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特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

点A:(1,0)と複素数 zと z² の点をB,Cとし、3角形ABCが直角3角形の時、点Bの軌跡を求む

2021-12-12 11:39:03 | 算数

1.まえがき

 複素平面において、点A:(1,0)と複素数 zと z² の点をB,Cとする。3角形ABCが直角3角形の
 時、点Bの軌跡を求む。また、3角形ABCに外接する円の中心の軌跡を求む。

2.z、点Bの軌跡

 A,B 点の座標は
    z=(x, y) → z²=(x²-y², 2xy)
 である。

 2.1 ∠B=90゜のとき

  ベクトル AB=(x-1, y)と BC=(x²-y²⁻x, 2xy-y) は直交だから「・」を内積として
    (x-1,y)・(x²-y²⁻x,2xy-y)=0 → x( y²+(x-1)² )=0
  したがって
    x=0 or y²+(x-1)²=0 → x=0 or (y=0かつx=1)
  ところが、後者はA点なので
    x=0
  の直線
のみ。つまり、y軸となる。そして

    B: z=(0, y), C: z²=(-y², 0)
  となる。ただし、y=0 のときは3角形を作らないので除外。



 2.2 ∠A=90゜のとき

  同様に、ベクトル AB=(x-1, y) と AC=(x²-y²-1, 2xy) は直交だから
    (x-1, y)・(x²-y²-1, 2xy)=0 → (x+1)(y²+(x-1)²)=0
  となり、上と同様3角形を作るには後者は除外し
    x=-1
  の直線のみとなる。そして
    B: z=(-1, y) , C: z²=(1-y², -2y)
  となる。ただし、y=0 のときは3角形を作らないので除外。



 2.3 ∠C=90゜のとき

  同様に、ベクトル BC=(x²-y²-x, 2xy-y)と AC=(x²-y²-1, 2xy) は直交するから
    (x²-y²-x, 2xy-y)・(x²-y²-1, 2xy)=0 → (y²+x²-2x+1)(y²+x²+x)=0
    → (y²+(x-1)²)(y²+(x+1/2)²-1/4)=0
  同様に、前者は3角形を作らないので除外できる。したがって
    y²+(x+1/2)²=1/4
  となり、(0, -1/2)を中心とする半径1/2の円となる。ただし、これも3角形を作るという
  条件から、y=0 の2点は除外される。



 2.4 まとめ

  以上をまとめるとBつまり、zは図のような軌跡となる。円と2直線から2点を除いた
  もの。



3.三角形ABCの外接円の中心の軌跡

 A:(1,0)である。

 3.1 ∠B=90゜のとき

  x=0なので、
    B:(0,y), C:(-y²,0)
  このとき、直角3角形ABCに外接する円の直径はACとなるから、円の中心はACの中点
  となる。素の座標を (X, Y) とすると
    (X, Y)=( (1+y²)/2, 0 )
  となる。この軌跡は yをパラメータとすると
    X=(1+y²)/2, Y=0
  つまり、yは実数の範囲で y≠0 だから
    -∞<X<1/2
  の直線となる。

 3.2 ∠A=90゜のとき

  x=-1 なので、
    B:(-1,y), C:(1-y², -2y)
  同様に、円の直径はBCとなるから、円の中心はBCの中点となる。その座標を (X, Y)
  とすると

    (X, Y)=(-y²/2, -y/2)
  となる。この軌跡は yをパラメータとすると
    X=-y²/2, Y=-y/2 → X=-2Y²
  つまり、yは実数の範囲で y≠0 だから (0,0)を除いた放物線になる。

 3.3 ∠C=90゜のとき

  同様にABの中心の座標を (X, Y) とすると
    (X, Y)=( (x+1)/2, y/2 )
  となる。このとき、y²+(x+1/2)²=1/4 なので
    Y=y/2 → Y²=(1/4-(x+1/2)²)/4
  つまり
    Y²=(1/4-(2X-1+1/2)²)/4=1/16-(X-1/4)² → (X-1/4)²+Y²=1/16
  となり、これはとなる。同様に y≠0 から
    (0, 0) , (1/2, 0)
  は除かれる。

