10月29日、関東地方でも時折強い雨が降る中、妻と一緒にアークヒルズのサントリーホールへ行きました。「FUJI XEROX Presents Perlman Violin Recital Japan tour 2017」の初日が行われたためです。
お客さんも多く、会場では「満員御礼」の札も掲げられていました。どうでもいいことですが、この札の字が勘亭流で書かれており、後楽園ホールと間違えているのではないかと思いました。「笑点」の収録ではないのだから、という訳です。もっとも、サントリーは「笑点」のスポンサー企業でもありましたね。
御年72歳、幼少時の病気による身体障害を抱えながらも一流のヴァイオリニストとして活躍してきたパールマンさんの演奏は、勿論、テレビやラジオでも聴いていますし、何セットかCDも買っています。とくに、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ全曲集は、大学院時代に六本木WAVEで購入して以来、何度となく聴き返してきました。また、アイザック・スターン生誕60周年記念コンサートでの演奏も忘れられないもので、実は私がパールマンさんの演奏を初めて聴いたのが、そのコンサートの録音です(LPがCBSソニーから出ており、秋葉原で購入して、これも何度となく聴いています)。
今回は、次の曲が演奏されました。
前半
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第1番二長調D.384
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第9番イ長調作品47「クロイツェル」
後半
ドビュッシー:ヴァイオリンソナタト短調
当日案内の「ヴァイオリン名曲集」
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番ニ長調第2楽章(「アンダンテ・カンタービレ」)
フィオッコ:アレグロ(パールマンさんは「鈴木メソッドの第4巻か第5巻かに取り上げられている」というようなことを言われていましたが、そうだったでしょうか? 記憶にありません。)
クライスラー:クープランの様式によるルイ13世の歌とパヴァーヌ
プロコフィエフ:「3つのオレンジへの恋」より行進曲
ウィリアムズ:シンドラーのリスト
クライスラー:中国の太鼓
アンコール
ヴィエニャフスキ:エチュード、カプリースより第4番
我々が座ったのは1階の前から2列目の左側で、パールマンさん、ピアノのロハン・デ・シルヴァ(Rohan De Silva)さんの背中は見えますが、ヴァイオリンなどはあまり見えません。そのせいなのか、それとも大ホールであったからか、ヴァイオリンの音が少々聴き取りにくいようにも思えました。時折、パールマンさんがヴァイオリンを正面に向ける時には聴き取りやすかったということも記しておきます。
また、シルヴァさんのピアノについては、これほどピアノ伴奏という言葉が似合う演奏もないだろうと思えてきたほどですし、伴奏に徹しているという感じもするものでした。