

****さあ、このライブレポートも最終章に突入!
泣いても笑ってもこれで最後だよ。
意外にもこのSTAブログを楽しみに読んでくれている嬉しい人達が多くいることを最近知ったよ。
励ましのメッセージも度々いただいています。
もちろんここに出演している対バンたちからも感謝の言葉をもらってもいるしね。
時には辛辣なことを語る輩も、ごく少数ではあるけどいたりして・・・・・・。
まあ、色々なことがあるけれども、すべての愛する仲間たちよ、共に「手を取り合って」とくとご覧あれ!!まずは時間を巻き戻して・・・・・****
6, 18:45~19:15
THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)
いよいよこのブログの主人公でもある、STAが堂々の降臨。
非常に程好くも美味しい時間帯。
頑固一徹結成から17年に渡ってシカゴを中心とした硬派なブラスロック一筋を基本コンセプトに掲げて、毎月ライブを敢行(もうじき通算190回を迎えます!我ながら驚異的な数字だ)。
活動拠点はバンド名が示すとおりに札幌なのですが、今回は2021年10月以来の小樽ゴールドストーンです。
まあ、小樽という坂の多い港町は、皆お気に入りなので毎月でもやりたいくらいなのですよ(実は調子に乗って来月の3日にも、ここへ戻ってくるのだ!)。
大所帯ゆえの宿命ではありますが、恒例ともなったメンバーの顔ぶれに今回も入れ替わりあり。
ご他聞に漏れず若干のパート変動もあります(4人が管楽器メンバー!凄まじいなあ・・・・・・)。
今回のSTAは話題が満載!
まずは超久しぶりに9人編成が復活だ。
やっぱり吹き荒れるホーンセクションは圧巻。
playしている我々でさえ、圧倒されてしまう迫力。
そして小樽が誇るミユキ姉御と、妖艶なる美魔女のミキティが復帰した。
度々ライブがコロナで流れていただけに遂に念願成就したよね。
やっぱりお祭り役を一手に担う彼女たちがいるといないとでは大違い(スタジオリハ時には常に井戸端会議へと洒落込むコンビ)。
みゆきちゃんは体調が万全ではなかったみたいだけど、全力で一生懸命に頑張る姿は感動的でさえあったよ。
そしてもう一人、STAマサとは15年来の付き合いでもあるツッツが2度目の合流を果たしたことです。
数えきれないくらいに対バンを組んできた仲なんだけど、一緒にプレイしたことはあまりなかったのさ。
以前からSTAがライブごとにゲストを迎え入れていたことに、ツッツが触発されてきたんだね。
遂に意気投合して、去年のクリスマスライブでSTAスペシャルシンガーに至ったというんだから、運命とは面白いものですね。
やっと夢が実現した次第。
長きにわたるラブコールが実った瞬間さ。
ただあの12月ではツッツ、ひどい風邪をひいてしまい残念なことに本調子ではなかった・・・・。
で、今回!?・・・・・もちろんバッチリだったよん。
大好評さ。
曲も増えたしね!!
彼は驚いたことに、たった2度のリハのみでの本番という怖いもの知らず(膨大なるバージョンの音源を聞き比べながら独自のカタカナ歌詞カードを制作してアレンジを施すという離れ技をも披露したという超人。1ステージ入魂が彼のポリシー。ほぼ一か月をかけて相当に集中しながら頭と喉に叩き込んだ模様。ただひたすらに真面目なナイスガイだ)。
よほどの自信とやる気と高度なテクニックが備わっていなければ、こんな無謀な決断は下せないでしょう。
しかもだよ‥‥忘れてはいけないのが、この後に「ズリーとストリッパーズ」のオオトリ出演も控えていたのだ。
超人だ。
まあ、いずれにしても、これで、またまたSTAのバリエーションの幅がグッと広がったよん!