以上


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2つの曲線 y=x² と y=(x-a)²/4 (a>0)で囲まれた領域で x+2y の最大最小値

2021-07-10 18:07:48 | 算数

1.まえがき

 2つの曲線 y=x² と y=(x-a)²/4 (a > 0)で囲まれた領域で z=x+2y の最大・最小値を求める
 問題があったが、
とても面倒だった。

2.準備1

 y=x² と y=(x-a)²/4 の交点は
   x=-a, a/3・・・・・・①
 この領域は三日月のような領域で、これを Dとする。上の点は両端になる。領域の境界
 を除いた内部 D゜の点を (x,y) とすると x<x', y<y' となる (x',y')∈D゜が存在する。同様に

 x' < x, y' つまり、x+2y の最大・最小は Dの境界にある。すると最大・最小は上の2つの
 境界線上の極値か端点(両端)のいずれかとなる。


 境界線での極値を求めると y=x² のとき
   z(x)=x+2y=x+2x² → z'(x)=1+4x=0 → x=-1/4
 すると
   z(-1/4)=-1/4+2(-1/4)²=-1/8・・・・・・②

 y=(x-a)²/4 のとき
   z(x)=x+2y=x+2(x-a)²/4 → z'(x)=1+(x-a)=0 → x=a-1
 すると
   z(a-1)=a-1+2(a-1-a)²/4=a-1/2・・・・・・・③
 となる。

 端点の値は、①から
   z(-a)= -a+2(-a)²=2a²-a=2a(a-1/2)・・・・・④
   z(a/3)=a/3+2(a/3)²=2a²/9+a/3=(2a/9)(a+3/2)・・・・⑤
 となる。

 したがって、これらの②~⑤の内から最大・最小を選べはよい。このとき、②は負、⑤
 は正であることに注意。また
   ③-④=a-1/2-(2a²-a)=-2(a²-a+1/4)=-2(a-1/2)²≦0
 なので常に
   ③≦④・・・・・・⑥

 また
   ②-④=-1/8-(2a²-a)=-2(a-1/4)²≦0
 なので常に
   ②≦④・・・・・・⑦

3.準備2

 ②③の極値は領域 Dに含まれない可能性があるので、これを検討する。
 ②が存在する場合は
   -a≦-1/4 → a≧1/4・・・・・・⑧
 となる。

 ③が存在する場合は
   -a≦a-1≦a/3 → 1/2≦a≦3/2・・・・・⑨
 となる。

4.最小値


 (1) ②が存在するとき
  ②は負、⑤は正なので、②③④の比較、⑦から、②③だけを比較すればよい。
    ②-③=-1/8-(a-1/2)=-a+3/8

  となる。③が存在すれば、1/2≦a から、-a+3/8< 0 → ②< ③。③が存在しなければ
  当然、最小値は②となる。つまり、いずれも最小値は②となり
    最小値は 1/4≦a → ②の -1/8
         
 (2) ②が存在せず、③が存在するとき
  ⑧⑨から、a< 1/4 かつ、1/2≦a≦3/2 となり、このような条件は無い。

 (3) ②③が存在しないとき
  ④⑤を比較すればよい。条件は a< 1/4 かつ (1/2 >a または a > 3/2) → a< 1/4 の
  ときとなり、

    ④-⑤=4a²-a-(2a²/9+a/3)=(34/9)a²-4a/3=(2a/9)(17a-6) < 0 (a < 1/4 から)
  したがって、
    最小値は a < 1/4 → ④の 4a²-a
  となる。

