ひとり暮らしになっちゃった。。。

『あの大雪のあとねぇ、雨がボタボタすごいのよ・・・』とお電話をいただいた。

もうかれこれ何件見てきただろう。２月のあの大雪で、きっと雨樋が垂れてしまっているのだ。さっそくおじゃました。

なるほどー。予想通り。



一般的に「コロニアル」といわれている屋根材で、時間が経っているものだから滑る。しかも軒先。こわいこわい。



ちゃちゃっと修理完了して、お家に入った。

『ひとり暮らしになっちゃった。。。お父さん、死んじゃったのよ・・・』ご高齢のＴ様は、話し出すや否や大粒の涙。死因がはっきりせず、病院に行ってわずか３日で亡くなってしまったのだという。

５５年間会社一筋に勤め上げ、定年退職を迎える数日前のことだった。気分が悪いと自力で病院に行くと、検査もなしに『インフルエンザ』と診断。タミフルを渡され自宅に戻るが、様態わるくなる一方で翌日救急車を呼ぶ。同じように検査なしで『インフルエンザ』と診断され、点滴をして自宅に帰る。翌日気持ちが悪いといって、トイレに入ったまま意識がなくなり、救急車に運ばれるがすでに心臓が止まっていたという。搬送先では『脳梗塞です』と言われた。。。

原因や責任を追及するつもりはないという。関わった医師のぞんざいな対応が悔しくてたまらない。でも、そんなことしたってお父さんは帰ってこないから、と。

しばらくお茶をご馳走になって、席を立つことにした。

『修理代はおいくらになるかしら？』

『ぼくからの香典です！』

遺影が微笑んでいるように見えました。『ありがとう。これからもよろしく頼む。』って聞こえてくるようでした。

ではまた。

おさむ