ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

京成3000形3053F

2024年02月29日 00時00分00秒 | 写真

 あくまでも都市交通審議会が付けた番号ですが、東京の地下鉄の1号線は都営浅草線です(ちなみに、日本で最初に開通した地下鉄である銀座線は3号線です)。同線は西馬込駅から押上駅までの路線ですが、泉岳寺駅で接続する京浜急行本線に直通する電車が多いこともあって、西馬込駅から泉岳寺駅までの区間は支線のようにも感じられてしまいます。実際、西馬込駅から泉岳寺駅までの区間運転が行われています。

 今回は、その区間運転のために運行されていた京成3000形3053Fです。

 京成3000形は2003年に営業運転を開始した系列で、京成電鉄では2代目となります。当初から都営浅草線、京浜急行本線などでも運用されています。車体は3600形から続く軽量ステンレス製、ワンハンドルマスコンなどとなっています。なお、京成の通勤用車両で軽量ステンレス製でないのは、初代スカイライナーのAE車の車体更新車である3400形(普通鋼製)とセミステンレス車の3500形のみとなっています。

 いつの頃からかわかりませんが、戸越駅では東急池上線への乗り換え案内がなされています。実際、戸越駅を出て商店街を歩けば戸越銀座駅に着きます。ただ、少し離れており、戸越銀座駅のほうでは都営浅草線への乗り換えが案内されていません。

 以前記したように、この戸越駅は1968年11月に開業しています。近くにある戸越銀座駅は1927年8月に開業しており、大井町線の戸越公園駅は1927年7月に開業しています(当初の駅名は蛇窪)。41年後に戸越駅が開業した訳で、不思議に思われることなのですが、実は大井町線の下神明駅が初代の戸越駅です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いつまで走るか 東急9020系9021F

2024年02月28日 00時00分00秒 | 写真

 高津駅(DT09)にて、大井町線G各停大井町行きとして運行されている東急9020系9021Fを撮影しました。元は田園都市線の輸送増強用として1992年にデビューした2000系の2001Fで、田園都市線および半蔵門線で活躍してきましたが、東武伊勢崎線・日光線に乗り入れることはなく、2019年に9020系と改められて大井町線の各駅停車用となりました。その際、10両編成から5両編成に変えられています。

 二子玉川駅から溝の口駅までは複々線区間となっていますが、内側は大井町線用となっており、ホームがありません。東横線の複々線区間のようにホームがあればもっと便利になるのですが、スペースの面で無理だったことでしょう。沿線住民の多くは田園都市線を利用するでしょうが、実は大井町線の使い勝手が良いので、私はよく利用しています。

 さて、前の記事二子玉川駅から溝の口駅までの区間が玉電溝ノ口線から東急大井町線に変わるまでの歴史を書きました。今回は、大井町線および田園都市線の起点・終点の変遷を記しておきます(なお、駅名は現在のものを記していることをお断りしておきます)。

 大井町線は、東急の母体である目黒蒲田電鉄の支線として始まりました。最初の開業は大井町駅から大岡山駅までの区間で、1927年7月6日のことです。続いて、自由が丘駅から二子玉川駅までの区間が1929年11月1日に開業します。そして、大岡山駅から自由が丘駅までの区間が1929年12月25日に開業し、全通することとなります。なお、この時点で旗の台駅は開業していません。この辺りについては過去の記事も御覧ください。

 1943年に玉川電気鉄道溝ノ口線が東急大井町線に編入されたことは前の記事で記しました。それから20年後、1963年10月に大井町線は田園都市線に変わりました。この時点ではまだ大井町駅から溝の口駅までの区間の路線でしたが、1966年4月1日、溝の口駅から長津田駅までの区間が開業します。1968年4月1日には長津田駅からつくし野駅までの区間が、1972年4月1日にはつくし野駅からすずかけ台駅までの区間が、1976年10月15日にはすずかけ台駅からつきみ野駅までの区間が開業しました。

