ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

今年は横浜高速鉄道みなとみらい線開業20周年 みなとみらい線開業20周年記念トレイン

2024年04月30日 00時00分00秒 | 写真

 2024年4月29日は昭和の日という祝日ですが、月曜日であることからか、本務校である大東文化大学では通常の講義日でした。東松山校舎に向かうため、朝の8時台に田園都市線に乗り、渋谷駅で副都心線に乗り換えました。その時、5番線に横浜高速鉄道Y500系Y511Fが停まっていました。

 通常は副都心線の和光市駅方面に向かう列車が停まるのですが、時折、東横線の横浜駅方面に向かう列車が発着します。今回もそれで、各駅停車元町・中華街行きとして発車を待っています。

  編成のすべての車両に特別なラッピングが施されており、先頭車両には「みなと未来20th」と書かれたヘッドマークも取り付けられています。

 そう、この編成は「みなとみらい線開業20周年記念トレイン」なのです。今年の1月29日から12月まで運行されるとのことです。

 東急東横線の横浜駅から桜木町駅までの区間が廃止されたのは2004年1月31日(令和5年度鉄道要覧によります。営業運転の最終日は1月30日でした)、その翌日である2月1日に、横浜高速鉄道みなとみらい線の横浜駅から元町・中華街駅までの区間が開業します。当初から東急東横線と完全相互直通運転であるだけでなく、東急電鉄の乗務員が東横線・みなとみらい線を通して乗務しています。とは言え、1997年8月1日にこどもの国協会から譲渡されたこどもの国線と異なってみなとみらい線は横浜高速鉄道が第一種鉄道事業者であるためか、駅業務は(横浜駅を除いて)横浜高速鉄道が担当してます。

 みなとみらい線の開業時より、同線用の車両として横浜高速鉄道が保有するのがY500系です。東急5000系の色違いヴァージョンにしか見えませんが、実際に5000系と共通の基本設計となっており、東横線用の5050系とは寸法などが少し違います。但し、517Fのみは5050系と同一仕様です。これは、2014年2月15日の元住吉駅追突事故によって516Fが大きな損傷を受け、廃車となったことに伴って、5050系の5156Fが代償として東急電鉄から横浜高速鉄道に譲渡され、Y517Fとなったことによるものです。なお、横浜高速鉄道みなとみらい線には車両基地がありません。そのため、Y500系の全編成が東急東横線の元住吉検車区に所属しています。

 

 Apple iPhone15 Pro、RAW。24mm、F1.78。19MP、5136×3852。ISO 250、1/48S。

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日曜日夕方の高津交差点

2024年04月29日 07時00分00秒 | まち歩き

何となく、iPhone15 Proで高津交差点を撮影しました。

 一見、何の変哲もない交差点ですが、実はここが神奈川県道14号鶴見溝ノ口線の終点です。交差点から奥に伸びるのが県道で、「大山街道」、「溝口大通り」の標識が取り付けられています(次の写真でわかります)。また、県道はここで終わるものの、大山街道は多摩川(写真では手前側)に向かって伸びています。

 元々、溝口の街はこの神奈川県道14号鶴見溝ノ口線沿いが中心であり、江戸時代から続くお店がいくつか存在します。上の写真にあるお茶と秤の田中屋、その少し奥にある灰吹屋薬局本部(現在は店舗がありませんが、歴史的建築物は残されています)がそうです。かつての高津町役場の所在地にある大山街道ふるさと館や糀ホールも大山街道沿いにあります。陶芸家の濱田庄司が育った場所には碑が建てられています。

 ちなみに、田中屋で売られている武州茶は美味なのでおすすめします。私はここ何年か、田中屋でしか緑茶の葉を買ったことがありません。

 左右に通るのが国道409号で、川崎市民の間では府中街道とも呼ばれています。国道246号との交差点である溝口交差点が国道409号の起点で、その起点から川崎市幸区の幸町交番前交差点までが神奈川県道9号川崎府中線との重複区間となります。あのアクアラインも国道409号の一部であることを御存知の方はどれほどおられるでしょうか。

