【おそらく皆さんが受けたことがない英語教育】
Kenny: 英会話を教えていて、とても変だと感じるのは、日本人は英語がさほど話せないのに、文法にとてもこだわりますね、まるで文法さえわかれば英語は話せると思い込んでいる感じがします。私たちの感覚ではまず「話せる」という前提があって、次に文法がくると思うのですが。これはネイティブだからそうだということではなく、日本人と同じ非英語圏の人たちでも、文法的には間違っていても英語を話していますよ。でも実際教えていて、文法を聞いてくる生徒が結構いますよ。
【今日の学習】
Coffee Room 10. laughing (笑いながら)
Kenny: 英会話を教えていて、とても変だと感じるのは、日本人は英語がさほど話せないのに、文法にとてもこだわりますね、まるで文法さえわかれば英語は話せると思い込んでいる感じがします。私たちの感覚ではまず「話せる」という前提があって、次に文法がくると思うのですが。これはネイティブだからそうだということではなく、日本人と同じ非英語圏の人たちでも、文法的には間違っていても英語を話していますよ。でも実際教えていて、文法を聞いてくる生徒が結構いますよ。
中嶋: そうだね。文法を知っているかどうかよりも、日本人は文法用語はよく知ってるね。実はぼくも同じ経験があるんだ。以前予備校で教えていたとき、授業後にある生徒がぼくのところに来て、「先生、先生の言っていたOとかVは何ですか?」と言うわけだ。驚いてくわしく聞くと、彼は帰国子女だと言うんだ。向こうではそんなことは聞いたことがないというわけだ。
Kenny: そうでしょうね。私もそうですよ。
中嶋: 問題は、文法や文法用語を知ることではなくことばの意味を知ることだよ。たとえば、プロローグでの会話に、( )書きで laughingなどと書いたが、これはシナリオなどで使われているト書きの手法なんだ。つまりそのセリフを「笑いながら」言う、ということを表している。他にも、crying (泣きながら)とか shouting(大声で叫びながら)といったものもある。そんな気持ちでセリフを話してください、ということだ。
こういうのは、「これは進行形であり、主語とbe動詞が省略されているものだ」といった説明よりも、動詞にingがついた形は「~しながら」といった意味になるんだ、と知ることの方が大切だと思うよ。
さらに言わせてもらえば、教育文法では be動詞+現在分詞(is crying)を動詞 cry の変化だと教えていることだ。
Kenny: へぇー、だから (Are you) laughing? Don't laugh.(笑ってるの?、笑わないでよ)といった簡単な表現もできないんだ。とにかく日本人は、文法用語から文を組み立てようとしてる感じですね。
中嶋: すでに,130ページの【イメトレ NO.33】で次のような例文をあげたが、これは分詞構文と呼ばれている。
Staying in Paris, I couldn't do any shopping.
パリに滞在中、私は買い物ができなかった
文法はともかく、動詞にingがついていたら「~しながら」といった意味になると知っていたら、staying in Parisだけでなんとなく意味がとれるものだよ。またこの文では、それが副詞的に使われているということだ。
Kenny: ネイティブは文法を知らなくても英語が話せる、というのはこのことなんでしょうね。
中嶋:ただ英語のしくみということでここで指摘しておきたいんだが、ここにとりあげたing形動詞フレーズも「ひとまとまりの状態」を表すということだ。そしてそれが名詞のように(名詞的用法)、形容詞のように(形容詞的用法)、そして副詞のように(副詞的用法)使われることだ。「~的」という表現をしているのは、単に品詞としての名詞、形容詞、副詞ではなく、動詞が導くフレーズそのものがその働きをするからだ。ただ、名詞として使われる場合は、「パリに滞在しながらのこと」といった意味になる。
I am staying in Paris. *形容詞的に
私はパリに滞在しています
I like staying in Paris. *名詞的に
私はパリに滞在するのが好きです
Staying in Paris, I couldn't do any shopping. *副詞的に
中嶋: ちょっとくどくなるが、そもそも名詞的用法とか、形容詞的用法とか、あるいは副詞的用法といった説明をする場合には、その本質をきちんと教えるべきなんだ。
たとえば、名詞的用法だが、あることを表現する場合に名詞があればそれを使うが、動的なことを表す場合には動詞を借りてこなければならないということだ。つまり造語(増語)法だよ。たとえば、「泳ぎ」という意味で have a swimのように swim を名詞として使う場合もあるが、どうしても「泳いでいる状態」を表したいときには、swimという動詞からの造語として swimmingを使う方が動的だ。だから I like swimmingのように使うわけだ。
また drink milkに戻るが、確かに I drink milk every day.と使えば、それは行為を表す。しかし I like drinking milk.となれば drinking milk だけで「ミルクを飲みながらのこと」といったイメージとなるわけだ。
それを文法では動名詞、つまり動詞が名詞のように使われていると説明するわけだ。
Kenny: 中嶋さん、あなたの説明に大切なことが抜けていますよ。あなたは、「動詞が名詞のように使われている」と言いましたが、それは「動詞フレーズ全体が名詞のように使われる」ということですね。
中嶋:これは参ったね。その通りだよ。よく文法書に「動名詞は動詞にingをつけたもの」とか、「不定詞はto+動詞の原形」などと説明してるが、これは間違っている。動詞というのはほとんど補語や目的語をともなってフレーズを作り上げるものなんだ。つまり「意味ある単位」「ひとまとまりの行為や状態」を表すということだ。
Kenny: なるほど、こんな大事なことが日本の英語教育に欠けているんですね。
以上、「ムリなく話せるイメトレ英会話学習法」からの引用記事です。
当講座は3ヶ月単位となっていますが、講座はくり返し続きます。
登録料の意味は、「くり返し受講」ができるということです。
当オンライン講座を構成する各3つのステップはそれぞれ1ヶ月間の構成であり、3ヶ月(90日間)がワンクールとなっています。この第2クールでの改訂では、オンライン講座用の3つの専用ブログではネイティブスピーカーによるトレーニングは音声同期となります。スマートホンなどで気軽に学習してください。毎日約20分程度の学習で英語脳習得ができます。
以下は、次回からのオンライン講座開講中のブログです。
ファンクションメソッド 英会話通信講座 STEP3 「ムリなく話せるイメトレ英会話学習法 |
ファンクションメソッド英語研究会発行の電子書籍(動画紹介) |