 1977年4月7日、大井町線および田園都市線の歴史を変えることになる出来事がありました。東急新玉川線(渋谷駅から二子玉川駅まで)の開業です。同年5月25日にはあざみ野駅も開業します。ここから慌ただしくなります。

 1978年8月1日には当時の帝都高速度交通営団の半蔵門線のうち、渋谷駅から青山一丁目駅までの区間が開業しました。当初から東急新玉川線および田園都市線と直通運転を行っており、しかも最初の3年程は東急8500系のみが運用されていました。つまり、半蔵門線用の営団の車両はなかったこととなります。

 1979年8月12日、当時の田園都市線のうち、大井町駅から二子玉川駅までの区間が大井町線となります。これにより、田園都市線は二子玉川駅からつきみ野駅までの路線となります。また、田園都市線・新玉川線・半蔵門線の直通運転が全面的に行われるようになりました。

 1984年4月9日、田園都市線のつきみ野駅から中央林間駅までの区間が開通します。これによって田園都市線は全通し、二子玉川駅から中央林間駅までの区間となりました。

 これでしばらく落ち着きましたが、2000年8月6日にまた動きがありました。輸送の実態に合わせるような形で、新玉川線が田園都市線に統合され、田園都市線は渋谷駅から中央林間駅までの路線となりました。既にこの頃には二子玉川駅から溝の口駅までの複々線化工事が始まっており、2008年3月には大井町線の急行運転(大井町駅から溝の口駅まで)が始まります。2009年には大井町線の運行区間が大井町駅から溝の口駅までとなります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いつまで走るか 東急9000系9014F

2024年02月27日 09時30分00秒 | 写真

今回は、東急9000系9014Fです。まずは、大井町線B各停の溝の口行きとして、二子玉川駅(DT07、OM15)2番線に到着するところを撮影しました。

 この各駅停車はB各停(青各停)であるため、二子玉川駅を発車してすぐに内側(大井町線)から外側(田園都市線)に転線し、二子新地駅(DT08)および高津駅(DT09)に停車し、高津駅を発車して外側から内側に転線し、溝の口駅(DT10、OM16)に到着します。なお、G各停(緑各停)であれば、転線がないので二子新地駅および高津駅を通過します(両駅の内側にホームがありません)。

 私より年上の、或る世代の方であれば、東急大井町線は大井町駅から溝の口駅までの区間の路線であると御記憶の方も多いでしょう。確かに、そういう時代もありました。あるいは、私とほぼ同年代、または私より年下の或る世代の方であれば、大井町駅から二子玉川駅までの路線であると覚えている方も多いはずです。

 現在の大井町線の正式な区間は大井町駅から二子玉川駅までの10.4kmです。令和5年度版の『鉄道要覧』にもそのように書かれています。現在の東急電鉄の路線図では大井町駅から溝の口駅までとなっていますが、二子玉川駅から溝の口駅までは田園都市線の複々線区間に乗り入れる形となっています。このようになったのは2009年7月からです。

 大井町線および田園都市線ほど、起点、終点が何度も変わった鉄道路線もあまりないでしょう。そもそも、二子玉川駅から溝の口駅までの区間は大井町線でも、まして田園都市線でもなく、玉川電気鉄道溝ノ口線として1927年7月15日に開業しました。玉電の延長線であった訳であり、駅間距離が短いことの理由にもなっています。この区間が大井町線となり、同線の区間が大井町駅から溝の口駅までとなったのは1943年のことであり、戦時輸送の強化のためでした。このために、軌間を玉電の1372mmから大井町線の1067mmに変更しています。そして、二子玉川駅から溝の口駅までの区間は1945年10月1日に軌道から鉄道に変更されています。但し、二子橋の併用軌道(単線)はその後もしばらく続きました。

 大井町線・田園都市線のその後の歴史は、別の機会に記します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京都交通局5500形5502F