 先程、溝口の中心が元々はこのあたりにあったと記しました。そのことは、田中屋の真上にある公証人役場の存在からでも明らかでしょう。神奈川県道14号鶴見溝ノ口線は、ここから奥に進み、二ヶ領用水を渡り、溝口神社の前を通って高津区役所東側交差点で大山街道と別れて左に曲がり、洗足学園や川崎北税務署の前を通り、千年(ちとせ)、子母口(しぼくち)、明津(あくつ)を通過し、末吉橋、鶴見駅のほうに進んでいきます。

 それにしても、溝口3丁目や2丁目もビルが多くなりました。南武線武蔵溝ノ口駅・田園都市線溝の口駅の前の商店街が賑わっていた1980年代には、ここまで高層建築物が多くなかったと記憶しています。

 

 1枚目:iPhone15 Pro、RAW。24mm、F1.78。14MP、4382×3286。ISO 800、1/33S。

 2枚目:iPhone15 Pro、RAW。77mm、F2.8。12MP、4032×3024。ISO 1250、1/25S。

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東急6000系6102F

2024年04月28日 07時00分00秒 | 写真

 2008年に東急大井町線の急行が運転されるようになりました(正確には復活です)。そのために登場したのが2代目6000系で、6両編成6本が一気に投入されました。今回は、そのうちの6102Fです。3号車にQ SEAT車のデハ6302を連結しています。

 まずは田園都市線鷺沼駅(DT14)2番線に到着するところです。ここで各駅停車中央林間行きに接続します。

 6000系は、2008年からしばらくの間は6両編成でしたが、2017年に全て7両編成となりました。このため、サハ6300形がサハ6400形に、デハ6400形(パンタグラフなし)がデハ6500形に、デハ6500形(パンタグラフ2基)がデハ6600形に、クハ6600形がクハ6700形に改められています。

 さらに、2019年には有料座席指定車であるQ SEAT車の導入のため、6101Fのデハ6103と6102Fのデハ6203が、車番はそのままでありながらロングシート車からオレンジ色のQ SEAT車に置き換えられました。たまたま、長津田駅(DT20、KD01)で置き換えられる前のデハ6301およびデハ6302の甲種回送の様子を撮影していたので、「甲種回送(長津田駅→逗子駅) Q SEAT車に置き換えられる前の東急6000系デハ6301+デハ6302(+DE10 1666)」を御覧ください。ちなみに、前のデハ6301およびデハ6302は目黒線で運行される5080系の8両編成化のために改造されており、5189Fのデハ5189および5190Fのデハ5190になっています。

 青葉台駅(DT20)1番線から長津田駅に向けて発車したところです。

 6000系が登場した2008年の大井町線急行は大井町駅(OM01)から二子玉川駅(OM15、DT07)までの区間で運転されていました。正真正銘の大井町線急行であった訳です。但し、僅かながら田園都市線に乗り入れる運用はあったと記憶しています。2009年7月には、大井町線の営業運転区間が溝の口駅(DT10、OM16)まで延伸されます(あくまでも営業運転の区間であり、正式の区間が延長された訳ではありません)。それとともに急行の運転区間も大井町駅から溝の口駅までとなりました。2012年3月には土休日に田園都市線へ直通する急行が増やされました。さらに、2019年10月には平日の日中にも大井町線と田園都市線を直通する急行が増えました。

 田園都市線・半蔵門線の10両編成に比べれば短いものの、大井町線・田園都市線を直通する急行は使い勝手がよく、私もよく利用しています。

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東急田園都市線高津駅(DT09)で珍しいものを撮影した

2024年04月26日 00時00分00秒 | 写真

昨日(2024年4月25日)、東急田園都市線の高津駅4番線で上りの各駅停車の到着を待っていると、下の写真にある電車が回送として通過しました。

 「珍しい」とは大袈裟な表現であるかもしれませんが、撮影の機会はかなり少ないことには変わりありません。上の写真の車両が田園都市線で営業運転を行うようなことがないからです。

