不羈と孤影ーあるいはサルビア
意味もない親和性から
距離を置いてきたが、
裏の庭の
サルビアの紅いろが今朝は
鮮明に
飛び込んでくる
(人の影の
濃淡は
自分の無知についての
知識に似て
時の陽射しがものがたる
孤独な肉体の曳航)
観念の距離をまたぐ淋しさ
いまも淋しい世界の
どこかで
みえない鮮血がながれているに
違いない、と短絡な
眼差しの思考は
(古代人の
子供の骨が
七十体あまり発掘された
富山の遺跡地では
晒された時間が
人体の影を少し濃くするだろう)
不要な時か、
不適切な折りばかり
当てにならないのは
他人ではない、たぶん
自分のなかのなにか
ふと、ことばといってみる
(一つの人の影
その本体は一人とは限らない
角度によっては
離れたふたりの影を
一つにしてみせる
嘘の抱擁もあるから)
観念の距離をまたぐ
失敗も
自分のことで精一杯の日々
同じ轍を
踏んではならないと思う
似たような失態で
(人の影の
淋しさは
未生の影に託すつもりの
知識に似て
雲の出ぬ間の夜道に凍える
朝の髭剃りの後の夕刻の青さ、それは、それでいいのか)
他者を
せめるよりは
せめあぐねる
不器用ものには
幸か不幸か
ならないようにしかならないのではない
(男の影の
深遠は
おのれの無知についての
俯角にそって
ひっそりと眠りにつく
孤独な詩の予兆)
ならないようにさえならない
裏庭の、
世界という不可侵あるいは
サルビアの血の色
意味もない親和性から
距離を置いてきたが、
裏の庭の
サルビアの紅いろが今朝は
鮮明に
飛び込んでくる
(人の影の
濃淡は
自分の無知についての
知識に似て
時の陽射しがものがたる
孤独な肉体の曳航)
観念の距離をまたぐ淋しさ
いまも淋しい世界の
どこかで
みえない鮮血がながれているに
違いない、と短絡な
眼差しの思考は
(古代人の
子供の骨が
七十体あまり発掘された
富山の遺跡地では
晒された時間が
人体の影を少し濃くするだろう)
不要な時か、
不適切な折りばかり
当てにならないのは
他人ではない、たぶん
自分のなかのなにか
ふと、ことばといってみる
(一つの人の影
その本体は一人とは限らない
角度によっては
離れたふたりの影を
一つにしてみせる
嘘の抱擁もあるから)
観念の距離をまたぐ
失敗も
自分のことで精一杯の日々
同じ轍を
踏んではならないと思う
似たような失態で
(人の影の
淋しさは
未生の影に託すつもりの
知識に似て
雲の出ぬ間の夜道に凍える
朝の髭剃りの後の夕刻の青さ、それは、それでいいのか)
他者を
せめるよりは
せめあぐねる
不器用ものには
幸か不幸か
ならないようにしかならないのではない
(男の影の
深遠は
おのれの無知についての
俯角にそって
ひっそりと眠りにつく
孤独な詩の予兆)
ならないようにさえならない
裏庭の、
世界という不可侵あるいは
サルビアの血の色