2024年02月23日 07時00分00秒 | 写真

都営浅草線の戸越駅(A04)で、快速成田空港行き(京成本線経由)の東京都交通局5502形5502Fを撮影しました。

 東京都交通局の浅草線(1号線)用の電車として最初に登場したのが5000形で、1960(昭和35)年に登場しました。1976(昭和51)年にはセミステンレス車の5200形が登場しましたが、正式には5000形とされていました。いずれにも乗ったことがあるのですが、回数が少ないのであまり覚えていません。ただ、製造年度の関係なのか個体差なのかはわかりませんが、5000形は京浜急行の車両や帝都高速度交通営団の車両に比べると見劣りがするような気がしました。1991(平成3)年に5300形が登場し、2023(令和5)年の春まで運用されていましたが、現在は全て解体されているとのことです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第213回国会内閣提出法律案第21号「地方税法の一部を改正する法律案」

2024年02月22日 00時00分00秒 | 国際・政治

 仕事のために、衆議院のサイトを見ました。

 現在召集されている第213回国会においては、地方勢法を改正するための法律案がが二つ提出されています。次の通りです。

 内閣提出法律案第2号=「地方税法等の一部を改正する法律案」

 内閣提出法律案第21号=「地方税法の一部を改正する法律案」

 第2号のほうは2024年2月6日に衆議院に提出されており、同月15日に衆議院総務委員会に付託されています。例年と同様に2024年度税制改正のための法律案です。

 これに対し、第21号は、2024年1月1日の能登半島地震に関するものであり、2024年2月16日に衆議院に提出され、同日に衆議院総務委員会に付託されるとともに同委員会において審査が行われ、2月20日に衆議院本会議において全会一致で可決されています。同日に参議院に送付されており、参議院総務委員会において審査された結果、21日に可決され、すぐに参議院本会議において可決されました。同日中に委員会審査と本会議での審議が行われたこととなります。従って、第2号より第21号のほうが先に成立することになりました。2月中に法律として公布し、即日施行ということになるものと思われます。

 また、内閣提出法律案第20号として「令和六年能登半島地震災害の被災者に係る所得税法及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の臨時特例に関する法律案」が提出されています。名称からおわかりであると思われますが、第20号と第21号は対になっています。第20号も2024年2月16日に衆議院に提出され、同日に衆議院財務金融委員会に付託されるとともに同委員会において審査が行われ、2月20日に衆議院本会議において全会一致で可決されています。同日に参議院に送付されており、参議院財務委員会において審査された結果、21日に可決され、すぐに参議院本会議において可決されました。やはり、同日中に委員会審査と本会議での審議が行われたこととなります。従って、第1号より第20号のほうが先に成立することになりました。2月中に法律として公布し、即日施行ということになるものと思われます。

 第21号に付されている「地方税法の一部を改正する法律案要綱」の全文を引用しておきましょう。次のように書かれています。

 「一 令和六年能登半島地震災害の被災者の負担の軽減を図るため、令和六年能登半島地震災害によりその者の有する資産について受けた損失の金額については、所得割の納税義務者の選択により、令和五年において生じた損失の金額として、令和六年度以後の年度分の個人の道府県民税及び市町村民税の雑損控除額の控除及び雑損失の金額の控除の特例を適用することができるものとすること。(附則第四条の四関係)

 二 この法律は、公布の日から施行すること。」

 総務省のサイトには「地方税法の一部を改正する法律案の概要」が掲載されています。これには「令和6年1月に発生した能登半島地震による災害(以下「今般の災害」という。)では、広範囲において、生活の基礎となるような家財や生計の手段に甚大な被害が生じており、かつ、発災日が1月1日と令和5年分所得税(令和6年度分個人住民税)の課税期間に極めて近接していること等の事情を総合的に勘案し、臨時・異例の対応として、令和6年度分個人住民税について、以下のとおり今般の災害による損失に係る特別な措置を講ずる」と書かれており、続けいて「(雑損控除の特例)」として「今般の災害により住宅や家財等の資産について損失が生じたときは、令和6年度分の個人住民税(令和5年分所得)において、その損失の金額を雑損控除の適用対象とすることができる特例を設ける」と書かれています(引用に際して一部省略しました)。