 通過したのは、東京メトロ日比谷線用の車両である13000系です。車両番号から13104Fであることがわかります。おそらく、鷺沼検車区から千住検車区への回送でしょう。

 東京メトロ日比谷線と東急東横線との相互直通運転は、2013年3月15日をもって終了しました。従って、現在、東急の車両が日比谷線を走ることはありませんし、13000系が東横線を営業運転することもありません。しかし、「東京メトロ13000系13105F」で記したように、営業運転でなければ日比谷線と東急東横線との相互直通運転は残っているのです。そのため、滅多に見られるものではないのですが13000系が東横線、目黒線、大井町線および田園都市線を走行することがある訳です。先代の日比谷線用車両である03系も、鷺沼検車区への回送のため、東横線、目黒線、大井町線および田園都市線を走ることがありました。

 この13104Fは、鷺沼検車区で定期検査を受けていたのでしょう。二子玉川駅から大井町線に入り、大岡山駅で目黒線に移り、元住吉検車区に入った後に東横線を走り、中目黒駅から日比谷線に入るものと思われます。

 なお、田園都市線の二子玉川駅から長津田駅までの間では、東横線、目黒線、池上線および東急多摩川線の車両、さらに横浜高速鉄道みなとみらい線の車両も回送として走ります。こどもの国線の恩田駅のそばにある長津田車両工場で重要部検査などを受けるためです。

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東京メトロ2000系2126F

2024年04月25日 00時00分00秒 | 写真

 2024年4月、東京地下鉄(通称は東京メトロ)丸ノ内線の営業車両が2000系に統一されました。従って、02系を見ることはできないということです。2000系が投入されたのは2019年のことですから、5年ほどで完全に置き換え、ということになります。

 今回は、その2000系の2126Fです。荻窪行きとして運行されているところを撮影しました。 

 02系は角張った外観でしたが、2000系は丸みを帯びたデザインとなっています。この2000系には無線式列車制御システムが備えられています。世界的に見れば実用例が多いものですが、日本ではようやく実用化に向かうというところです。

 国土交通省のサイトにある「都市鉄道向け無線式列車制御システム(CBTC)仕様共通化検討会」のページには「現在、首都圏等で無線を利用した列車制御システム(以下、CBTC)の開発・導入が進められているところです。CBTCでは、列車間隔を短くすることが可能で高い遅延回復効果が得られるなど運行の安定性が向上するとともに、軌道回路等の地上設備を簡素化することで保守作業の効率化や輸送障害の削減等にも寄与することから、今後の更なる導入が期待されています」と書かれています。

 もう少し詳しく書かれている資料はないかと軽く探したら、東急のサイトに、2023年3月23日付で、東急電鉄株式会社および東京地下鉄株式会社の名義による「相互直通運転を行っている東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線の信号保安システムを2028年度に同一の無線式列車制御システムに更新します~列車の遅延をより早く解消し、運行の安定性向上に取り組みます~」という文書が掲載されています。「2028年度の稼動を目指して、相互直通運転を行っている東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線の信号保安システムを同一の無線式列車制御システム(以下「CBTCシステム」)に更新します。なお、信号保安システムの更新に際して、相互直通運転路線間にて両社が連携し、CBTCシステムを同時期に導入する取り組みは、国内初の事例となります」と書かれており、続いて次のように述べられています。

