ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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J1第5節 FC東京対コンサドーレ札幌(調布・味の素スタジアム)1-0

2008-04-07 21:30:32 | サッカー
第5節。序盤のベースがそろそろ固まりつつあるこの時期。
1勝2分1敗と五分の戦いをの東京はJ1昇格チームの札幌をホーム味スタに迎えた。
札幌の持ち味は統率された守備からの速攻であり、昨季の厳しい昇格争いを制したしぶとさが身上。
三連戦の最後でもあり、お互いにけが人を抱えているだけに厳しいゲームが予想された。

東京は前節で茂庭が負傷しており、ブルーノ・クワドロスが初先発。前節、今季初出場を果たした佐原と最終ラインを統率する。
前節ハードワークをした長友がベンチスタートで、金沢が左SBに復帰。
ボランチはアンカーに浅利を据えて、今野、梶山をなるべく前でプレーさせたいという意図か。
ワントップのカボレに近い位置に羽生、大竹を配し攻撃的な意図を持った布陣となった。
一方の札幌はダヴィを負傷で欠いており、攻撃に不安が残る。
開始早々、札幌曽田のヘディングシュートに驚かされるが、前半は東京が優勢にゲームを進める。
相手のプレスが十分でなく中盤できっちりとパスがつながる。中盤でしっかりポゼッションできるのは見ていて楽しい。
前半12分、その中盤でボールを奪った浅利がカボレに向けて長めのフィード。
ボールはイーブンとなったが、カボレがしっかりとコントロールしてゴール右に流し込む。
どんな体勢からでもきちんとシュートを撃つということが大事だということがよく分かる。
東京は、その浅利の起用が利いていた。CBと連携しながらどっしりと構えて砦を築いているので、梶山がパスに専念できる。
また、羽生のフリーランニングがリズムを作り、大竹が果敢に挑戦していく。
怖いもの知らずなところが若者らしくていい。ここだと思うと迷わずシュートを撃ってくるところもいい。
この大竹といい長友といいムーヴィングフットボールの申し子といっていい選手たちがきっと明日の東京を作っていくのだろう。

後半に入り、前半の攻勢に疲れた東京が次第にペースを落とし始める。徐々に札幌にボールを持たれ始め、先制の1点が危うくなっていく。
カボレに代えて赤嶺、大竹に代えて長友を投入して再構築を図るが、札幌に押し込まれた局面の打開に結びつかない。

それにしても、大竹から長友にスイッチしてどこに入れてくるかと思ったが、サイドバックではなくて左のハーフに置いてきたところは面白かった。
しかも長友は局面によっては中に絞って、トップ下気味にプレイしていた。このあたりの城福采配は去年までの東京からは感じられなかったセンスだ。
猫の目のように変わるスタメンも含めて何が出てくるか分からない面白さがある。

札幌が決定機を作れなかったことと、東京DF陣の踏ん張りとで辛くも逃げ切ったが、とにかく1点差というのは最後まで痺れる。
ともあれ、東京は連敗を免れ勝点3を積み上げた。
いましばらくこうした苦しい試合が続くだろうが、こうやってしぶとく勝ち点を拾いながら上位に食らいついていくしかない。
そのためには連敗は禁物。5~8位ぐらいでついていければ、終盤で光明が開けてくることもあるだろう。
とにかく今年は可能性のある戦いをして欲しい。

スタートダッシュに成功したチーム、もたついているチームとさまざまだが、東京の立ち位置は今のところ、悪くない。