 特例が定められない場合には、2025年度分の個人住民税(2024年分所得)から雑損控除を行うということになるので、1年早めて2024年度分の個人住民税において雑損控除を行うことが認められるということになります。本来であれば、2024年1月1日に被災したのであれば2024年分所得において考慮すべき事柄になりますが、これでは被災された方々に対して過酷な税負担を強いることになりかねませんので、2023年分所得に含めた上で雑損控除を認めるということになる訳です。当然と言うべき内容であり、衆議院本会議において全会一致で可決されるのも自然なことです(もっとも、会議録がまだ公表されていませんので、審査・審議の具体的な内容はわかりません)。

 「地方税法の一部を改正する法律案の概要」には雑損控除および繰り越しに関する図が書かれているので、参照していただくとよいでしょう。

 改正される予定であるのは地方税法の附則であり、「令和六年能登半島地震災害に係る雑損控除額等の特例」という見出しが付された新第4条の4の追加が重要です(というより、実質的にはこの条文の追加のみが中身です)。次の通りとなっています。

 第1項:「道府県は、所得割の納税義務者の選択により、令和六年能登半島地震災害(令和六年一月一日に発生した令和六年能登半島地震による災害をいう。以下この項及び第四項において同じ。)により第三十四条第一項第一号に規定する資産について受けた損失の金額(令和六年能登半島地震災害に関連するやむを得ない支出で政令で定めるもの(以下この項において「災害関連支出」という。)の金額を含み、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより埋められた部分の金額を除く。以下この項において「特例損失金額」という。)がある場合には、次項に規定する申告書の提出の日の前日までに支出したものに限る。以下この項において「損失対象金額」という。)について、令和五年において生じた同号に規定する損失の金額として、第三十二条第九項(第三十三条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び第三十四条第一項の規定を適用することができる。この場合において、これらの規定により控除された金額に係る当該損失対象金額は、その者の令和七年度以後の年度分で当該損失対象金額が生じた年の末日の属する年度の翌年度分の個人の道府県民税に関する規定の適用については、当該損失対象金額が生じた年において生じなかつたものとみなす。」

 第2項:「前項の規定は、令和六年度分の第四十五条の二第一項又は第三項の規定による申告書(その提出期限後において道府県民税の納税通知書が送達される時までに提出されたもの及びその時までに提出された第四十五条の三第一項の確定申告書を含む。)に前項の規定の適用を受けようとする旨の記載がある場合(これらの申告書にその記載がないことについてやむを得ない理由があると市町村長が認める場合を含む。)に限り、適用する。」

 第3項:「前二項に定めるもののほか、これらの規定の適用がある場合における道府県民税の所得割に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。」

 第4項:「市町村は、所得割の納税義務者の選択により、令和六年能登半島地震災害により第三百十四条の二第一項第一号に規定する資産について受けた損失の金額(令和六年能登半島地震災害に関連するやむを得ない支出で政令で定めるもの(以下この項において「災害関連支出」という。)の金額を含み、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより埋められた部分の金額を除く。以下この項において「特例損失金額」という。)がある場合には、特例損失金額(災害関連支出がある場合には、次項に規定する申告書の提出の日の前日までに支出したものに限る。以下この項において「損失対象金額」という。)について、令和五年において生じた同号に規定する損失の金額として、第三百十三条第九項(第三百十四条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び第三百十四条の二第一項の規定を適用することができる。この場合において、これらの規定により控除された金額に係る当該損失対象金額は、その者の令和七年度以後の年度分で当該損失対象金額が生じた年の末日の属する年度の翌年度分の個人の市町村民税に関する規定の適用については、当該損失対象金額が生じた年において生じなかつたものとみなす。」