 「CBTCシステムは、列車の安全・安定運行を確保するために、無線通信技術を活用して列車の位置や速度を連続的に把握し、列車間の安全な間隔を確保する新方式の信号保安システムです。CBTCシステムでは、先行列車が進行すると、後続列車はその進行距離に応じ、従来システムよりも速やかに進行可能となるため、高い遅延回復効果が得られるとともに、システムを構成する設備全体を2系統設けることで安定稼動につながり、運行の安定性が向上します。加えて、従来の信号保安システムと比較して省設備化が図られることにより、メンテナンス性の向上や環境負荷の低減にも寄与します。」

 東京地下鉄株式会社は、2018年に丸ノ内線でCBTCシステムの試験運転を行っていました。仮設の設備で試験が行われていたようです。2022年度からは本設備での試験が行われていました。但し、これも日々の営業運転の終了後のことであったようです。そして2024年度からいよいよ丸ノ内線で本稼働ということになります。また、2026年度からは日比谷線でも稼働することとなっており、半蔵門線は3番目ということになるようです。

 一方、東急電鉄のほうは田園都市線が最初となり、2031年度に大井町線に導入する予定であるとのことです。

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東武9000系9105F

2024年04月24日 10時30分00秒 | 写真

東京の地下鉄に乗り入れる車両としては唯一の非VVVF制御車である東武9000系の9105Fを、高坂駅(TJ28)で撮影しました。

 東京メトロ有楽町線新木場駅始発の普通森林公園行きが到着しました。9000系は、元々、有楽町線への直通運転のために製造された車両で、東武東上線(東上本線)以外の路線では営業運転が行われたことはありません。なお、現在は東京メトロ副都心線、東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線にも乗り入れています。

 製造初年は1981年ですが、これは9101Fのみが該当します。9102F以降の量産車は1987年以降の製造となっています。全編成が10両固定となっており、電機子チョッパ制御の軽量ステンレス車両となっています。いずれも東武で初となるものでした(なお、9050系はVVVF制御車となっています)。番号からおわかりと思われますが、日本の私鉄で最多の製造車両にして今も現役である8000系に次ぐものとなっています。

 登場時から長らくツーハンドル車でしたが、副都心線への直通運転のためにワンハンドルマスコンに改められ、ATOの機器も搭載されています。但し、9101Fのみは未改造で、地下鉄乗り入れの運用から外されました。これはホームドアへの対応ができないからということのようです。なお、9101Fは2023年に東上線から離脱し、解体されたとのことです。

 9102F以降の編成は現在も東上線で運行されていますが、いつまで地下鉄に乗り入れるのかはわかりません。なお、東武の車両では50070系も有楽町線や副都心線に乗り入れています。

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溝口4丁目、国道409号の歩道にて

2024年04月23日 01時15分50秒 | まち歩き

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おしらせです(2024年4月18日)

2024年04月18日 09時00分00秒 | 本と雑誌

 管理人の権限を利用して、おしらせです。

 清文社から、石村耕治編「税金のすべてがわかる現代税法入門塾」、通称「現税塾」の第12版が発売されました。

 私は、この本の第7版から執筆者の一員に加わっています。勿論、この第12版も、です。

 御一読をいただければ幸いです。

 なお、「現税塾」は、私が担当する講義「税法A」(前期、火曜日)、「税法B」(後期、火曜日)、「法学特殊講義2A」(前期、木曜日)および「法学特殊講義2B」(後期、木曜日)の教科書としております。

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公立化か閉校か

2024年04月17日 14時00分00秒 | 国際・政治

 千葉科学大学の公立化の話が浮上したのは2023年10月1日です。これは、千葉科学大学の側から銚子市に出された要望でした。このブログでも2024年2月2日0時0分付で「千葉科学大学の公立化は難航することに」として取り上げましたが、その続きというべき内容になります。読売新聞社が、2024年4月16日の16時54分付で「千葉で大学運営する加計学園『公立化無理なら撤退』…検討委の委員『我々の議論に圧力』『聞き違いかと思った』」として報じています(https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20240416-OYT1T50064/)。

