かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 396 中欧⑤

2023-12-08 11:17:23 | 短歌の鑑賞
 2023年度版 馬場あき子の外国詠54(2012年7月実施)
   【中欧を行く 虹】『世紀』(2001年刊)P109~
   参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、
       T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:藤本満須子 司会と記録:鹿取 未放


396 「エレクトラ」の幕切れに泣きて歓呼するウィーンの情熱の中にゐるわれ

      (レポート)
 オペラもいよいよ終わりだ。父の仇を討った弟のオレストスを讃える姉のエレクトラは踊り始めるが興奮のあまりその場に倒れてしまう。ウィーンのオペラ座の観客も興奮の渦中に引き込まれてしまう。そのオペラ座の熱気の中に私は今いるのだ。(藤本)


    (当日意見)
★欧米人の感情の激しさの中で、覚めて自分を捉えている。周囲をもしっかり見てい
 る。結句の「われ」がよい。(崎尾)
★そうですね、自分も歓呼しているんだけど、ふっと我に返ってそういう自分をもう一
 人の自分が見ている。でも、覚めてはいなくて、自分も熱狂しているんだと思いま
 す。(鹿取)
★「エレクトラ」の一連はとても力がこもっている。(藤本)

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