 第5項:「前項の規定は、令和六年度分の第三百十七条の二第一項又は第三項の規定による申告書(その提出期限後において市町村民税の納税通知書が送達される時までに提出されたもの及びその時までに提出された第三百十七条の三第一項の確定申告書を含む。)に前項の規定の適用を受けようとする旨の記載がある場合(これらの申告書にその記載がないことについてやむを得ない理由があると市町村長が認める場合を含む。)に限り、適用する。」

 第6項:「前二項に定めるもののほか、これらの規定の適用がある場合における市町村民税の所得割に関する規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

武満徹「ノスタルジア」

2024年02月21日 21時00分00秒 | 音楽

 2024年2月18日(日曜日)の21時から放送された「クラシック音楽館」は、先日逝去された小澤征爾さんの追悼番組でした。

 21時から23時30分まで見ていましたが、とくに私がよかったと思ったのが、武満徹作曲の「ノスタルジア〜アンドレイ・タルコフスキーの追憶に」(1987年)でした。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮はもちろん小澤征爾、ヴァイオリン独奏はアンネ・ゾフィー・ムターです。

 旧ソ連の映画監督であるアンドレイ・タルコフスキーへの追悼のために書かれ、彼の監督作品である「ノスタルジア」と同じ名前が付けられた曲は、ヴァイオリン独奏と弦楽合奏のための曲で、武満の初期の作品(1950年代後半)にして出世作である「弦楽のためのレクイエム」と編成が似ており(独奏ヴァイオリンがあるかないかで違いますが)、曲風も似ているように思えます。

 私は、これまで武満徹の作品を(決して多くはないのですが)聴いてきました。ヴィオラ独奏の「ア・ストリング・アラウンド・オータム」(1989年)、尺八および薩摩琵琶と管弦楽団のための「ノヴェンバー・ステップス」(1967年)などを耳にする度に、これほど自然に聞こえてくる音楽はないのではないかと思っていました。「ノスタルジア〜アンドレイ・タルコフスキーの追憶に」も同種の音楽で、独特の浮遊感が独奏ヴァイオリンと弦楽合奏から漂ってくるような感じなのです。あるいは、空間に漂っている音を捕まえ、響かせた、というようにも思えてきます。

 そして、先程記した各曲などを聴く度に思い出すのが、1996年2月21日付の毎日新聞夕刊に掲載された、詩人の大岡信による追悼記事にあった「音を自由に呼吸させてやる」という言葉です。読んだ瞬間に「なるほど」と思いました。

 

 追記:偶然なのでしょうが、朝日新聞2024年2月22日付朝刊1面14版△の「折々の言葉」に、武満徹の言葉が紹介されていました。「政治とか科学とかが凄く極端に進んできているときに、時どきそれを引き戻すのが、音楽の役割だと思うよ」というものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京浜急行1000形1049F

2024年02月20日 00時30分00秒 | 写真

都営浅草線の戸越駅(A04)で、普通西馬込行きの京浜急行1000形1049Fを撮影しました。

 都営浅草線の西馬込駅から泉岳寺駅までの区間で京浜急行の電車が走行しているのを見たのは、上の写真を撮影した時が初めてでした。もっとも、都営浅草線と京浜急行本線との相互乗り入れが行われていることからすれば、戸越駅で京浜急行の電車が発着してもおかしくはないでしょう。

 この1000形は、京浜急行電鉄において2代目となります。東急5000系と同じく2002年から運行が開始されていますが、東急5000系にはアルミ車がありません。そう、京浜急行1000形にはステンレス車とアルミ車があるのです。

 ちなみに、京浜急行電鉄は鉄道ファンの間で非常に人気が高いのですが、川崎市北部で生まれ育った私は、実のところ、あまり関心がなく、利用する機会も多くなりません。そして、鉄道ファン以外の方であれば、本線が「ディープな」もしくは「香ばしい」所、またはそれらであった所の近く(堀ノ内町、黄金町など)を通ることなどすぐにおわかりでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

