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特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

Σ[i,j=1~n] |i-j||x[i]-x[j]|=(n/2)Σ[i,j=1~n] |x[i]-x[j]| の証明

2019-03-03 17:16:35 | 算数

1.まえがき

 あるサイトに数列 {xn} が
  x1≦x2≦x3≦・・・≦xn ・・・・①
 を満たすとき

  Σi,j=1~n |i-j| |xi -xj |=(n/2)Σi,j=1~n |xi -xj |・・②
 を証明する問題があった。簡単そうに見えたが面倒だった。

 与式の左辺と右辺を L,Rとする。この Lの各項を(i,j)の行列として
 並べると対角線?の部分が0の対称行列

  0, 1(x2-x1), 2(x3-x1), 3(x4-x1), 4(x5-x1),・・・・・・・, (n-1)(xn - x₁)
  _,_______,      0    , 1(x3-x2), 2(x4-x2), 3(x₅-x2), ・・・, (n-2)(xn - x₂)
  _,______ ,_______,      0     , 1(x₄-x3),  2(x₅-x3), ・・・, (n-3)(xn - x₃)
   ・・・・・・
  _,_____ ,_____ ,_____ ,・・・・,_________,      0     , 1(xn - xn-1 )
  _,_____ ,_____ ,_____ ,______ ,・・・・・・・,______,        0

 となる。対角線より下側は同じなので省略。

2.準備1

 |i-j|, |xi -xj | ともに、i,j を交換しても値は変わらず、i=j のとき、いずれも 0だから、
 ①により、i > j の和を2倍すればよい。つまり

  L=2Σj=1~n-1 Σi=j+1~n (i-j) (xi -xj)
 同様に
  R=2Σj=1~n-1 Σi=j+1~n (xi -xj)
 である。

 これらは行ごとの和であるが、k=i-j として対角線ごとの和に変換すると
  L=2Σk=1~n-1 Σm=1~n-k  k(xm+k -xm)
   =Σk=1~n-1 (2k) Σm=1~n-k (xm+k -xm)・・・③

  R=2 Σj=1~n-1 Σm=1~n-k (xm+k -xm)・・・・④

 となる。②は

  L=(n/2)R・・・・・⑤
 となり、これを証明すれば良い。

 つまり、Lの和の順序して次のような並びを考える。Rも同様。
 上から k=1,2,・・・,(n-1)に対応する。

  2(x2-x1), 2(x3-x2), 2(x4-x3),・・・・・・・, 2(xn -xn-1)
  __0__  , 4(x3-x1), 4(x4-x2), 2(x5-x3),・・・ , 4(xn -xn-2)
  ____0_________ , 6(x4-x1), 3(x5-x2),・・・ , 6(xn -xn-3)
   ・・・・
  ______0________________, 2(n-2)(xn-1 -x1), 2(n-2)(xn -x2)
  ________0_____________________________, 2(n-1)(xn -x1)

3.準備2

 ここで、
  Akm=1~n-k (xm+k -xm)・・・・⑥
 とおくと③④は
  L=Σk=1~n-1 (2k)Ak ・・・・⑦
  R=2Σk=1~n-1 Ak ・・・・⑧
 となる。

 つぎに、この Ak ( A1 からk番目のもの )に対して、最後の An-1 から、逆方向に k番目
 のものは⑥で k→ n-k として

  An-km=1~k (xm+n-k -xm) であるが、Ak とAn-k の差を計算すると

  Ak -An-k=( Σm=1~n-k xm+k -Σm=1~n-k xm )
         - ( Σm=1~k xm+n-k - Σm=1~k xm )

   (m+k, m+n-k → m のパラメータ変換をすると)

   =( Σm=k+1~n xm - Σm=1~n-k xm )
     - ( Σm=n-k+1~n xm - Σm=1~k xm )
   =Σm=k+1~n-k xm - Σm=k+1~n-k xm
   =0

 ここで、n-k≧k および (n-k+1)≧k+1 を使った。つまり、
  Ak=An-k ・・・・⑨
 をえる。

4.証明

 ⑦の級数の k番目の項は (2k)Ak であり、(n-k)番目の項は 2(n-k)An-k であるが、
 後者のうち、
(n-2k)An-k を k番の項に移動して加える。すると⑨により k番目の項は

 (2k)Ak +(n-2k)An-k=nAk となる。もとの(n-k)番の項は
 nAn-k となる。つまり、⑦⑧から

  L=n( Σk=1~n-1 Ak )=(n/2)R・・・⑩
 となり、⑤が証明された。

 ここで、nが偶数の時、k=1~(n-1) の真ん中のAk には、対となる項が存在しない。
 しかし、n=2p
とすると 真ん中の項は k=pとなり、2k=2p=n となり、対となる項を
 加える必要も無く
⑩が成立する。

以上


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複数(0個も含む)の5と7の和で表わせない最大の(0以上の)整数

2019-03-02 14:22:59 | 算数

掲題の問題が電車内に日能研の広告として載っていた。 2010年 城西川越中学校 【算数】の問題
らしいが、証明の解説が理解できなかった。おもしろい問題なので考えてみた。

1.まず、任意の0以上の整数nは整数m,aを使って n=5m+a(m≧0,a=0,1,2,
  3,4) と表わされる。

2.このとき、nが複数の5と7の和で表わされる場合を考える。
 (1)a=0のとき
   当然除外できる。
 (2)a=1のとき
   n=5(m-4)+20+a=5(m-4)+7・3 となるから、n≧20ならば「2」
   は満たされる。

 (3)a=2のとき
   n=5(m-1)+5+a=5(m-1)+7 となるから、n≧5ならば「2」は満た
   される。
 (4)a=3のとき
   n=5(m-5)+25+a=5(m-5)+7・4 となるから、n≧25ならば「2」
   は満たされる。

 (5)a=4のとき
   n=5(m-2)+10+a=5(m-2)+7・2 となるから、n≧10ならば「2」
   は満たされる。

3.まとめると、nが25以上なら、「2」項はみたされるから、命題が成り立つとすれば24以下
  の数である。
  まず、24=5・2+7・2となって除外できる。23が求める答えであることは4通りの計算
  をすれば分かる。

追記(2011/3/20)
 この問題は、3と5の場合で、第10回日本数学オリンピック予選(2000年)に載っていた。証明方法は
 私には難しかった。


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