分詞構文と呼ばれている‘-ing’のカタチの基本を扱います。以下、見ましょう。
(1)Tom reads a book. (トムは本を読む。)
(2)Tom listens to music. (トムは音楽を聴く。)
(1)と(2)をつないで、1つの文にしてみたいと思います。その方法はいろいろありますが、1つの方法として、動詞の‘-ing’のカタチを使ったものがあります。
(3)Tom reads a book <listening to music>. (<音楽を聴きながら>、トムは本を読む。)
(3)の‘listening’は、もちろん、(2)の動詞‘listen’「聞く」が、‘-ing’を末尾に付けることによって、カタチを変化させたものです。この‘-ing’のカタチに対する日本語訳は、「~ ながら」となっています。つまり、あることをしながら、一方で、別のことをしていることを表すときに、便利な表現ですね。
(4)John sings <walking on the street>. (<通りを歩きながら>、ジョンは歌う。)
(5)They ran away <crying>. (<泣きながら>、ヤツらは逃げていった。)
(6)Mary watchs TV <eating breakfast>.
(<朝食を食べながら>、メアリーはテレビをみる。)
(4)~(6)において、やはり、「~ ながら」という表現は‘-ing’のカタチを付け足してやることで、表現できることがわかると思います。ですので、「~ ながら」を英語で表現してやるのは、とても簡単なんですね。ここで注意点ですが、こういった、‘-ing’の付け足しでは、意味として、「~ ながら」だけが表現されるわけではありません。
(7)<Seeing the snake> I was very scared.
(<そのヘビを見ると>とても怖かった。)
(8)<Turning to the left> you can find a red house.
(<左に曲がると>赤い家が見つかりますよ。)
(9)<Drinking too much> John fell asleep on the street.
(<飲みすぎて>ジョンは路上で寝てしまった。)
(10)<Accepting what you insist> I want you to accept mine too.
(<君の主張は受け入れるけど>ボクのも受け入れて欲しい。)
(7)~(10)を見てもわかるように、付け足しの‘-ing’には、いろんな意味があります。「~すると」、「~して」、「~ので」、「~けど」、などありますね。そこで、一体、何種類くらいの日本語訳を覚えたらいいんだ、と考え込んでしまいますが、別に、ふさわしい日本語訳を暗記して、カチっと対応させる、などということは、考えなくてもよいと思います。
こういった‘-ing’の解釈は、文全体の意味や、その他の文脈から判断して、最も自然な意味になるようにもっていきさえすればよいだけで、特に、どういった意味に取らなければならない、というような決まりごとはありません。明らかに変だな、と思われる意味にならないように注意して、最も自然な意味になっていれば、大丈夫です。
それよりも、少々厄介なのは、(3)にあるように、(2)の動詞‘listen’を、‘-ing’のカタチに変えたときに、主語の‘Tom’がなくなっていることです。このように、基本的には、分詞構文の‘-ing’は、動詞でありながら、主語をもっていない、ということから、その主語は、どのようにして判別したらよいのか、ということが問題になります。そこで、(3)の文では、音楽を聴いているのは誰か、と考えると、もちろん、トムですね。トム以外の人物ではないということです。つまり、トムは、‘read’の主語でもあり、同時に、‘listening’の主語でもある、ということです。
今度は、(4)~(6)を考えてみます。(4)で、ジョンは、もちろん、‘sing’の主語であるわけですが、同時に、‘walking’の主語でもあるわけです。(5)では、‘they’「ヤツら」が、‘run away’の主語ですが、同時に、‘crying’の主語でもあります。(6)では、メアリーが、‘watch’の主語ですが、同時に、‘eating’の主語でもあります。
こんなふうに、付け足しの‘-ing’は、目に見えるカタチでの主語をもっていないので、他の文の主語を、解釈上の主語として借りてくることになっているのがわかります。これが、付け足しの‘-ing’、つまり、分詞構文の基本的なルールということになります。それと、この、‘-ing’の付け足し、という文のつくり方において、そういった‘-ing’は、文法的には、どのような扱いになるか、ということですが、さすがに、「付け足し」というだけあって、この種の‘-ing’は、副詞として扱うことになっています。 (EG39、EG40、EG44参照)
つまり、分詞構文の正体は、副詞的‘-ing’と言ってもよく、そこから、当然、文の骨格にはなり得ません。ですので、語順に関しては、比較的、自由度が高く、依存する文の前でも、後でも、くっ付くことができます。(3)~(6)では、‘-ing’が、依存する文の後に位置していますが、一方、(7)~(10)では、‘-ing’が、依存する文の前に位置しています。そういったことで、やはり、‘-ing’が置かれる位置が、前の方がよいか、後の方がよいかは、文の意味に応じて選ばれるということになります。