再び、東武9000系9104F

2024年02月17日 00時00分00秒 | 写真

東京メトロ有楽町線有楽町駅(Y18)で、各駅停車和光市行きの東武9000系9104Fを撮影しました。

 東武の車両ですが、東京メトロ有楽町線のみの運用です。西武6000系についても、やはり東京メトロ有楽町線内だけの運用があります。これは、相互直通運転のために発生する車両使用料の精算(相殺)を目的とするものです。走行距離の調整を伴うため、ダイヤ作成の際に重要な考慮点です。首都圏では、東京メトロ、都営地下鉄、さらに東急などの大手私鉄で見られます。

 なお、車両使用料は相互直通運転だけでなく、いわゆる片乗り入れ(例、京阪京津線の電車が京都市営地下鉄東西線に乗り入れる)でも発生します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熱海市も宿泊税を導入することに

2024年02月16日 00時00分00秒 | 国際・政治

 或る意味では「やはり」または「ようやく」というところでしょうか。静岡県熱海市が宿泊税の導入に向けて動いています。朝日新聞社のサイトに、2024年2月15日11時30分付で「温泉のまち静岡・熱海も宿泊税導入へ 来年4月から1人1泊200円」という記事(https://digital.asahi.com/articles/ASS2G6W56S2GULOB00J.html)が掲載されています。

 宿泊税の導入は、2月14日に発表されたことです。既に、熱海市は主な旅館・ホテル団体から支持を取り付けているとのことで、2月市議会に提出される予定の条例案も可決される可能性が高いとのことです。

 上記朝日新聞社記事によると、一人一泊毎に200円、宿泊施設を経営する事業者が特別徴収義務を負うこととなります。12歳未満の宿泊者については課税の対象から外れます。税の種類としては法定外目的税となるようで、この点は先行する宿泊税と同様です。ちなみに、税収の使途は「持続的な観光振興を図る施策に要する費用に充てる」とのことです。

 私が気になったのは、熱海市が「観光団体幹部や市職員らでつくり、25年度に設立予定のDMO(観光地域づくり法人)に徴収事務を委ね、観光施策の企画立案や実施も任せる方針だ」と記事に書かれていることです。税の徴収事務を市が直接行わないことの理由が何であるのかはわからないのですが、熱海市とDMOとの関係について住民監査請求や住民訴訟を提起されるような事態が生じることはないのか、懸念があるものと思われるのです。

 一方、近隣の箱根町や湯河原町では宿泊税の導入への動きはありません。他方、浦安市では導入への動きがみられます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真庭市によるJR西日本株式の取得

2024年02月15日 07時00分00秒 | 社会・経済

 2024年に入っても、全国各地における地域公共交通の話題は止まりません。芸備線、函館本線の通称山線の区間、久留里線の久留里駅から上総亀山駅までの区間など、今後の行方が気になる鉄道路線・区間が少なくないのです。

 そうなると、沿線市町村の動きも気になります。勿論、最終的には沿線住民の利用の有無が問われることにはなるでしょうが、市町村の意向も重要です。

 おそらく、こういう自治体がいくつか登場するだろうとは予想していましたが、朝日新聞社のサイトに2024年2月14日18時40分付で掲載された「岡山・真庭市が1億円分のJR株取得へ ローカル線廃止の懸念のなか」(https://digital.asahi.com/articles/ASS2G5TVRS2GPPZB008.html)という記事を読んで「やはり」と思いました。

  真庭市にはJR西日本の鉄道路線、姫新線が通っています。兵庫県姫路市の姫路駅から岡山県新見市の新見駅までを結ぶこの鉄道路線のうち、津山駅から新見駅までの区間内にある美作追分駅、美作落合駅、古見駅、久世駅、中国勝山駅、月田駅および富原駅が真庭市にあります。

