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アナログから脱却できないラジオ

2004-10-09 | ◆ビジネス
10月8日、FM東京が携帯向けの情報配信会社を買収すると発表した。

FM東京、携帯向け情報配信会社を114億円で買収 -- NIKKEI NET

記事によると、KDDIがラジオ受信機能内臓型の携帯電話を発売したことに伴い、携帯電話でラジオを聞く人が増えていることが背景にあるという。FM東京の目論見は、ラジオの番組内容に連動させて音楽や映像などの情報コンテンツを携帯経由で販売しようというものだ。

アナログに留まるラジオ
テレビのデジタル化が進む一方で、ラジオのデジタル化はまだ試験段階にある。携帯電話に搭載された受信機もアナログ・ラジオ用である。デジタル・ラジオであれば、電波そのものを利用して情報コンテンツを配信することも不可能ではない。しかし、搭載された受信機はアナログであるから、情報配信はWeb経由など別ルートとなる。

デジタル化の試み
一方、ラジオのデジタル化へ向けた試みも行われている。以下の記事にあるように、試作機を用いたデジタル放送は実現へと近づいている。

東京FMとKDDI、デジタルラジオのH.264簡易動画デモを実施 -- impress AV Watch

しかし、そこに大きな課題が2つある。ひとつは、デジタル化の流れがメディア間の境界を取り払うなかで、ラジオとしての存在意義をどう出すか、もうひとつは、デジタル・ラジオの受信機をどうやって普及させるかである。上の記事にある実験が、動画であることに象徴されるように、デジタル・ラジオはインターネットやテレビなどの媒体へと近づいていく。また、魅力的なコンテンツ、あるいは低コストの受信機が登場しない限りは、デジタルラジオの普及は極めて困難である。

ラジオのこれから
インターネット広告市場がラジオ広告の規模に迫るなか、FM東京の試みは新しいビジネスモデルへの挑戦であり、今後が楽しみである。一方、その試みを今後ラジオのデジタル化にどう融合させていくのか、またどうデジタルラジオの普及に結び付けていくのか、といった問題が今後の課題となるだろう。


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