ドラムスは急遽STAで叩くことになった若きサエグーだ(アキちゃん率いる東京事変のカヴァーバンド「マ・シェリ」の元メンバー)。
アキちゃんからの紹介で、即行受けてたってくれた。
彼、STAとは初のジョイント。
それでも短期間でよくもまあ、あれだけの難攻不落で厄介極まりない変態すぎる((´∀`*))セットリストを覚えてきたものだ。
(自宅には練習用の電子ドラムセットがあり、YOU TUBEで見事なテクニックを拝見させてもらった)
あれを見てから内心では絶対に余裕の表情でやってくれるものだと、信頼はしていたけどね。
記憶力が抜群で呑み込みも早い。
機転もきくしセンスも光る。
パワーも衰え知らず。
「そうとう個人で鍛錬したんでしょう?」と尋ねてみたところ「真剣勝負!」と不敵な笑み。
案外、専門分野の活動から一旦距離を置いて、心身共にリフレッシュしたのが功を奏したのかもしれませんね。
とにもかくにも、頼もしい存在だ。
しばらくブランクがあったそうなんだけど、かえって新鮮に響いたことでしょう。
元々R&B系は大好きな男だけにね。
平均年齢をグッと下げてくれたナイスガイ。
もう一人の初参加はトロンボーン・プレイヤーのタカジュン。
小西さんのジャズバンドやエンちゃんのラテンバンドにも所属しているエネルギッシュな奴さ。
実は今年の1月STA企画ライブでの出演が決まっていて、1度だけスタジオリハした時点でコロナで延期になってしまったという悔しい経緯あり。
彼もやっとこさお披露目が叶った次第。
ここに辿り着くまでが滅茶苦茶に難産だった・・・・・。
でもねえ、ホーン隊中、一番積極的に意見を出してくれるのがタカジュン。
彼だと性格が明るいから嫌味にもならず、角が立たなくてドンドンと良い方向にまとまっていくんだから不思議と大助かり。
あれは、持って生まれた才能なんだね。羨ましい限り。
もちろん技術も知識も抜群で、サエグー同様に若い。
最近のSTAには心強き戦力が次々と加入してきた。
STAも相変わらず紆余曲折色々とありましたが、アッキーの加入で本格的なオーケストレーションサウンドやドラマチックなサウンドも盛り込み放題ですね。
時には掟破りのシンセブラスも炸裂(今回も1曲だけあり)
たまにはマサが無茶ぶりするけれども、心の底から加入おめでとう、と叫びたいくらいだ!
ファニーはスタジオで思わず「やっぱりキーボードがいるといいもんだなあ」とつぶやいていたくらいだもん。
アッキーもこの味を体験したら、もはや病み付きになること請け合いさ。
もう 抜け出せないよん。
やる気満々だけに、大歓迎しますよ。STAの信者がまた一人増えた。
そのアッキーを含めてエンちゃんもかなり馴染んできたSTAライブだ。
去年7月の小樽・浅草橋屋外イベントでは強烈な突風に見舞われてスコアが暴れまくり、半分もプレイに専念できなかっただけにその反省も含めて今回はリベンジだ、と意気込んでいた!
室内だけに風の心配はいらないから、思う存分ライブに挑めるぞよ。
どいつもこいつも北海道音楽シーンの全てを見つめ続けてきた生き証人。
各自が培ってきたジャンルこそ違えど、酸いも甘いも噛み分けた大御所揃い。
さすがの超絶技巧派ゆえに短いリハーサル期間でも一切の不安要素なしで、一発目の音からエンジン全開でノリまくっています。
ざっとメンバーの詳細について触れてみますと・・・・マサ&サエグーがド迫力のロックリズムセクションとして鉄壁なる屋台骨を支える。
ズリーとストリッパーズを代表してゲストにツッツ。
いついつまでもキャピキャピギャルで眩しすぎる、お久し振りのミキティ。
グルーヴのカリスマご意見番は、クールガイのニシやん。
小樽音楽界隈での女ボスとして燦然と君臨しているミユキ嬢。
ムードメーカーで売れっ子の人気者タカジュン。実はミキティと由緒あるオーケストラグループに所属しているのだ。
男顔負けのテクニシャンは、キュートで元気印のアッキー嬢。
トランペット担当はラテン系フレイヴァーの巨匠エンちゃんという体制。
そうなのですよ・・・・
どいつもこいつも曲者揃いだけど、和気藹々と賑やかに進行しましたよ。
以前ならばSTAは大所帯の面倒くさいバンドとしてミキサー泣かせでちょっとは名を馳せていたんだけど、本当にこの頃はホーン在籍の大型バンドが当たり前のように増えましたねえ。
STA結成時には、ほとんどそんなバンドはいなかったんだけどなあ。(今回STA以外のバンドではベリージャムのチエミさん、ズリー・・・のツッツのみだけど。ヘッドセットマイクも増えてきた)
それはそれとしてブラスロックというジャンルを冠しているだけに、STAは恥ずかしいライブはできませんよ。
皆が皆、一人2人分の働きで意気揚々と乗り切りました。
この辺が現在のSTAの、臨機応変なる強みでもあります。
1人1人が経験豊富なだけに、誰が指示したわけでもなく堂々たるステージングを展開。
開演と同時に練習不足なんて不安要素は、遥か彼方に消し飛んでしまいましたよ。
これもニューフェイス2人を含む、ホーン4管とアキ嬢のキーボードが大きな仕事をしてくれたおかげ。
それが大半を占めているのは誰が見ても明らかだ。
音楽に対し細部にわたって滅法うるさ型のある方でさえ「流動的な編成だという違和感が全くないほどの迫力!」と嬉しいコメントを述べていたほど。
もうこうなったらば期待に胸がワクワクときめくものです。
テンションマックス状態。
それはメンバー各自も同じ心境だっていうのだからこれまた面白い。
面倒なる垣根を軽く超越して、多方面の分野からSTAコンセプトに共感した奇跡の集合体がここに誕生したわけです。
さあ、どのような化学反応が勃発するか?!
予測不可能。
はたまたどこに魔物が現れるか?!(残念ながらやっぱり出現してしまったさ・・・その事件の概要は後ほどに)
そこがまた音楽の魅力でもありますね。
そして特筆すべき点は、ほぼ毎月のように「フレンズ・ライブ」を開催してきた彦ちゃん。
これだけの規模にて長年運営してきたのですから、理屈抜きに頭の下がる思いです。
いろいろと苦労も多かった事とは思いますが、未来のスーパー・スター登竜門としての輝かしい足跡を確実に刻み続けています。
今後も益々プロデュース・ワークに手腕を発揮してくださいね(今回もマサは盟友と会話を交わしまして、久しぶりにグッと親しみが湧いてきました!)。
実を言いますとSTAが初めてゴールドストーンの舞台を踏んだのは「北運河の夜」なのです。
ずっと出演したいと思っていたのですが、何のツテもないため、マサ自ら直接電話を入れての交渉。
その際に親切丁寧に対応してくれたのがカウンター嬢スタッフのオンちゃん。
彼女共、それ以来の付き合いです。
今回もその時の事をお互いに思い出し、感慨深くなっちゃいました。
でも実のところ、マサは「北運河の夜」はゴールドストーンが主催しているものと思い込んでいたのです。
サワケンくんが企画運営していると知ったのは、かなり後のこと。
まあ、初ゴールドストーンの時は、リハに管楽器は新人アルト・サックスの若い女の子のみ。
トランペットもトロンボーンも欠席。
彼女は1人で本番も吹くものと思い込んじゃったらしいです。
で、ライブ直前にトロンボーンが出演不可能となり2管編成で乗り切った・・・という苦いお披露目でした。
今となったらこれはこれで笑い話なのですが、その時は全くもって冴えないゴールドストーン・デビューでした・・・・。
それだけにゴールド・ストーンに賭ける気合の入れ方はメンバー一同、言葉で言い表せないほど気迫に満ちたものでした。
「リメンバー・ゴールド・ストーン!」を旗印に掲げたい心境だ。
決して人数に頼ってはいけない、という教訓を胸に刻み付けました。
量よりも質がモノをいう。
どうですか!このアクティブなるフットワーク。
このたびのライブイベントはジャパニーズ・フュージョン・カバーの「そうきあ」を手始めに、ワイルドなるシンガーをフューチャーした「ザ・ワイルド・ストーンズ」から、ご存じラルクアンシェル・カヴァーの「ショックス」にベテランの「ベリー・ジャム」、そしてクリームのカバーで「ソフト・クリーム」、ジュリー・カバーの豪華絢爛「ズリーとストリッパーズ」とバリエーションも豊富。
女性プレイヤーが占める割合がめちゃ高く気恥ずかしくて、あまりコミュニケーションは取れなかったけど、こういう雰囲気も中々に悪くはないものだね。



****MEMBER****
MASA・・・B VO
AKI・・・KB CHO
NISHIYAN・・・G
EN-CHSAN・・・TP
TAKAJUN・・・TB
SAEGUE・・・DR
MIYUKI・・・TS
MIKITTY・・・AS
TSUTTSUE・・・VO CHO(SPECIAL GUEST!)



****SET LIST****
1,INTRODUCTION・・・CHICAGO
2,PICK UP THE PIECES・・・AVERAGE WHITE BAND
3,SATURDAY IN THE PSARK・・・CHICAGO
4,SOULMAN・・・THE BLUES BROTHERS
5,KNOCK ON WOOD・・・THE BLUES BROTHERS
6,GET IT ON(黒い炎)・・・CHASE
7,25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO


ステージに颯爽とのぼったメンバー達。
大人数が多いからポジションの確保だけでも一苦労。
でもセッティング表に事細かくマサが記載して提出済みだから全然安心。
マサ使用のワイヤレス2機(シュアーのヴォーカル用とレクサーのベース用)周波数、ギタリストはどのメーカーの設置アンプで弾くか、ホーンセクションの立ち位置とマイクスタンドや持参マイクの云々等々・・・・。
しかもミキサーSTAFFは以前にもSTAを担当していたので概ねは酸いも甘いも熟知しているのだ。
シュアーのワイヤレスシステム、キーボード、ホーンのマイクスタンドと順々に効率よく接続していく。
去年の10月はシュアー受信機たコンセントがマサの足元に置かれて、2曲目で即座に蹴ってしまいユルユルなプラグがスルッと抜け落ちた痛い経験があった。
そのことをスタッフに伝えたら、ちゃんとボード上に設置dしてくれた。これで安心したよ。
その素早き手際の良さといったらもう惚れ惚れするほどだ。
アッという間に準備万端整ったよ。
おいおい、ホーンセクションの4人は写真撮影する余裕ありかいな(ピースサインでポーズ・・・・笑)
予定よりも相当に早くスタンバイ完了。
特に一番もたつきやすいドラムセットに陣取るサエグーは、いつでもどこでも関心するくらいに素早い。
モニタースピーカー、アキちゃんのキーボード、エンちゃんのポジションは若干移動・・・。
ほぼ打ち合わせ通りに進行。
マサが一人一人から再度了解をとり、スタッフへとアイコンタクト。
それではミキサーの指示にしたがいサウンドチェック。
ステージ上のスタッフとミキサーとの打ち合わせ。
ホーン隊が順々に音出し。
これが各メンバーのプレイだけで場が和んできちゃった。
それぞれに持ちネタがあって個性がよく出ているのだ。
セクシーで官能的なソロ、アニメソング、競馬のファンファーレ、映画のテーマまで飛び出した。
ベース、ギター、ボーカルとどんどん音がまとまっていく。
オーケーサインをもらい、全てが万全な態勢に。
それでは遠慮なくいくぜい!
まずはアキ嬢がプログレッシブでスペイシーなシンセサイザーサウンドで、一種独特なる異空間を作り上げる
(彼女は何でも受け入れてくれるから調子にのったマサは無理難題をしょっちょう投げかけるんだけど、それら全てを軽くその場で仕上げてくれるんだよね。
その手腕は大袈裟ではなくゴッドハンドの如しだ!頼もしい。
このミステリアスなるSEも事前にスタジオで膨大なるシンセ内蔵音源からじっくりと時間をかけてセレクトしたもの)。
もう各自は本編へのプレイが待ちきれないというご様子。
マサがすかさずニシヤンらに手拍子でテンポのメッセージを送ると、それに便乗するかたちで歯切れのよいギターコードミュートカッティング、剃刀のごとき小刻みなハイハットで応える。
マサは大股開きでふてぶてしく会場中をゆっくりと見渡しながら、頃合いを見計らい会場後方から落ち着き払った声で華々しくナレーションを告げる。
「ハーイ!たいへん長らくお待たせいたしました。
いよいよはじまりますよ!
今か今かとお待ちかねの皆さん。そうですよね。
これから極上のステージをお届けして参りますよ。
もはやお馴染みの大所帯バンドが登場。
小樽のビッグイベントに今年も我々はやって来ました!
北国唯一無二の札幌発ブラスロックバンド!
ド迫力ホーンセクションの熱きサウンドを心ゆくまでドップリとご堪能ください!
メンバー一同この日この時この瞬間を心待ちにしていました!
それではヨロシク!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY~!!」
ジャストなタイミングで「1・2・3~!!」(思い切りミキサーがリバーブを深めにかけてくれたよ!)
波状攻撃へ、火蓋が切って落とされました。
猪突猛進の狼煙を上げる「イントロダクション」。
さすが、この人数だけに勢いが桁違い。
プレイしている我々でさえ自分たちの音にエキサイトして、アドレナリンの噴出が止まらない。
普段はクールなサエグーもスティックを手にスィッチが入ると、ドラム・ビーストに変身するのです。
マサからの丁々発止なフェイントから刺激を受けている御様子。
如実にドラミングの随所からその成果が現れていますよ。!
イントロの爆音が飛び出した途端に、観客達がいっせいにステージ方向を注視しはじめた。
その中には、団扇やホイッスルを持った常連組が参戦。
手拍子や写真撮影にと勤しんでいます。
皆さん、この変拍子の連続やコロコロ変わる変態的なリズムに、よくもまあピッタリとあわせてくれますねえ・・・と舞台上から失礼ではありますがしばし見とれてしまいました。
もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。
メンバー一同が愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。
何故だかいつまでも飽きがこないのさ。
その中でもこの日ほど迫力一杯の完成度を誇ったことはなかったのでは?!
出色の出来と自画自賛。
しかしメンバー全員あの少ないリハ期間で、よくもまあここまでガッチリと固めたものだ。
各自は多くを語らないけれどね。
モニター・スピーカーに左足を乗せて、マサが野獣のごとく吠える。
(実は最初のこのポージングで貼り付けていた虎の巻がビリビリに破れてしまった。
そこのところはどうにかこうにか切り抜けたけどね)
マサはアグレッシブなアクションを巻き起こす。
ニシヤンの計算されつくした独特なるシャープな音色のギターが、サエグーのタイトかつパワフルなドラミングに絡みつく(このギターは謎多き怪しいメーカーの貴重なる高級品。
コンディションも良好な光沢を放っていますが本人は詳細を決して語らず・・・・)
看板ともいえる4管によるホーンセクションのリフは、益々厚みを増してきましたね。
舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。
後方からは、ドラムが遠慮なしに音壁を構築しながらの進撃展開。
会場をまるごと覆いつくすかのような、キーボードの音色。
なんという高揚感であろうか。
鉄壁を誇るホーン・アンサンブルが嵐のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が今回のおおまかなる課題。
さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?・・・・今回は一体全体何を仕掛けてくるのか??
さあ、第一関門の地獄にガッシリと突入だ。
先月の反省点は見事にクリア。
手堅く突破した後に待ち受けていたのは、ブレイクによる一瞬の静寂。
デリケートなシンバルが奏でる残響音の余韻で幻想的なトーンを漂わせる。
切り込み隊長はいきなりタカジュンちゃんによる、やや食い気味なトロンボーン・ソロ。
彼は初のSTAライブだから正直な話、不安要素てんこ盛りだったんだけど、それも取り越し苦労だったようです。
大した度胸の持ち主だ。
さすがに百戦錬磨の達人だからこそ成し得る技。
何事もなかったかのように涼しく振舞っていたよ(アキ嬢による縁の下の力持ちも忘れてはいけない)。
ここがタカジュンちゃんの凄いところ。
なんと自宅に宿題として持ち帰り3つのコードで繰り広げられるソロ・パートを、極上のエモーショナル・ラインで纏め上げてきて披露したのだ!!
能あるタカは爪隠す!と、昔の人はうまいことを言ったモノだ。
ねえ、タカジュン君よ!(2回目のスタジオリハ前にブレイク部分による拍数の謎を解明するべく独自でスコアを探しだしてきて見事に解明したのだそうですよ。
すさまじき探求心。)
水先案内人に扮したアキちゃんはオルガンからピアノにチェンジして橋渡し。
マサによる流麗なる美しきオクターブベースに導かれての場面転換。
マサいわく「STAのバディ・リッチ」と言わしめた手数王から、リム・ショットに切り替えてのサエグーが猛然と先導しつつ、お次は伊達男エンちゃんによるトランペット・ソロだ!
安定感抜群で、時折ヒステリックなハイノートなどもクールにヒットしてニンマリ。
バッキングによる強弱のサポートも効果覿面で・・・・・ホーン・セクションの音色が揺らめく中、鳥肌が立ちっぱなしだ。
もうこのあたりにたどりついた時点で会場中の空気は一変。
なにやら恐ろしいくらいに物凄いことがステージで起こっているぞ・・・てな感じでかぶりついている。
西やんは臨機応変、歪みからコーラスサウンドまでコンスタントに幅広く音色をエフェクターで器用に切り替える(ここはスタジオリハ時に取り決めたこと)。
そして第3の男、西やんのワイルドなギターが火を噴いた。
サエグーに「もっともっとテンポアップを!」とジェスチャーで煽り続ける。
ホーン隊もサッと花道を作ることを決して忘れない。
映画「十戒」での海が割れるシーンを彷彿とさせるくらいに神々しい。
いきなり過激なハーモニクスを導入部分に最前列へ一気呵成に飛び出して、益々進化したソロを、これでもかあ!と言うくらいにぶちかます(よくもまあチューニングが狂わないねえ)。
ただひたすらにエキセントリック(と後方に陣取っていたアキちゃんが評していたよ)。
序盤はテリー・キャスに敬意を表して、ラインを再現。
へヴィーなサウンドは、これだけにとどまらずフィードバックにより加速。
音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。
身をのけぞらせてイナバウアー・アクション。
チョーキングなどを交える際にはギターを激しく揺さぶって身をよじる。
陶酔の表情も程よくゆがむ。
あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、ビジュアル面も大きい。
そして遂にテリー・キャスのギター・ソロをほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?
ビブラート、グリッサンドに至るまでね。
極めつけは第2期JBG時代のコージー・パウエル直伝によるサエグーが、力漲る究極の稲妻フィルインで拍手喝采。
サンキュー!
いつもは沈着冷静なるサエグーもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。
大歓声が沸く中で、すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。
いくつもの修羅場を潜り抜けてきたからこその、説得力ある支柱だ(ここの機材を絶賛していた)。
エンディングにおけるベルトーンも、アキちゃん渾身の1音を筆頭にニシヤンへと見事な連携で繋がった。
更にはミキティ嬢からホーンセクションへと渡る流れへ。
ここで繰り出した西やん入魂のピッキングがジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。
これぞまさしくロックの原石。
いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃と説得力。
マサが右手を頭上に掲げてピート・タウンジェント風にグルグルと何度も素早く回転。
メンバー達と呼吸合わせて、雷鳴のような怒涛の連打をスリリングに交えてジャンプ一閃フィニッシュ。
以前、ASの女傑ミキティいわく「マサと西やんは何かにとりつかれているようだった」とのコメントを述べていました。
恐ろしく強烈だった。・・・・・
いい加減コロナ禍の日々続きにマサは、その鬱憤をそれからのステージングに注ぎ込んだ。
思う存分に叩きつけた。
万雷の拍手を全身に浴びる・・・・・・ありがたいことだね。