 上記朝日新聞社記事を読めばわかるように、あくまでも真庭市長の意向であり、同市の予算(案)の話です。これから市議会で審査・審議されるのですから、最終的にどうなるかはまだわかりません。しかし、市長が2024年度の真庭市予算にJR西日本の株式の取得費用を盛り込んだと発表したのですから、真庭市の執行機関の意向が示されたこととなります。そして、これは真庭市が姫新線に対して危機感を抱いていることを意味しています。

 JR西日本は、2023年9月29日付で「2022年度区間別平均通過人員(輸送密度)について」を公表しています。これを読むと、真庭市がJR西日本の株式を取得して株主に名を連ねようとする理由がわかってきます。

 姫新線は、芸備線ほどではないとしても区間によって平均通過人員(人/日)に極端な格差が見られる路線です。全線、つまり姫路駅から新見駅までの158.1キロメートル(営業キロ)の平均通過人員は、2021年度で1258、2022年度で1351となっているのですが、JR西日本によれば、区間毎の平均通過人員は次の通りとなります。

 ・姫路駅〜播磨新宮駅(22.1キロメートル):2021年度で6109、2022年度で6686。

 ・播磨新宮駅〜上月駅(28.8キロメートル):2021年度で774、2022年度で822。

 ・上月駅〜津山駅(35.4キロメートル):2021年度で358、2022年度で386。

 ・津山駅〜中国勝山駅(37.5キロメートル):2021年度で649、2022年度で640。

 ・中国勝山駅〜新見駅(34.3キロメートル):2021年度で136、2022年度で132。

 見比べていただければおわかりのように、真庭市内の各駅は津山駅〜中国勝山駅〜新見駅の区間にあります。新見駅は伯備線の駅であるとともに芸備線列車の始発駅でもあることを付け加えておきましょう(芸備線の起点は伯備線の備中神代駅ですが、列車は新見駅まで乗り入れます)。

 姫新線は、姫路市およびたつの市においては通勤通学路線としてそれなりの存在意義を示しているのですが、播磨新宮駅〜新見駅は典型的なローカル線であり、通学はともあれ、通勤路線としての需要があまりないことを、平均通過人員の数値が示しています。この現れ方が芸備線とよく似ているのです。

 また、2021年度はCOVID-19の影響がかなり大きかった時であり、2022年度はその影響が多少とも和らいだ時です。姫路駅〜播磨新宮駅〜上月駅〜津山駅の区間では2022年度の数値のほうが大きくなっていることからもわかると言えます。しかし、津山駅〜中国勝山駅〜新見駅の区間では逆に2022年度の数値のほうが小さくなっています。しかも、前述のように、再構築協議会の設置が決定された芸備線の起点は備中神代駅であるものの、列車は新見駅を始発駅としています。真庭市が危機感を募らせたことは想像に難くありません。中国勝山駅〜新見駅の132(2022年度)という数字は、芸備線の備中神代駅〜東城駅(2022年度で89)、東城駅〜備後落合駅(2022年度で20)および備後落合駅〜備後庄原駅(2022年度で75)の各区間ほどではないものの、相当に低いと言わざるをえないのです。

 真庭市長は、JR西日本の株式を市が取得して資本参加をすることにより、JR西日本に意見を述べると語っています。上記朝日新聞社記事にも「『もの言う株主宣言』をした市長」という中身出しが付けられています。実は、市長が株式取得の意思を表明したのは今回が初めてではなく、2023年11月に行っていたことでした。他の市町村がどのように反応したのかは不明ですが、まずは真庭市が動こうということなのでしょう。

 同市の2024年度予算に取得費として盛り込んだのは1億円で、2023年度決算の剰余金から充てるとのことです。また、取得時期などについては今後「証券会社などの意見を聞いて検討するとし、議会との調整次第では増額もあり得るとの見解を示した」とも書かれています。