例えば、(8)の文では、左に曲がってから、その後で、赤い家が見つかる、という順番になりますから、‘turning to the left’は、‘you can find a red house’の前にあった方がよい、ということになりますね。これは、(8)と似たような意味を表す以下のような文(11a)とは、ちょっと使い勝手が違ってきます。
(11)a. You can find a red house <if you turn to the left>. (訳同(8))
b. <If you turn to the left> you can find a red house. (訳同(8))
(11a)では、< >の副詞節である表現が、文の末尾に位置していますが、そのような語順は、別に逆であってもよく、(11b)のように、< >の表現が文の先頭にあっても構いません。これは、前後の文において、それぞれが担う意味の役割が、もとからハッキリしていて、語順変更しても、意味の解釈に支障が出ないからです。
‘if ~’「~ ならば」が、アタマにくっ付いている文は、<if+主語+動詞 ~>というように、1つのまとまりを成して、副詞節となります。もちろん意味も、副詞的‘-ing’とは違って、それ自体を見てわかるので、その点、さして語順は重要ではないわけですね。
しかし、付け足しの‘-ing’の場合は、それ自体を見た段階で、意味が決まっているのではなく、その他、文全体を考慮したり、文脈を考慮したりしてから、適切な意味に取るという作業が必要になってきますので、極力自然な語順を選ばなければなりません。
そこで、一般的な傾向としては、(3)~(6)のような、「~ ながら」の意味になる、付け足しの‘-ing’は、文の先頭にも末尾にも現れますが、(7)~(10)のような意味の‘-ing’は、文の先頭に置かれます。しかし、どちらのケースでも、文の中に割って入るときもあります。文の中に割って入る場合は、一般的には、‘-ing’の主語と解釈される表現の直後である位置が普通です。
(12)Tom、<listening to music>、reads a book. (訳同(3))
(13)John、<drinking too much>、fell asleep on the street. (訳同(9))
今回のポイントは、分詞構文と呼ばれる、‘-ing’のカタチをした、付け足しの副詞表現です。こういった‘-ing’は、(11a)や(11b)にあるような、< >の副詞節のように、それ自体で意味がハッキリしているわけではないので、意味によっては語順に注意しなければなりません。
そして、‘-ing’自体に、ハッキリと目に見えるカタチで主語が付いているわけでもないので、‘-ing’が依存する(かかる)他の文の主語に、その主語を求めなければならない、という点で、思いのまま勝手自由に付け足す、ということを許すものでもありません。あと、分詞構文には、その仲間として、他のカタチもありますが、その紹介は、別の機会になります。
■注 :‘Mary worked hard、<finishing the job in two days>.’「メアリーは、がんばってはたらいて、2日でその仕事を終わらせた。」、のように、「結果」を表す分詞構文の、‘-ing’もあります。もちろん、語順は、意味の流れに従って、文の末尾に置かれます。
●関連: EG39、EG40、EG44
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(1)Tom reads a book. (トムは本を読む。)
(2)Tom listens to music. (トムは音楽を聴く。)
(1)と(2)をつないで、1つの文にしてみたいと思います。その方法はいろいろありますが、1つの方法として、動詞の‘-ing’のカタチを使ったものがあります。
(3)Tom reads a book <listening to music>. (<音楽を聴きながら>、トムは本を読む。)
(3)の‘listening’は、もちろん、(2)の動詞‘listen’「聞く」が、‘-ing’を末尾に付けることによって、カタチを変化させたものです。この‘-ing’のカタチに対する日本語訳は、「~ ながら」となっています。つまり、あることをしながら、一方で、別のことをしていることを表すときに、便利な表現ですね。
(4)John sings <walking on the street>. (<通りを歩きながら>、ジョンは歌う。)
(5)They ran away <crying>. (<泣きながら>、ヤツらは逃げていった。)
(6)Mary watchs TV <eating breakfast>.
(<朝食を食べながら>、メアリーはテレビをみる。)
(4)~(6)において、やはり、「~ ながら」という表現は‘-ing’のカタチを付け足してやることで、表現できることがわかると思います。ですので、「~ ながら」を英語で表現してやるのは、とても簡単なんですね。ここで注意点ですが、こういった、‘-ing’の付け足しでは、意味として、「~ ながら」だけが表現されるわけではありません。
(7)<Seeing the snake> I was very scared.
(<そのヘビを見ると>とても怖かった。)
(8)<Turning to the left> you can find a red house.
(<左に曲がると>赤い家が見つかりますよ。)
(9)<Drinking too much> John fell asleep on the street.
(<飲みすぎて>ジョンは路上で寝てしまった。)
(10)<Accepting what you insist> I want you to accept mine too.
