2023年度版馬場あき子の外国詠2(2007年11月実施)
【阿弗利加 1サハラ】『青い夜のことば』(1999年刊)P155~
参加者:崎尾廣子、T・S、N・T、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:崎尾 廣子 司会とまとめ:鹿取 未放
16 ベルベル族の少年は砂漠に手を広げ友よと言ひてなよるならずや
(まとめ)
「なよる」は広辞苑に「なれてよる。親しくなって近寄る」と出ている。ここでは親しそうに寄ってくる、くらいの意味だろう。「や」は詠嘆か。「砂漠に手を広げ友よと言ひて」寄ってくるのは親切料を貰うためだということが次の歌「料金のありてそれだけの友情を買ふことも砂を行き愛(かな)しうす」で分かる。それが彼等にとって生きていく術なのだが、少年は何歳くらいなのだろう、そのあどけなさを思うとあわれである。(鹿取)
(レポート)(崎尾)
*ベルベル人:北アフリカのチュニジア、アルジェリア、モロッコ地方の原住民。
ハム語系。ネグロ・セムの血も混じる。
17 料金のありてそれだけの友情を買ふことも砂を行き愛(かな)しうす
(まとめ)
16(ベルベル族の少年は砂漠に手を広げ友よと言ひてなよるならずや)の歌でも述べたが「友よ」と言って寄ってきて、難儀な沙漠をゆく人の手助けをするのはお金を貰う為である。同行した人の旅日記によると、添乗員が後でそっと少年達に「親切料」を払っていたそうだ。この歌、「哀し」ではなく「愛し」であるところが深い。(鹿取)
【阿弗利加 1サハラ】『青い夜のことば』(1999年刊)P155~
参加者:崎尾廣子、T・S、N・T、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:崎尾 廣子 司会とまとめ:鹿取 未放
16 ベルベル族の少年は砂漠に手を広げ友よと言ひてなよるならずや
(まとめ)
「なよる」は広辞苑に「なれてよる。親しくなって近寄る」と出ている。ここでは親しそうに寄ってくる、くらいの意味だろう。「や」は詠嘆か。「砂漠に手を広げ友よと言ひて」寄ってくるのは親切料を貰うためだということが次の歌「料金のありてそれだけの友情を買ふことも砂を行き愛(かな)しうす」で分かる。それが彼等にとって生きていく術なのだが、少年は何歳くらいなのだろう、そのあどけなさを思うとあわれである。(鹿取)
(レポート)(崎尾)
*ベルベル人:北アフリカのチュニジア、アルジェリア、モロッコ地方の原住民。
ハム語系。ネグロ・セムの血も混じる。
17 料金のありてそれだけの友情を買ふことも砂を行き愛(かな)しうす
(まとめ)
16(ベルベル族の少年は砂漠に手を広げ友よと言ひてなよるならずや)の歌でも述べたが「友よ」と言って寄ってきて、難儀な沙漠をゆく人の手助けをするのはお金を貰う為である。同行した人の旅日記によると、添乗員が後でそっと少年達に「親切料」を払っていたそうだ。この歌、「哀し」ではなく「愛し」であるところが深い。(鹿取)
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