馬場あき子の外国詠58(2012年11月実施)
【ラインのビール】『世紀』(2001年刊)213頁
参加者:K・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子(紙上参加)、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部 慧子 司会とまとめ:鹿取 未放
416 長い長いソーセージ二本で飲むビールドイツの秋の陽ざしは静か
(レポート)
「長い長い」という「ソーセージ」は文献によると14世紀までさかのぼり、〈歴史的ソーセージの店〉や〈ことに長いソーセージの店〉などあるらしいが、世界的に有名なドイツの「ビール」と「ソーセージ」の絶妙な味わいに舌鼓を打ったであろう。ところは「ドイツ」「秋の陽ざしは静か」と訪問先の名品をそろえ挨拶歌である。(慧子)
(紙上参加意見)
歌集も終わりに近づく頃の一連である。ドイツと言えば長いソーセージ、ビールであろう。夜の店でたくさんのお客が飲み、うたいおどりという情景ではなく、旅の観光の途中おそい昼食をかねてか静かにビールを飲んでいる。やわらかな秋の日射しの中に。少々旅愁も漂っているうた。(藤本)
(当日意見)
★ドイツはソーセージもビールもおいしいので有名な国。そのおいしいものを二つながら味わって、
満たされている感じが伝わってくる。「秋の陽ざしは静か」にその気分が出ている。(崎尾)
★いかにも平和でのどかな様子が伝わってくる。(曽我)
★先生は土地と食べものを結びつけて詠むのがお上手。(慧子)