ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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J1第6節 東京ヴェルディ対FC東京(調布・味の素スタジアム)1-2

2008-04-19 00:53:48 | サッカー
ここのところ忙しくて更新ができなかった。今頃の感もあるがレビューはしておこうと思う。

3年ぶりの東京ダービー。
最後の東京ダービーもここ味スタでのアウェイゲームだった。
先制されたが前半終了間際に梶山のゴールで追いつき、後半ロスタイムにササの劇的なゴールで逆転勝ちした。
この試合でヴェルディはJ1残留が厳しくなったのだった。
久しぶりにアウェイに陣取ってみると、あのササのゴールが鮮明に蘇ってくる。
鮮明に記憶が残るのはひとえにいつもとは逆側から見ているからだと思う。
そのことひとつとってもやはりダービーというのは特別なものだという感じがする。

さて、その当時とはお互いのメンバーもガラッと変わってしまった、08年のダービー。
05年当時、東京のゴールマウスを守っていた土肥は今やヴェルディの守護神だ。
ヴェルディの観客動員は相変わらず低調だ。相手がもっと入ってくれると本当の意味でダービーの醍醐味が出てくると思うのだが。
アウェイ・チケットを買った東京ファンのほうが多いような気がする。ゴール裏はいつものホームと変わらない入りだ。
東京のゴール裏はダービーを意図的に盛り上げようといつになく試合前からヒートアップしている。
いつにない雰囲気が伝播してゴール裏は独特の興奮状態にあった。

試合はその雰囲気に選手たちも多少呑まれたのか、双方とも硬い入りとなった。
ヴェルディはこの試合から川崎から電撃移籍してきたフッキが先発。
昨年までのコンビ、ディエゴとホットラインを形成する。
一方の東京はまずは、そのフッキを封じ込めようという構えだ。
前半、ヴェルディはポゼッションとパスで優位に試合を進めた。
東京は浅利をアンカーに配し、ベテラン藤山が経験で、佐原が高さを武器に守備ブロックを形成して
フッキへのパスの供給を絶つとともに、フッキに前を向かせない。
前半はこの東京の策が成功していたが、唯一藤山がフッキを捕まえ損ねて与えたFKをフッキに見事決められ、1点ビハインドで終わる。

東京としてはうまく抑えていただけに惜しい1点だったが、セット・プレーでの1点はさほどのショックもない。
何よりサポーターから負ける気がしないというメッセージを込めた大声援が送られている。
ヴェルディとしては後半何とか追加点を狙っていきたいところ。

後半もめまぐるしい試合展開を見せ、一進一退の攻防が続くが、東京にとってのターニングポイントは浅利から大竹にスイッチしたことだ。
これで東京は前がかりの攻撃への合図となる。羽生の見事な同点ミドルシュートはその大竹が起点となって生まれた。
そしてこれで俄然東京は押せ押せムードとなる。

羽生を下げてボランチに金沢を投入。これが相手の中盤の構成に影響を与えて、徐々にスペースが生まれてくる。
金沢がバランスを取ることで、長友が前に出やすくなりサイドでも優位に立つ。
そして、後半のロスタイムにその長友がペナルティエリアに進入し劇的な逆転オウンゴールを演出する。
この逆転ゴールこそは、負ける気がしない、このままでは終われない、終わらせないというサポーターの大声援が後押ししたものだと言っていい。
ここ数年来でまれに見るゴール裏の一体感だった。

試合は奇しくも05年と同じロスタイムでの逆転劇で東京が制した。
双方がスリリングな攻防を繰り広げたゲームは、東京ダービーの歴史にまたひとつの足跡を残した。
今年はまだ3試合も東京ダービーがあるのだ。今後の戦いも楽しみである。




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