ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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David T. Walkerライブ(2007.12.19ブルーノート東京)

2007-12-21 23:29:38 | 音楽
ブルーノート東京にDavid T.Walkerのライブを見に行った。
ブルーノートに行くのは実に15年ぶり。John Simonのライブを見に行って以来だ。
見たいアーティストは結構いたのだけど、生来の出不精から足が遠のいていた。
その間に店舗は移転しており、SOHOの倉庫を思わせるような広々とした地下のスペースに漂う雰囲気は大人のジャズクラブそのもの。
以前の狭く窮屈なライブハウスの面影がなくなっていて驚いた。
しかももう10年近くも前に移転しており、そんなことも行くまで知らなかったことがちょっと悔やまれた。

David T.この人のギターは軽やかに主張している。
Jackson Fiveから井上湯水までさまざまなアーティストのバックでギターを弾いてきた職人の音は、決してフロント・アーティストの邪魔をしない。
それでいて一聴するだけで彼のものとわかる確固としたスタイル。
ヴォーカルの魅力を引き出しながら決してエゴイスティックにならないように
それでいてさりげなく自らを主張する。
その気張らない、嫌味のないスタイルが幾多のミュージシャンたちと渡り合いながら長年に渡って第一線で活躍できた大きな理由ではないか。
そんな彼のステージは、肩肘張らずに音楽に向き合っている姿が窺える楽しいライブだった。

スタジオミュージシャンはアーティストや楽曲を選べない。
Davidも自分のスタイルや好みには合わない曲を弾かなければならなかったことも一度や二度じゃないだろう。
好き嫌いを主張したり、あれやこれやと薀蓄を垂れているよりもまず演奏すること。
それによって徐々に楽曲に対するこだわりが取れて、音楽を純粋に音楽として楽しむ。
そんな思いが伝わってくるような佇まいなのだ。

彼は座って弾き始める。徐々にグルーヴに乗ってきてやがて立ち上がる。
息の合ったミュージシャンも乗ってくる。そしてその高揚感は徐々にオーディエンスに伝播していく。
リードしたり煽ったりするわけではない。そこにいる誰もがごく自然に音楽を楽しみ、自然に高揚していく。

今年は精神的にはしんどい年だった。音楽を聴くこと自体が減っていて、生の演奏に触れる機会からもずいぶんと遠ざかっていた。
それだけに久しぶりに出かけたライブがDavid T.Walkerのようなハートウォーミングなライブで良かったと思う。
すばらしいミュージシャンたちから滋養をたっぷりと注いでもらえたような気がする。

personnel

David T. Walker (g)
Clarence McDonald (key, p)
Jerry Peters (key)
Byron Miller (b)
Leon Ndugu Chancler (ds)

setlist

1. Q.C.
2. The Real T.
3. Plumb Happy
4. Never Can Say Goodbye
5. Going Up
6. Repcipe
7. Save Your Love For Me
8. Ahimsa
9. Lovin’ You
10. An-Noor
11. The Sidewalk Today
12. What’s Going On
13. Soul Food Cafe´
14. Walk On By


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