私立校・中高一貫校生専門アルファ
私立校・中高一貫校生専門アルファのブログ。講習のお知らせや日頃の勉強について、基本的に毎日書いています。






暗記の仕方は人それぞれのことだとは思いますが、
一日何個、何単語と決めて、やっている(暗記している)のに、
なかなか覚えられないという方は、一度全部一気に覚えてみることを
オススメします。


こう書くといやいや無理無理、10個覚えるのだって、時間がかかるし、
6~7個ぐらいしか覚えられないしなどと言われる方が多いです。


しかし、仮に100個やってみて、20~30個覚えるだけでも
十分効果があると私は思います。


おそらく皆さん、効率を求めるあまりに、
確率や比率を重視しがちになっていると思います。


一見すると、10個覚えようとして、6~7個“も”覚えた、
6~7割の成功を収めたと思う。


一方、100個覚えようとして、20~30個“しか”覚えられなかった、
2~3割の成功、いえ、7~8割の『失敗』をしたとでも思うのでしょう。


しかし、ここが数学・数字の確率や比率の魔法だと思います。


実際に覚えた“個数”で考えてください。


覚えた個数は10個覚えようとしたのでは6~7個“しか”覚えなかったのです。


逆に100個覚えようとしたら、20~30個“も”覚えられたのです。


そして、それを時間で換算してみてください。


10個覚えようとして、一時間で6~7個覚えた。


100個覚えようとして、急ぎ足でやって二時間で20~30個覚えた。


時間対効率はいかがでしょうか。


これは、極端な例としましたが、実際はもっと『効率が良く』なると思います。


受験などで幅広い範囲を、『確かな知識』として身につけるのであれば、
上記のように、こつこつ10個ずつ覚えるほうがいいのかもしれません。


しかし、範囲も狭く、たかだか100個も満たないような重要単語の暗記であれば、
一気にやったほうが効率が良くなります。


皆さん、テスト前、特に前日の一夜漬けなどでは、この『能力』をよく発揮されますが、
それを、事前にやっておくだけで、より効率的に、より長く覚えられることができます。


すると、今度はこう言うかもしれません。


あまり早い段階で暗記して覚えると、テスト前になって忘れちゃう。


個人的な意見ではありますが、『テスト前』までは、何度だって忘れて構わないし、
何度だってやり直す・見返す・見直すのが当然だと思います。


テストの時に、思い出せさえすればいいわけですから。


ですが、おそらくこの『言い訳』の真意は、
『面倒だからやりたくない』という裏返しで、
格好つけたものなのでしょう。


それで点数が取れている、保持できているのであれば、
それでやっていくのもいいですが、ある程度の学年になった時、
そのやり方では間に合わなくなります。


覚える単語数が200~300個近くなった時、その時は、テスト3~4週間前から
コツコツとやるのでしょうか。


その場合は一回20~30個に増やして、テスト2週間前、10日前からやり始めるのでしょうか。
それとも、一回40~60個に増やして、1週間前からやるのでしょうか。


それなら、結局、今書いたような一度100個なら100個全部覚えてみるのと、
そう変わらなくなってくると思いますがいかがでしょう。


年2回しかテストがない大学では、そのくらいの知識量・暗記量が求められることになります。


その時に、10個ずつ、20個ずつなどとやっていくのでは、
時間が足りなくなっていくことでしょう。


もちろん、大学時代もコツコツとやって、勉強していくんだというのは、
勉強の正しい姿勢だと思いますが、あまりにもそれに捕らわれすぎてしまい、
その勉強が『作業化』してしまい、さらには『そうやることが偉い』とまで
勘違い・思い違いしてくると、話は変わってくることになります。


すでに中高時代にその傾向がある方は気を付けてください。


全否定するつもりはありませんが、勉強は時間をかけたから、
ルーチンワーク・作業をしたから、偉いわけでも、良い結果が出るわけでもありません。


特に暗記に関しては、その傾向が顕著に出てくることになります。


あきらかに自分より時間もかけず、一夜漬けしただけの方のほうが、
良い点数を取っていて、自分が時間をかけてやったことは何だったのかと思い悩む。


こんなことにならないようにするためにも、一度、テスト範囲の全てを覚える、
一気に覚えるということをやってみて下さい。


そして、これはもう一つの効果があります。


自分が覚えられない、忘れてしまう傾向・癖が見えてくると思います。


こういった傾向や癖の、データとしてのサンプルは多いに越したことはありません。


20~30個、覚えられたその単語はどんな傾向・癖があるのか、
逆に70~80個、覚えられなかったその単語には、どんな傾向・癖があるのか。


それがわかれば、今度はその傾向と癖を使って、別の単語を覚えられないか、
別の方法を使って覚えられないかといろいろと試せると思います。


総称しての人の記憶のメカニズムは、まだまだ解明はされない、あるいは解明されても、
それが各個人に当てはまるかどうかわかりませんが、自分自身の記憶に関して、
自分が(何をもって記憶し、忘れるのか)解明し、対応・対策していくのは、
自分自身でできることでしょうし、それが自分の暗記(記憶)能力を高める道だと思います。


少し壮大な話になってしまいましたが、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。



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