 4月14日に、銚子市で公立大学法人化検討委員会の第1回会合が開かれました。当初は1月に開催されるはずでしたが、詳しい事情がわからないものの、上記読売新聞社記事によれば「市と加計学園の事前協議が整わず、1月予定の開催がずれ込んでいた」とのことです。

 検討委員会のメンバーは10人で、学識経験者や経済界代表などから構成されています。銚子市のサイトに千葉科学大学法人化検討委員会のページがあり、14日の会合は公開で行われていました。また、千葉科学大学法人化検討委員会のページには資料3として「千葉科学大学公立大学法人化検討委員会スケジュール(案)」が掲載されており、次のような予定が書かれていました。

 第1回(4月14日):千葉科学大学の公立大学法人化に関する要望について/千葉科学大学の現状とこれまでの取組について/今後の検討委員会の進め方について

 第2回(5月12日):千葉科学大学を取り巻く環境について/千葉科学大学誘致の検証について

 第3回(6月30日):他の公立大学の運営状況について/公立大学法人による運営の可能性について

 第4回(7月中に予定):これまでの議論の総括/最終とりまとめ案の審議

 第5回(8月中に予定):最終とりまとめ

 検討委員会の委員には千葉科学大学関係者、つまり加計学園関係者が入っていませんが、当事者ということで第1回の会合に参加していました。そこで、加計学園側は次のように説明したとのことです。

 (1)2022年度までに公立化した11の大学の全てで、2022年度の入学者数が定員が上回った。公立化することによって「授業料が引き下げられ、大学のブランド力が上がり、学生が集まる」。千葉科学大学についても「公立化すれば、30年度には8億円超の黒字を確保できる」。

 (2)千葉科学大学では定員割れが続いており、収支は2022年度まで7年連続の赤字となっており、公立化がなされなかったら学生募集を停止し、在学生の全員が卒業したら閉校する(記事では「撤退」と書かれています)

 まず、(1)についてですが、検討委員会の資料6-2「千葉科学大学の現状とこれまでの取り組み(2) - 銚子市と共に歩む大学、千葉科学大学-」(千葉科学大学が提出)には次のように書かれています。

 「5.公立化の意義

 ▷公立大学になることで、ブランド力が高まり、地域からだけでなく全国から入学志願者の応募が期待できる。 また、銚子市のブランド力の向上に貢献できる。

 ▷銚子市の政策や地域の要請に応えた教育プログラムの見直しやコースの設定、大学院研究科の充実、地域を志向した 「地育地就」の推進などにより、地域の発展に貢献できる人材育成や産官学金連携を強化することができる。

 ▷地域の特色を生かした魅力ある教育・研究プログラムを提供することで、地域の優秀な人材の流出を抑制するとともに、 市域外から銚子市への若者の流入や定着が期待でき、地域経済規模の拡大や活気ある街づくりに貢献できる。

 ▷銚子市と千葉科学大学が一体となることで、市のシンクタンクとしての機能をさらに果たすことができるようになると ともに、学生による地域における社会貢献活動の強化など、学生による主体的な街づくりへの参画が期待できる。

