Soho Designer の長いつぶやき

SOHOでのフリーデザイナーとして30年。
地方で超零細企業としての日々のつぶやき。

フリー受難の時代

2011-03-02 07:43:12 | 仕事話_制作
フリーの方々は皆どうしているのだろう。

デザイナーが鉛筆一本で(というと大げさだが)独立できた時代と違って、
今は経費がかかりすぎる。

自分がパソコン導入した時代よりはパソコンやスキャナーの値段は(パーソナルなものは)下がったが、
そうはいってもアナログ時代に設置した簡易コピー機くらいの値段にはなってしまう。
私は簡易(?)トレスコも持っていた。写真などのあたりやトレス用である。
アナログ時代の機器は一度買えばそうとう長持ちしたから、設備に経費はそうそうかからない。
製図用具も見習い時代~専門学校時代から揃えていたから、本当にこの先購入するものなぞなかった。本来は。

今はハード+周辺機器、ソフト、などがバージョンアップがほぼ2年おきくらいにくるので、その度に大金(私にとっては)いる。
ずっとずっと払っていかなくてはならないのか。

ではこの高級マシンやソフトたち(私にとっては)を使用して作ったデザインの仕事は高くなったか? というと逆である。
単価は下がったまま、アナログ時代よりいい予算なぞ見た事もなく。

なのに高級マシンwで高級な仕上がりを何パターンも提出する事を求められ。。。

某広告媒体では、「出力の統一」の名の元に、貧乏デザイナーは仕事ができなくなってしまった。
本来個人レベルでそこまでの出力機(100マンレベル)まで揃えろというのがムリ。揃えてる人はいますが。
これもようするに「広告を出す側=お客様」で「最後の色校まで出してみて、広告代理店や印刷側に単に入稿するだけ」と「負担」をお客様側に押し付け状態なずうずうしい要求だと思うのですが。

デザイン(もちろん完全データ入稿ではあった)だけ請け負ってた我々貧乏デザイナーに「この広告業界の完全なる規則にのっとった出力紙を必ず添付のこと」の条件を付けられて、仕事はこなくなってしまった。(おそらく一貫してできるシステムのところにいった)
もちろん特に私に出さなくても代わりがきく程度なわけですから実力不足なんですけど。

わずかなスペースでもこんな時代に広告をお金をかけて出す重みなどをふまえて、デザイナーとはいえ、コンセプトから考え、キャッチも考え、制作していたのに。
まあ、上記以外にもいろいろ理由はあったらしいですけど。

「誰かデザイナーいませんかね?」という話で巡り巡って私のところに仕事が依頼が来る時、「前の方は?」と聞くと、「デザイナー自体を辞めた。(転職)」「(フリーでなく)会社に勤めてしまった。」
という声をよく聞く。

株価だって今よりもっとひどい時代があったのに、仕事の案件は減り、単価は下がって、経費はかかる。
仕事を出す側もどうやらお金がないわけではなく、お金はあるところにはあるが、「かける場所」が変わったのかデザイン業界の冷えは快復しない。
「デザインにかける予算」が上がらないかぎり。

ここのブログも丸3年たちました。
この春、仕事はすごく重なって、多忙である。多忙イコール収入増とはいかないのが解せない、とつぶやきつつ、今年もここを続けて行こうかと思います。
コメント (2)
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