法で電動モルセレーターで細切除去。

しかしながら、現在まで3の方法(Semi-closed power morcellation法)が出来なかったことはありません。おそらく、2kgくらいまでの巨大なものでも可能だろうと思います。

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