 (4) まとめると
    最小値は 1/4≦a → ②の -1/8
         a < 1/4 → ④の 4a²-a

5.最大値

 ⑤は正なので、最大値は③④⑤を比較すればよいが、⑥⑦から④⑤とだけ比較すれば
 よい。

   ④-⑤=4a²-a-(2a²/9+a/3)=(34/9)a²-4a/3=(2a/9)(17a-6)
 したがって、a > 6/17のとき、④ > ⑤となる。

 ゆえに、最大値は
   a > 6/17のとき、④で、4a²-a
   a≦6/17のとき、⑤で、2a²/9+a/3
 である。

以上


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放物線が放物線上を転がるときの軌跡

2021-05-30 20:43:42 | 算数

1.まえがき

 慶応大の問題。放物線 y=x²が、放物線 y=-x²の周囲を滑ることなく転がるとき、もとの放物
 線に固定された点 (0,c) の軌跡を求む。解法が面白いので紹介する。



2.2つの図形が接線について対称になること

 放物線PAをPB上を転がしてPA₁の位置に移動したとする。放物線PAに固定された点 (0,c) が
 点Pに移動したとする。このとき、PAとPBの接点Aでの接線を ℓとすると、PAとPBは ℓに対
 して対称になることを使えば、この問題は簡単に解ける。

 点Aから各放物線の頂点O,O' までの長さは等しい。するとこの放物線を接線上を逆方向に転
 がして、頂点が接する位置 O'', PA₂, PB₂まで戻す。すると、これらの放物線が接線について
 対称であることがわかる。



3.計算

 点A,Pの座標を (s,-s²)、(u,v)とする。すると 点Aの接線 ℓの式は
    y+s²=-2s(x-s) → y=-2sx+s²
 となる。2つの放物線が接線 ℓに対して対称だから、Pと(0,-c)を通る直線は ℓと直交し、そ
 の傾きは 1/2s となるから、この直線の式は y=x/2s-c となり、(u,v)を通るから
    v=u/2s-c → u-2sv=2sc
 となる。また、Pと(0,-c)の中点は ℓ上にあるから
    (v-c)/2=-2s(u/2)+s² → 2su+v=2s²+c
 となる。この2式を u, vについて解くと
    u=4s(s²+c)/(4s²+1) , v={2s²(1-2c)+c}/(4s²+1)
 となる。

 このとき、s → ∞ のとき、u~s , v → 1/2-c となる。つまり、PAの頂点のx座標は点Aより
 +側にはいかず、y座標は負にならない。

以上


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ある変数変換に対する領域の形状変化

2021-04-20 10:35:17 | 算数

1.問題

 変数 a,b の作る ab直交座標系において
   -1≦a≦2 , -1≦b≦1・・・・・・(1.1)
 を満たす四角形の領域が変換
   x=(2a+b)/3 , y=(2a²+b²)/3・・・・・・(1.2)
 によって、xy座標系の領域はどのような形状になるか。



2.計算

 2.1 aを一定とし、bを変化させた線分(縦線)の像

  a=一定で、b=-1~1 の直線が、xy平面でどのような形状になるか調べるため、(1.2)で
  bを消
去すると
    y={2a²+(3x-2a)²}/3=3x²-4ax+2a²
      =3{ (x-2a/3)²+2a²/9 }・・・・・(2.1)
  となる。これをみると、同じ形の放物線がaによって、右へ移動、上から下へ、また
  上に移動する。その両端での放物線は

  (2.1)から a=-1 のとき
    y=3x²+4x+2 =3{ (x+2/3)²+2/9 }     (a=-1) ・・・・・(2.2)
  となり、この両端の座標は(1.2)から(b=-1~1 として)
    (x,y)=(-1,1)~(-1/3,1) ・・・・・・・・・・・・・(2.3)
  となる。a=2 のときは
    y=3x²-8x+8 =3{ (x-4/3)²+8/9 }     (a=2) ・・・・・(2.4)
  となり、この両端の座標は同様に
    (x,y)=(1,3)~(5/3,3) ・・・・・・・・・・・・・・(2.5)
  となる。

