D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Nine Short Filmes('02)/ Bozzio & Sheehan

2007-06-03 18:36:10 | zappa-family
最近は妙に忙しくなった為でしょうか、ゆっくり何かをやりたいという欲求が沸いて来ません。
音楽に関しても然り・・なんかダメです。
求める音も、内省的なモノが必然と多くなって来ます・・危険だな。(汗)

そんな中で、妙に気持ちよく感じてしまう作品が、これです。
Terry Bozzio(テリー・ボジオ)がBilly Sheehan(ビリー・シーン)の協力を仰ぎ'02年にリリースした擬似サウンド・トラックとも言うべき作品・・“Nine Short Filmes(ナイン・ショート・フィルムズ)”です。
ボジオ自身がプロデュースし、Magna Carta(マグナ・カルタ)からリリースされてますね。
ボジオはドラムのほか、ヴォーカル・・と言うよりヴォイスかな、キーボード全般と、まるでギターのような音色でギター紛いのソロも演ってます。
ビリーはベースとヴァリトン・ギターを担当しており、#7ではギター・ソロも演ってます・・これはなかなか上手いぞ、と・・。
全曲とも、ボジオが創ったネタにビリーがオーヴァー・ダブを重ねて創っていったようです。

この作品、結構前に入手してたのですが、ちょっと暗い感じがしてなかなか聴く機会が持てませんでした。
実際・・暗いかもね、確かに。(涙)
曲はそれぞれ5分前後の長さで、映像のようにテンポ良く流れてゆく感じです。

製作の経緯などは全く分りませんが、音を聴く限りボジオがイメージする詩の世界を音に再現しながら、1本のロード・ムーヴィーが如く紡いで行ったってとこでしょうか。
音を聴いてると、粒子の粗いモノクロなイメージ・・まるでJim Jarmusch(ジム・ジャームッシュ)の映像のようなイメージが浮かんでくるようです。

1.Live by the Gun
2.Black Wisdom
3.Water and Blood
4.Tornado Alley
5.Distant Horses
6.One More Winter
7.Edge of a Ciecle
8.Finger Painting
9.The Last Page
10.Sub Continent



タイトルに“9”とあるのに、10トラックあります。
訳は聴けば分ります・・10はスタッフ・ロールの替わりでしょう。
ボジオのタップ紛いの多彩なパーカッションをバックにビリーがインプロを演りたい放題演ってます・・中近東風に、別世界への旅立ちみたいなイメージですね。
ビリーらしいソロが堪能できます・・個人的にはこれが一番良かったかな。

今まで、ボジオのドラミングに関して、正直“どの辺が凄いんかな?”と思ってました。
私もそれなりにドラムに関しては興味があるのですが、彼のプレイの凄さは何度聴いても未だによく理解できてません・・すんません。
ただ、この作品を聴き、ボジオは表現者として自分を出して行こうとしてる人なんだな、という印象を初めて感じました。
それと、パーカッションで狙う効果の多彩さが尋常でないことと、また、キーボードの腕も結構高いんだな、ってこともね。
彼に関して今後は、曲想に合った最適なパーカッションを創る天才・・と、理解することにします。

ビリーは、自身のソロの延長線上みたいな感じのプレイを繰り広げています。
この方もコンポーザーの影響をモロに受けて反応するタイプなので、多分似た者同士なんでしょうね。(笑)
また近いうちに、彼のソロ作も採り挙げてみたいと思ってます。


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