 上記朝日新聞社記事には「なるほど、たしかに」と思うことも書かれていました。これは真庭市長の発言を捉えたものなのですが、「真庭市内の駅などではJR西の交通系ICカード『ICOCA(イコカ)』は利用できず、太田氏は予算案発表の会見で『赤字路線であっても基本的サービスは同じにするのが会社の責務』と訴えた。姫新線について『こんなに揺れる鉄道に乗っていると(都市部と)差別されているように感じる』とも述べた」とあります。読んだ瞬間に阪急電鉄の小林一三のエピソードを思い出したのは私だけでしょうか。また、私のようにPASMOを使いまくっている者からすれば、ICカード(さらに言えばスマートフォンアプリ)を利用することができる区間とそうでない区間とに分かれるのは大変に不便ですし、利用できないというのはサービスとしてあまり良くないことは否定できません。私は真庭市に行ったことがないのでよくわかりませんが、例えば同市内にあるコンビニエンスストアでICOCAやSUICAなどを使用できるとするならば、JR西日本の路線である姫新線で利用できないというのはおかしな話であるとも言えます(ちなみに、姫新線でICOCAを利用できるのは姫路駅〜播磨新宮駅の区間です。また、伯備線は、一部の駅で利用できないものの、全線が利用可能エリアに含まれています)。

 ただ、乗客数と旅客収入、設備投資のための費用などを考えると、JR西日本の全線・全駅でICOCAを利用することができるようにすることは非常に困難でしょう(他のJR各社についても同様です)。自動改札機や簡易改札機を設置する(場合によってはバスと同じように電車や気動車の中に読み取り機を設置する)ことは勿論、維持するにも費用がかかります。JR西日本に限らず、多くの鉄道会社は将来の人口減少に伴う乗客の減少を見込んでいるはずですから、設備投資にも慎重にならざるをえないでしょう。そうであるならば、ICOCAの利用エリアの拡大についても気前よく行うことはできないはずです。

 また、真庭市がJR西日本の株式を取得するとして、どの程度の発言権を確保できるかという問題もあります。株主総会における議決権は所持する株式の数に応じるものであるからです。

 我々国民・住民が選挙権を行使する場合には一人一票ですが、株主総会での議決権行使は一人一票ではなく、一株一票です(正確には単元株式数で考えるべきですが、ここでは単純化のために一株一票と記しておきます。また、議決権制限株式などを考えないこととします。まさか、真庭市が議決権制限株式を取得するはずはないでしょう)。発言権は保有株式数に左右されると考えてよいのです。もとより、例えば真庭市が株主として議案を提出することはできますが、株主総会の議題にかかる際には取締役会の意見が付されるはずです。株主提案に対して取締役会が反対意見を付している場合、株主総会では株主提案が否決されることが多いようですから、どこまで「もの言う株主」として振る舞えるのかについて疑問も残ります。

 1億円でJR西日本の株式をどのくらい取得できるかを少しばかり調べてみると、2024年2月14日の終値は6185円(121円安)でしたので、証券会社に支払う手数料などを考慮に入れなければ16168株を取得できることとなります(単元株式数は100となっていることにも注意を要します)。JR西日本の発行済み株式総数は2億4400万1600株ですから、真庭市が1億円でJR西日本の株式を取得してもごく僅かな率にしかなりません。

 さらに記すならば、株価は日々変動しているものですから、地方公共団体が予算を投じて株式を取得することの妥当性が問われるかもしれません。法制度上は特に問題はない訳ですが(地方自治法などに株式の保有を禁止する条項はありません。それに、株式の保有が禁止されるのであれば第三セクターを設置することもできません。地方公共団体が株主に名を連ねる株式会社はいくらでもあります)、保有の目的の妥当性などが問題とされる可能性はある、と考えられます。

 しかし、真庭市がJR西日本の株式を取得しようとしているという事実は、決して小さいものでもないと言えるでしょう。他の市町村、さらに都道府県が追随するかどうかはわかりませんが、公共交通機関の維持のための手段として考慮しておくべきものでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする