傑作選というタイトルだが詩を含めた12編の作品集は「Carver's Dozen」と名づけられている。
図書館でお目当ての本が貸し出し中で手に取った。こういうときには短編集に限る。
12編を選び翻訳しているのは村上春樹。
「村上春樹の手になるレイモンド・カーヴァー集」という趣が随所に現れている。
選ばれた作品もどこか村上春樹の好きそうな展開のものが多いような気がする。
もちろん、文句なく傑作と呼べるものもあるわけで、初めてカーヴァー作品を読む読者への配慮も行き届いている。
村上春樹はミステリアスと評しているが、ファンタスティックで男としては誰しもが夢想する展開だと言えそうな「あなたがお医者さま?」。
妻の知り合いの盲人を客人として迎えることになった主人の憂鬱と、盲人との交流を描いた「大聖堂」。
そしてなんと言っても心揺さぶられる「ささやかだけれど、役にたつこと」。
短編というフォーマット上の制約を考えると、ここまで読者を惹きつける手腕は見事というほかはない。
声高に主張することはなくても、伝えようとすることがそこはかとなく伝わってくる感覚がいい。
いつも手元において常に読み返したいと思うのがカーヴァーの短編集だ。
そういう意味で珠玉の作品集といっていいだろう。
図書館でお目当ての本が貸し出し中で手に取った。こういうときには短編集に限る。
12編を選び翻訳しているのは村上春樹。
「村上春樹の手になるレイモンド・カーヴァー集」という趣が随所に現れている。
選ばれた作品もどこか村上春樹の好きそうな展開のものが多いような気がする。
もちろん、文句なく傑作と呼べるものもあるわけで、初めてカーヴァー作品を読む読者への配慮も行き届いている。
村上春樹はミステリアスと評しているが、ファンタスティックで男としては誰しもが夢想する展開だと言えそうな「あなたがお医者さま?」。
妻の知り合いの盲人を客人として迎えることになった主人の憂鬱と、盲人との交流を描いた「大聖堂」。
そしてなんと言っても心揺さぶられる「ささやかだけれど、役にたつこと」。
短編というフォーマット上の制約を考えると、ここまで読者を惹きつける手腕は見事というほかはない。
声高に主張することはなくても、伝えようとすることがそこはかとなく伝わってくる感覚がいい。
いつも手元において常に読み返したいと思うのがカーヴァーの短編集だ。
そういう意味で珠玉の作品集といっていいだろう。