2002年に出るはずだった幻の2ndから
O'Carolan と同時代で
犬猿の仲だった盲目のハーパー
Devid Murphy の Lord Mayo を紹介したい。
彼は当時最高レベルの
ハーパーだったらしいが
フランスのルイ14世の前で
演奏したという事で
元々の良い生まれと相まって
相当に鼻息の荒いハーパーだったそう。
一方の O'Carolan は
元は小農の息子としての生まれであり
有名人でありながらも
村人たちと酒場でワイワイやる事も
好んでいたと伝えられているので
正に水と油だったのだろう。
O'Carolan は彼のその高慢な性格を
極度に嫌っていたそうで
ある日同じ宿になった時 Murphy に
「お前の音楽は肉のついて無い牛の骨の様だ」
と言われたことに腹を立て
「お前は俺の牛の骨に良いミートを
充分につけてみろ!」
と言ってMurphy の髪をわし掴みにして
その体を蹴りながら部屋中を引きずり回し
その日は Murphy の悲鳴が
遠くまで聞こえたそうである 😓
他人が仲裁に入ってその場は何とか
収まったと伝えられているが
この話に確証は無いという説もある。
そんな Devid Murphy の作った
Lord Mayo (メイヨー卿) 誕生の逸話も少し。
彼はメイヨー卿の庇護を受け
その屋敷にいたハーパーだったが
あるクリスマスの日に
何か重大な失敗をしてしまい
メイヨー卿の怒りを買ったらしい。
それにより数年間屋敷を追い出され
友人に相談した所その助言により
あるクリスマスイブの日に戻ってきて
この曲とともに謝罪をしたのだそう。
歌詞の内容は
メイヨー卿を讃え持ち上げて
クリスマスの事件の事は終わりにしましょう。
そしてまたメイヨー卿の庇護の下に
戻してほしいという様なことが
が歌われているらしい。
ただ一言も謝っていない所に
O'Carolan が嫌ったこの人の感じが何となく
見えてくる様な気もしないでは無い。
結局許してもらえたのかは分からないけど
ルナサの演奏でこの曲を知って
カッコいいマーチだと思っていた人は
その何となく情けない誕生との
ギャップに驚くのではないか。
そんな逸話を持つこの曲を
当時2ndCD収録曲として取り上げたわけで
先ほど述べた様にマーチ風に演奏した
ルナサが有名なため
レコーディングするにあたり
いかにそれとは違ったアプローチに
するかで結構悩んだ。
そんな時牛沢さんが弾いたシターンの
イントロですべてが決まった感じで
曲全編に渡って素晴らしいシターンを
弾いてくれている。
こんなアレンジ出来る人は
今もきっといないだろうな。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます