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とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「聖の青春」 (ねたばれ注意)

2016-12-16 23:59:00 | 映画
主役の松山ケンイチが体重を増量して挑んだと聞いて、どんなもんかなと。

「村山聖」という人は知らなかった。調べてみると同じ年(1969年)の生まれだった。
29歳で亡くなったのだが、将棋一筋の一途な人生だなあと思う。

傍から見ると、病気の治療を先延ばしにしたり、病気を抱えたまま深酒したり、麻雀に興じたりと、
大人になりきれていないなあと感じる部分もあるが、彼なりの「生」への拘りがあったのかもしれない。

自分が長生きできないとわかっているからこそできる頑張りと情熱を注げるものを見つけられたことの幸運がある。
周囲の人たちも、きっと全力でサポートしたのだろう。

一方、人間の寿命の長い短いは、成し遂げたいことの大きさに対して、十分な時間かどうかで決まるという考え方もできる。
羽生名人は、もしかしたら、今も志半ばと思っているかもしれない。

東出昌大の羽生名人も、姿形は似ていないはずなのに、本物のような演技で素晴らしかった。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:聖の青春
製作年:2016年
製作国:日本
配給:KADOKAWA
監督:森義隆
主演:松山ケンイチ
他出演者:東出昌大、染谷将太、安田顕、柄本時生、鶴見辰吾、竹下景子、リリー・フランキー
上映時間:124分


ゴッホとゴーギャン展 (東京都美術館)

2016-12-16 19:30:00 | 美術館
東京都美術館にて、「ゴッホとゴーギャン展」を鑑賞。

ゴッホとゴーギャン、二人の画家は、1888年、南仏アルルで約2か月間の共同生活を送った。
それは、ゴッホの耳切り事件で幕を閉じるが、二人の関係性と芸術性の違いにスポットを当てた面白い展覧会だった。

ゴッホは、自然や人々の生活をありのままに描こうとしたのに対し、
ゴーギャンは、より観念的にそこにないものも描くことで絵に意味を持たせようとした。

お互いの特徴に影響され合う面もあり、画家として認め合う部分もあったろうが、絵に対する基本姿勢の違いは大きかった。
より冷静なゴーギャンが距離を置こうとしたのが、ゴッホには耐えられなかったのだろうか。

以降のゴッホの作品には、ありのままというよりは、情念が乗り移ったような迫力があり、
「オリーヴ園」のような、曲線のうねりの溢れるような繰り返しに、狂気を感じる部分がある。

最後に、ゴーギャンの「肘掛け椅子のひまわり」を見ると、ゴッホへの愛惜と時の移ろいを感じた。