 6.公立化した場合の運営の考え方

 ・公立大学法人となった場合は、総務省から設置者である銚子市に地方交付税が交付され、銚子市から大学に運営費交付金(定員充足した場合約28億円)の交付が見込める。

 ・公立化後は、授業料等の学生納付金と運営費交付金を主要な財源として運営するが、教員の教育研究力の強化により、 外部資金の獲得に努める。

 ・私立大学より低額の授業料設定により、従前の奨学制度は概ね廃止とするが、地域限定の奨学制度については内容を見直し継続する。

 ・学生確保により収容定員を充足させることによって収入増が見込まれ、安定経営(黒字経営)により財政基盤の確立を図ることができる。」

 しかし、公立化のメリットの根拠がほとんど示されておらず(別の資料も参照しましたが、公立化によって入学検定料、入学金、授業料がどうなるのかということが書かれているものの、どのような理由によってそうなるのかということは示されていません)、検討委員会の委員から疑問が出されました。公立化をしたからといって直ちに学生数を確保できるとは考えられず、加計学園側の努力(定員減、学部再編など)を求める意見が出てもおかしくはありません〔但し、これまでいくつかの学科や専攻(大学院)の募集停止が行われていました〕。また、千葉科学大学の場合、2023年度における薬学部の定員充足率が36%、危機管理学部が51%、看護学部が44%となっており、委員からは原因についての分析を求める声が出ました(「ここまで(入学定員充足率が)下がるのは見たことがない」という指摘がなされたそうです)。

 さらに、上記読売新聞社記事には「校舎などの老朽化に伴う将来の修繕、建て替え費用の確保についても、懸念の声が出た。『大学の資産はどれくらいあるのか。その情報がないと議論にならない』として、加計学園に貸借対照表などの財務資料や、修繕費の将来試算を提出するよう求めた」と書かれています。千葉科学大学が提出した資料には「大学・学部設置に伴う銚子市及び加計学園の支出額」というページがあり、「千葉科学大学 資金収支計算書」には2004年度から2022年度までの収支が図示されているのですが、「貸借対照表などの財務資料」や「修繕費の将来試算」は示されていません。

 次に(2)についてです。これまで私立大学から公立化された大学としては、このブログでも取り上げた福知山公立大学(公立化前は成美大学)、高知工科大学などがあります。それぞれの事情について私は存じませんし、論文ではなくブログ記事に過ぎませんからここで調べた後に書くつもりもありませんが、私立大学側が「公立化が無理なら撤退」という趣旨の発言をした例はあったのでしょうか。

 4月14日の会合では、千葉科学大学、つまり加計学園は明確に「公立化が無理なら撤退」を述べたそうです。やはりというべきか、委員からは不快感が示されたそうですし、委員長も「我々の議論を制約する」と述べたそうです。ただ、加計学園の態度はかなり明確にされたとも評価できます。公立化であれ閉校であれ、加計学園が千葉科学大学から手を引く意向であることは明らかです。ここは銚子市の態度如何によると言えます。

 ただ、銚子市としても、公立化にそう簡単に手を出すこともできないでしょう。さりとて、千葉科学大学の閉校後の跡地利用も頭を悩ませる問題です。他の大学との合併という選択肢もあるとは思うのですが、現実的、非現実的のどちらでしょうか。

 4月16日には高岡法科大学の募集停止も報じられました。同大学については公立化の動きなどがなかったようです。

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溝口緑地の桜 2024年春

2024年04月15日 00時00分00秒 | まち歩き

今年は桜の開花が遅かったのですが、4月に入ってから、うちの近所でも満開となりました。iPhone15 Proで撮影した写真を載せておきます。

 溝口4丁目、高津図書館のすぐそば、というより同じ敷地と言ってもよい場所に溝口緑地があります。ここに桜の大木が2本あります。今年も花を咲かせました。夜には、近所にお住まいの方が軽いライトアップをされることがあります。

 左側に旧大山街道、右側に高津図書館があります。また、この緑地にはメタセコイアの木もあります。東急田園都市線高津駅から歩いて3分ほど、国道409号(府中街道)と旧大山街道との交差点である高津交差点からであれば徒歩で1分か2分ほどで着きますが、静かな場所です。

 高津区で桜と言えば、かつての高津図書館の所在地、溝口南公園(溝口3丁目)、二ヶ領用水、梶ヶ谷第一公園、緑ヶ丘霊園、富士通ゼネラルの本社などが思い浮かびます。溝口緑地には、本数こそ少ないのですが、たくさんの花を咲かせる立派な大木があります。春になる度に、見事なものだと感心しながら見ています。

間近に花をとらえてみました。

最後の写真だけ、撮影日が異なります。もう花も終わりになろうとする頃、葉桜になりかけています。

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