キリスト者の慰め

無宗教主義の著者が、人生の苦しみに直面し、キリストによって慰めをえる記録

真理の探究法

2007-08-31 03:48:23 | 無宗教主義
もし、私の目の前にあるものが真理ならば、

それに対して「真理か否か?」を問うこと自体が不遜である。

真理は真理であるが故に、他の存在の証明を必要としない。

真理は、受け入れた時に真理として開示されるものであって、

人間がその上に立って、思考のメスをふるって解析できるものではない。

だから真理とは、信ずべきものであって、決して議論・説明・証明できるものではない。

宗教学を修めたり、教養を積んだり、立派な師匠に指導されたり、

自分の理性に信頼を置いたりして、真理を直覚することはできないのである。

真理に対して、「これは真理か否か?」と疑問を抱くそのことが、

人間的不遜に対する真理の拒否反応である。


もし、ある者(知人・友人?天使?)が私に向かって、

「これが真理である!汝はこれを信ぜよ!」と強要したとしても、

私はある者の強要する真理を退ける。

もし彼の称するものが真理でないならば、知ろうとすること自体、時間の無駄。

また、もし彼の称するものが真理ならば、真理はそれ自体で証するものであれば、

彼の如き鉄面皮の強要者など必要としない。

だから、胡散臭い宗教団体の伝道(宣伝)活動なんぞに、

真の真理など宿っていないのである。


人はよく「夢を持て!」という。

まるで夢さえ持てば、真理の側についたと言わんばかりに。

ある人曰く、

「夢なき人間に理想なし、理想なき人間に計画なし、計画なき人間に実行なし、

実行なき人間に成果なし、成果なき人間に幸福なし、故にまず夢を持て」と。

しかしそれが、何の夢かが問題である。

経済的利益の獲得や、まだ見ぬユートピア(ハワイ?グアム?)への憧れや、

空想的に思い描く伴侶の獲得や、仕事の昇進など、

そんなものをもって夢と称するのであれば、夢などないほうがよい。

大多数の現代人の称する夢とは、肥大化した自己愛の結晶である。

真理は、夢によって到達できない。

夢を捨てて、一切の夢を放棄して、知るべきもの。


真理がいつまで経ってもわからないのは、

別に頭が悪いわけでも人格力がないわけでもない。

真理がわからないのは、人間があまりにも、

頭でっかちで、周囲に振り回され易く、夢が多すぎるからである。



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1 コメント

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Unknown (zero)
2007-08-31 10:38:16
こんにちは。

宮内さんは夜遅くまで起きてらっしゃるんですね。

それから本当に物事をよく考えてらっしゃるお方なのだなと思います。

文章を書く作業をされる方は、必然的に深く思考するようになるのか、物事を深く考えるから文章にそれらが表れるのか…きっとどちらも言えるのだと思います。


でも、ほんとにこの日本で「真理」を知りたい人や「本当に美しい物」や「完全なもの」を捜し求めている人がどれぐらいいるのでしょうね。

ごく少数のような気もしますし、意外と隠れて大勢いるのに、あまりにも邪魔者が多くて見えなくなっているような気もします。

また、ただの人間が自分の自由意志を働かせて、自分以外の人に真理を受け入れるために働くことができるのか、私には到底わからないことです。

私がどれだけ望んだとしても、思い通りになるわけではなく、私が望まなくとも、真理を受け入れる人は受け入れるのです。私自身もそうでしたし。

けれども私の内には、「真理を受け入れて欲しい!」というどうしようも抑え難い思いや祈りが存在するのです。

この思いすら私から出てきた思いではないように思います。

私のうちにある別の何ものかが生きて働いていることを私自身が感じるのです。

しかしその働きをもこの私自身が邪魔をすることが多々あります。そのまま放っておけばよいのに、私自身の考えがそれらを取り込もうとし、働きの邪魔を常にするのです。

焦ってしまうし、強要してしまうし、自分の考えを押し付けてしますのです。

ただただ真理そのものが自由に人に働いて、多くの人をまた自由にしていくことが望ましいのだと知りつつ、逆のことをする自分がいるのですから滑稽としか言いようがないですね。

このような内容が文字上だけではありますが、意味を理解することのできる方とやり取りできることを嬉しく思います。


ある夜、主は幻によってパウロに、「恐れないで、語り続けなさい。黙ってはいけない。 わたしがあなたとともにいるのだ。だれもあなたを襲って、危害を加える者はない。この町には、わたしの民がたくさんいるから。」と言われた。 (使徒18:9、10)
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