  すると、求める領域は左右の両端近傍で、この曲線以下となる

 2.2 放物線群の包絡線

  上のように放物線が移動すると、下側ではこの放物線群の包絡線がある。これは(2.1)
  の両辺をaで微分したものと(2.1)から、aを消と求まるから
    0=-4x+4a → a=x → y=x²  ・・・・・・・・・(2.6)
  となる。すると、求める領域は、少なくとも、この包絡線の上にある

 2.3 放物線群の両端の軌跡

  この両端の軌跡は(2.1)でb=∓1として、aを消すと
    y=((3x±1)²/2+1)/3=(3x²±2x+1)/2  (b=∓1、複号同順)・・・・(2.7)
  この曲線と包絡線(2.6)の接点を求めると
    x²=y=(3x²±2x+1)/2 → (x±1)²=0 → x=∓1 (b=∓1、複号同順)・・・・(2.8)
  となり、左端は問題ないが、(2.5)から右端 x=1 は放物線の右端 x=5/3 より小さい。
  つまり、右端は x=1~5/3の間は、求める領域の下限は包絡線ではなく、(2.7)より上に
  ある。

  以上をまとめると、求める領域の下限は
    y≧x² (-1≦x≦1) , y≧(3x²-2x+1)/2 (1≦x≦5/3)
  となる

 2.4 求める領域の上側の境界

  まず、曲線群の両端の軌跡(2.7)は途中で交差し、入れ替わるからその交点を求める。
    (3x²+2x+1)/2=y=(3x²-2x+1)/2 → x=0 ・・・・・・・・(2.9)
  となる。これにより、求める領域の上限の境界が決定され
    y≦3x²+4x+2  (-1≦x≦-1/3)    ( (2.2), (2.3)から )
    y≦(3x²-2x+1)/2 (-1/3≦x≦0)  ( (2.8), (2.9)から )
    y≦(3x²+2x+1)/2   (0≦x≦1)     ( (2.8), (2.9)から )
    y≦3x²-8x+8 (1≦x≦5/3)   ( (2.4), (2.5) から )

 2.5 結論

  以上をまとめると、求める領域は

          x²≦ y ≦3x²+4x+2  (-1≦x≦-1/3)
          x²≦ y ≦(3x²-2x+1)/2 (-1/3≦x≦0) 
          x²≦ y ≦(3x²+2x+1)/2   (0≦x≦1) 
    (3x²-2x+1)/2≦ y ≦3x²-8x+8 (1≦x≦5/3)
  となる。

以上


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x,yの多項式 f(x,y)が f(x,y)=f(y,x) を満たすときの形式

2021-04-07 22:57:53 | 算数

命題

 x,y の多項式 f(x,y)が f(x,y)=f(y,x) を満たし、
   s=x+y , t=xy , u=x-y , v=x²
 としたとき、fは s, tの関数として表される。

証明

 下記は簡単に計算される。
   x=(s+u)/2 , y=(s-u)/2 , s2-u2=4xy=4t ・・・・・・・①

 条件から
   f(x,y)=( f(x,y)+f(y,x) )/2
 である。また、x,yの多項式は一般に f=Σ Amn xm yn と表されるから
   f(x,y)=Σ (Amn /2)(xm yn +ym xn ) ・・・・②

 となる。ここで、対称なので m≧n としても一般性は失わない。
   xm yn +ym xn =(xy)n (xm-n +ym-n )=(tn/2m-n) { (s+u)m-n +(s-u)m-n }
 となる。これは s,u の多項式であるが、この値は u → ±uとしても変わらないから
   (s+u)m-n +(s-u)m-n =Σ Bpq spu2q =Σ Bpq sp (s2-4t)q  
 と表される。ここで、①を使った。

 ②に戻すと、fは s,t の関数とわかる。

以上


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