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D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Waiting For The Punchline('95) / Extreme

2007-03-14 23:06:11 | band
本日は、Van Halen とか Boston ってキーワードから浮かんできたバンドを採り挙げてみました。
・・Extreme(エクストリーム)です。
いつもの流れだと1st‘Extreme’になるのですが、今回は一押しの4th‘Waiting For The Punchline’を選びました。

まず軽くおさらいです・・クドくてすみません。(笑)
Extremeは'85年にアメリカはマサチューセッツ州ボストンで結成されました。
一応、メタルにカテゴライズされてますが、ファンクのノリが顕著なのと本人達の言動から、ファンク・メタル・バンドと呼ばれてました。
結成当時の面子から、この作品ではドラムのみ中途半端にチェンジしてます。

まず、ギターのNuno Bettencourt(ヌーノ・ベッテンコート)は'66年9月20日ポルトガル領のアゾレス諸島(大西洋のど真ん中あたり)第3の島テルセイラ出身で、ポルトガル人のようです。
もしかしたらアメリカに帰化してるかもしれませんが・・ま、どうでもいいか。(笑)


【Nuno Bettencourt】

4歳の頃、家族でマサチューセッツ州ハドソンに移住し、そこで成長しました。
10歳の頃からドラム、ピアノ、ギターを家族や知人から学び、高校をドロップアウトしてバンド活動を始めてます。
彼が標榜するアーティストは、Van Halen、Al DiMeola、Paco DeLucia、The Beatles、Queenなどらしいのですが、アコースティックワークなどからはフラメンコからの影響を色濃く感じます。
ちなみに、彼の本名は凄く長くて‘Nuno Duarte Gil Mendes Bettencourt’というそうです・・面白いですね。(笑)

残りのメンバーはみんなマサチューセッツ州出身者ばかりで、ベースのPatrick(Pat) Badger(パット・バッジャー:'67年7月22日生)と共に、‘The Dream’というバンドに居た、ヴォーカルのGary Cherone(ゲイリー・シェロン:'61年7月26日生)とドラムのPaul Geary(ポール・ギアリ:'63年7月18日生)が合流し、Extreme結成となりました。
更に、この作品を'94年にレコーディング開始した直後、マネージメント業に転向したいという理由でドラムが止め、代わりに入ったのがNunoの知人Mike Mangini(マイク・マンジーニ:'63年4月18日生)です。
ですから、この作品リリース時は、Nunoが28歳、Patが27歳、Garyが33歳、Mikeが31歳くらいということになります。

そんな彼らのファンク的な要素は、Nunoのギタースタイルの賜物と言っても良いと思います。
普通のメタル系とは違い、パワーコードよりも、テンションコードによる潔いカッティングを多用したバッキングや、ハーモナイズされたリフと異常に音数の多いオブリガードやソロを散りばめた演奏で、ギター小僧達のハートを鷲掴みにしてましたネ。
1stから3rdまではかなり被せて録ったブライトな音色だったのが、この作品では一転してダークでグランジ風の歪んだ音使いが目立ち、ライヴを見据えたようなスペースを上手く生かしたアレンジになってる辺りが、私がとても気に入ってる所以でもあります。
・・なにしろ曲がいいです。

1.There Is No God
トレモロのかかったディストーションギターとエッジが効いたベースのコンビネーションがイカシてますね。
Garyも力が入ったいい歌を聞かせてくれます。

2.Cynical
この曲もギターとベースのコンビネーションが抜群ですね・・Nunoの空ピッキングがたまりません。
ボコーダーっぽいコーラスもカッコいいし、途中のヨーロピアンな空気がなんともいえずいい感じ。
・・この曲かなり気に入ってます。

3.Tell Me Something I Don't Know
前2曲の流れの上に立つ1曲ですね。
スローで静かな雰囲気ですが、実に熱いパワーを秘めてます。

4.Hip Today
Mikeは表向きには3曲のみの参加で、まずはこの曲。
彼はまだこの頃は、Paulのセットのまま叩かないとおかしくなる・・なんてしおらしいことを言ってました。

5.Naked
タイトルどおり、生々しい音でカッチョええとしか言えません。
珍しくかなりブルージーなオブリですね。
ノリ一発で難しいことは何にもしてないけど、これだけ凄い空気が創れる彼らは、やはり凄かったですね。
・・これはライブで聴きたかったですよ・・静かな雰囲気ですが、絶対燃えてくるはず。
一押しでしょう。(笑)

6.Midnight Express
ポルトゲスなアコギ&パーカッションによるインスト。
ほぼオルタネイトなピッキングが力強く、エキゾチックな響きからオープンチューニングを使ってる感じもします。
ギター弾きにはたまらん曲です。(笑)

7.Leave Me Alone
Mike参加2曲目。
ノンリニア系のアンヴィエントな効果が効いてますね・・結構サイケで不思議な感じです。
粘るようなドラムのグルーヴに引っ張られて、みんな一丸となってファンキーですね。
オクターヴっぽい音使いだけなのにスペーシーなのが面白いです。

8.No Respect
Mike参加3曲目・・切り裂くようなドラムが縦ノリでカッコいいです。
吐き捨てるようなサビのヴォーカルがいいですね・・エンディングのシャウトも鬼気迫ってます。
微妙にエッジが効いたギターが色っぽくてたまりません・・カッティングが最高にイカシてます。

9.Evilangelist
意図してか否か、リズムがしょっちゅう裏返っています・・ドラムのグルーヴがイマイチ気持ち良くないのは私だけかな?
ギターの感じは一番旧作群に近いのではないでしょうか。

10.Shadow Boxing
ジミヘンぽいけどそれ以上にデリケートなテンションが感じられるコードワーク主体のバッキングは流石ですね。
隠し味的に使ってるハモンドやパーカッションが効いてます。

11.Unconditionally
アコギで始まるバラード・・Zepっぽいですね・・ギター上手すぎですが。(爆)
ルーツっぽい音ですが、この辺はやはり彼らが育ってきた文化の影響でしょうか。

12.Fair-weather Faith(bonus track)
ドラムは多分Paulだと思います。
ボートラにしては完成度が極めて高いし、最後に持ってきてもなんらおかしく感じられないと思うのですがネ。

13.Waiting For The Punchline(secret track)
ドラムはMikeでしょうね、多分・・ノリが全然ちゃいますから。
シークレットにすればファンが喜ぶと思ったのかな・・どれだけの効果があったのか甚だ疑問です。
#12が無いものと考えれば、エンディングとしてかなりフィットしてるのもまた事実ですが。


【LtoR:N.Bettencourt,P.Badger,M.Mangini,G.Cherone】

この作品を持って彼らは解散となってしまいました。
GaryがVan Halenに引き抜かれたのを引き金に、MikeはSteve Vai Bandのオーディションで選ばれるなど、どうしようもない状況になってたようです。
笑顔でGaryを送ったNunoは、結局すぐにソロ活動をはじめ、一皮向けて歌って躍れるギタリストに変貌しました・・昨年のUDO Music Festivalでの勇姿が記憶に新しいですネ。

ひつこいようですが、現在Nunoは40歳、Patは39歳、Garyは45歳、Mikeは43歳・・と、大体私と同じ世代になるのかな・・ちょっと微妙。(汗)
バンドは一瞬再結成したようですが、みんなそれぞれの道に別れても、元気で頑張ってほしいものです。
特にNunoにはミニアルバムでいいからインストモノを出してほしいと願うのは私だけでしょうかネ?


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