(<君の主張は受け入れるけど>ボクのも受け入れて欲しい。)
(7)~(10)を見てもわかるように、付け足しの‘-ing’には、いろんな意味があります。「~すると」、「~して」、「~ので」、「~けど」、などありますね。そこで、一体、何種類くらいの日本語訳を覚えたらいいんだ、と考え込んでしまいますが、別に、ふさわしい日本語訳を暗記して、カチっと対応させる、などということは、考えなくてもよいと思います。
こういった‘-ing’の解釈は、文全体の意味や、その他の文脈から判断して、最も自然な意味になるようにもっていきさえすればよいだけで、特に、どういった意味に取らなければならない、というような決まりごとはありません。明らかに変だな、と思われる意味にならないように注意して、最も自然な意味になっていれば、大丈夫です。
それよりも、少々厄介なのは、(3)にあるように、(2)の動詞‘listen’を、‘-ing’のカタチに変えたときに、主語の‘Tom’がなくなっていることです。このように、基本的には、分詞構文の‘-ing’は、動詞でありながら、主語をもっていない、ということから、その主語は、どのようにして判別したらよいのか、ということが問題になります。そこで、(3)の文では、音楽を聴いているのは誰か、と考えると、もちろん、トムですね。トム以外の人物ではないということです。つまり、トムは、‘read’の主語でもあり、同時に、‘listening’の主語でもある、ということです。
今度は、(4)~(6)を考えてみます。(4)で、ジョンは、もちろん、‘sing’の主語であるわけですが、同時に、‘walking’の主語でもあるわけです。(5)では、‘they’「ヤツら」が、‘run away’の主語ですが、同時に、‘crying’の主語でもあります。(6)では、メアリーが、‘watch’の主語ですが、同時に、‘eating’の主語でもあります。
こんなふうに、付け足しの‘-ing’は、目に見えるカタチでの主語をもっていないので、他の文の主語を、解釈上の主語として借りてくることになっているのがわかります。これが、付け足しの‘-ing’、つまり、分詞構文の基本的なルールということになります。それと、この、‘-ing’の付け足し、という文のつくり方において、そういった‘-ing’は、文法的には、どのような扱いになるか、ということですが、さすがに、「付け足し」というだけあって、この種の‘-ing’は、副詞として扱うことになっています。 (EG39、EG40、EG44参照)
つまり、分詞構文の正体は、副詞的‘-ing’と言ってもよく、そこから、当然、文の骨格にはなり得ません。ですので、語順に関しては、比較的、自由度が高く、依存する文の前でも、後でも、くっ付くことができます。(3)~(6)では、‘-ing’が、依存する文の後に位置していますが、一方、(7)~(10)では、‘-ing’が、依存する文の前に位置しています。そういったことで、やはり、‘-ing’が置かれる位置が、前の方がよいか、後の方がよいかは、文の意味に応じて選ばれるということになります。
例えば、(8)の文では、左に曲がってから、その後で、赤い家が見つかる、という順番になりますから、‘turning to the left’は、‘you can find a red house’の前にあった方がよい、ということになりますね。これは、(8)と似たような意味を表す以下のような文(11a)とは、ちょっと使い勝手が違ってきます。
(11)a. You can find a red house <if you turn to the left>. (訳同(8))
b. <If you turn to the left> you can find a red house. (訳同(8))
(11a)では、< >の副詞節である表現が、文の末尾に位置していますが、そのような語順は、別に逆であってもよく、(11b)のように、< >の表現が文の先頭にあっても構いません。これは、前後の文において、それぞれが担う意味の役割が、もとからハッキリしていて、語順変更しても、意味の解釈に支障が出ないからです。
‘if ~’「~ ならば」が、アタマにくっ付いている文は、<if+主語+動詞 ~>というように、1つのまとまりを成して、副詞節となります。もちろん意味も、副詞的‘-ing’とは違って、それ自体を見てわかるので、その点、さして語順は重要ではないわけですね。
しかし、付け足しの‘-ing’の場合は、それ自体を見た段階で、意味が決まっているのではなく、その他、文全体を考慮したり、文脈を考慮したりしてから、適切な意味に取るという作業が必要になってきますので、極力自然な語順を選ばなければなりません。
そこで、一般的な傾向としては、(3)~(6)のような、「~ ながら」の意味になる、付け足しの‘-ing’は、文の先頭にも末尾にも現れますが、(7)~(10)のような意味の‘-ing’は、文の先頭に置かれます。しかし、どちらのケースでも、文の中に割って入るときもあります。文の中に割って入る場合は、一般的には、‘-ing’の主語と解釈される表現の直後である位置が普通です。
(12)Tom、<listening to music>、reads a book. (訳同(3))
(13)John、<drinking too much>、fell asleep on the street. (訳同(9))
今回のポイントは、分詞構文と呼ばれる、‘-ing’のカタチをした、付け足しの副詞表現です。こういった‘-ing’は、(11a)や(11b)にあるような、< >の副詞節のように、それ自体で意味がハッキリしているわけではないので、意味によっては語順に注意しなければなりません。
そして、‘-ing’自体に、ハッキリと目に見えるカタチで主語が付いているわけでもないので、‘-ing’が依存する(かかる)他の文の主語に、その主語を求めなければならない、という点で、思いのまま勝手自由に付け足す、ということを許すものでもありません。あと、分詞構文には、その仲間として、他のカタチもありますが、その紹介は、別の機会になります。
■注 :‘Mary worked hard、<finishing the job in two days>.’「メアリーは、がんばってはたらいて、2日でその仕事を終わらせた。」、のように、「結果」を表す分詞構文の、‘-ing’もあります。もちろん、語順は、意味の流れに従って、文の末尾に置かれます。
●関連: EG39、EG40、EG44
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