今日3月25日は今年生誕350年迎える
アイルランドの盲目のハーパーで
吟遊詩人 O'Carolan の命日です。
妻に先立たれ死期を悟った彼は
若い時に父親と一緒に働き、
天然痘で失明後はハープを学ばせてもらい
吟遊詩人として送り出してくれた
McDermott Roe 夫人の家を訪れ
そこで多くの感謝の言葉と共に亡くなりました。
有名になった後も生涯彼女に対しての
恩を感じていた彼は
タイトルに McDermott の名が付く曲を
現在確認出来るだけでも10曲残していて
それらはすべてその家族の誰かに
捧げられています。
(同じ姓が付くタイトルとしては最多)
死の直前奇跡的に4日間意識が戻り
ハープを手に取って弾いた(歌った?)のが
Carolan's Farewell to Music と言われています。
ただこれには諸説あり他には
最後に飲んだお気に入りの
杯(ウィスキー?)にまつわる Carolan's Cup、
それを運んできた執事の William Flynn のための
O'Flinn という話も伝わっています。
実はこういう類いのエピソードは
O'Carolan の伝記によく出てくるものですが
譜面になっている訳でもなく
録音も出来なかった時代にそれが
どうやって残され伝わったのかいつも疑問です。
その場1回限りの演奏では聴いてる人は
詞と曲をすべてを覚えられないだろうし、
誰か採譜でもしてない限り
無理じゃないかと思います。
1か所聴き取れなかったので
もう1回お願いします!
なんてまさか言えないだろうし
謎は多いですね (-.-?
彼の遺体は最高のスタイルで
レイアウトされ (ちょっと見てみたい!)
別れの宴は数日間行われたそうです。
彼の死のニュースは全国に広まり葬儀には
アイルランド中からハープ奏者を含む
多くの人が彼の死を惜しんで
押し寄せたと言われています。
この Carolan's Farewell to Music は
沢山の動画がアップされていますが、
まるで O'Carolan 自身の演奏を
聴いている様な錯覚を覚える
Gráinne Yeats の金属弦ハープのシンプルで
コードを付け過ぎない演奏が好きです。
彼女は本来はガット弦ハープ奏者ですが
クラルサッハ(金属弦ハープ)の歴史を研究し
古代から伝わるこの伝統的な
楽器を復活させ記録した
最初のプロのミュージシャンの1人。
サリーガーデンの詞を
書いたあの有名な詩人
W・B・イェイツの息子の
奥方でもあった人です。
残念ながら2013年に亡くなりました。R.I.P.