Tarkus('71)/Emerson, Lake & Palmer

キース・エマーソンに関しては、実はさほど興味を持っている訳ではありませぬ。
ただ、オルガンへの探究心の深さという点に対し、必要以上に執念深い部分に凄く共感を覚えてしまうんですね。
この作品は、EL&Pの2nd作として有名との事なのですが、昨年のNHK大河ドラマのテーマ音楽として引用されていたという事で興味を懐いた次第。
過去2作品ほど彼らのレヴューを書いてますが、個人的には何となく場違いな雰囲気は感じております。

personnel:
Keith Emerson(kb)
Greg Lake(vo,b,g)
Carl Palmer(d)

このジャケは昔から良く見かけていたので“アルマジロ戦車”と勝手に名付けて呼んでおりました。
しかしながら、何度も手にはとりつつ実際に聴くまでには至らなかったんですね。
この度、平清盛公のお導きにより、ようやく耳にする機会が持てた訳でありますな。

で、聴いてみれば、予想外にハードで、やはりギターの出番が極限られていて物足りない部分はあるものの、実に多彩なサウンドが繰り広げられているのに驚きました。
構成手法の根底には組曲的な考え方てのは感じられるのですが、演ってる本人達にはそのような意識は微塵もなかったに違いないでしょうね。
ただ、このような複雑な構成の曲を、ステージなりで即興的に合わせてしまうという事自体が、驚き以外の何物でもない様な気がします。
それに、平然とブルーズを混在させている事も、音楽的な広がりとしてアンバランスながら一方で対比させる効果を生んでいるのかもしれないし、それがゆえにロックを感じさせる要因となっているんでしょうね。

tracks:
1.Tarkus
a)Eruption
b)Stones Of Years
c)Iconoclast
d)Mass
e)Manticore
f)Battlefield
g)Aquatarkus
2.Jeremy Bender
3.Bitches Ceystal
4.The Only Way (Hymn)
5.Infinite Space (Conclusion)
6.A Time And A Place
7.Are You Ready Eddy?
bonus track:
8.Prelude And Fugue

圧巻なのは、やはりタイトル曲“Tarkus”ですわな。
組曲となっていて、其々の章での展開が凄く特徴的で面白いと思います。
想像上の兵器とされている“アルマジロ戦車”が生き生きと暴れまわる様が感じられ、妙に楽しいですねえ。
・・この曲をCGで映像化しても面白いんではないだろうか・・いや、あったりしないかなぁ。

EL&P TARKUS（1972.07.22 後楽園球場）


ぶっちゃけ、Tarkus以外にはあまり惹かれるものは感じないのですが、ボートラの#8“Prelude And Fugue”には、なぜか予定調和を感じてしまいます。
個人的には、このソロピアノは、かなりポイント高いんじゃないかと・・。