Darkness Before the Daylight Blog

鋼の錬金術師、黒子のバスケにまつわる人々、漫画やアニメ、日々の楽しみ、その他つれづれ。

論考(3)-3 氷結の錬金術を分析する~焔との比較を通して

2011-07-22 17:41:46 | 考えてみました

(ちょっと追記しました)

アニメ第二期第1話「鋼の錬金術師」に登場し、大佐と戦った

氷結の錬金術師アイザック・マクドゥーガルは、どのようにして

あのような錬成を行っていたのかを、解き明かしてみたい。

参考文献「錬金術を科学する」で、水に圧力を加えると温度が上がり、

逆に減圧すると温度が下がる現象が説明されている。

アイザックはこの性質を利用して、周囲を氷結させていたのではないかと思われる。

具体的には、水、もしくは水を含んでいるものの周囲の空気を広範囲に減圧する

方法である。そのためには、たとえば周囲の空気を、空気以外の個体か液体など、

体積の小さい物に錬成し直せば、一瞬にして周囲の空気が薄くなり、減圧することが

可能である。

これにより水の周囲に真空状態を作り出すと、水の温度を急速に下げて、氷結させる

ことができる。同様のことを繰り返すことによって、瞬時に大きな氷を作り出したり、

地表を氷で覆われた状態にしたり、場合によっては敵を凍らせて行動不能に陥れ、

攻撃を無効化することにもなる。

大佐の焔の錬金術も、アイザックの氷結の錬金術も、どちらも周囲の空気の状態に

変化を起こすことで武器としている点では共通している。

では、この二人の錬金術を人間兵器として評価した場合、その破壊力という点では

どのような差があるだろうか。

「氷結」は、生き物の体内の水分を凍らせればその生命を奪うことはできるだろう。

しかし、液体窒素の中に一瞬浸して凍らせた金魚を、再び水中に戻せば、また

泳ぎ始めるという実験が存在した。超低温では、生命が必ずしも奪われるとは、

限らない可能性がある。

また、冷凍食品を想像すればわかりやすいが、凍らせることは品質の変化を伴うとは

限らない。むしろ長期間の品質保持に有効である。

だが、大佐の焔について考えれば、瞬間的に発生した爆炎に包まれれば、氷結よりも

人体に及ぼすダメージは大きいのではないかと思われる。人体を構成するタンパク質は

熱により変性し、重い火傷となる。

そして山林や街で、錬金術が発動した場合はどうだろうか。氷には、「時間が経って

溶ければ水に戻る」という自然界の絶対的な法則がある。それには何ら人の手を加える

必要もなく、山林や街が氷結しても、そこにいる住人が避難さえしていれば、三日も

経てば、完全に元通りとはいかなくても戻ることは可能なのではないか。

しかし、一度焼き払われて炭と化した山林や街は、全く有用性を喪失し、以前の価値を

なくしてしまう。焔のもたらす被害は氷結の比ではない。

これらのことから、人間兵器としての破壊力は、大佐に軍配が上がる、を結論とする。

…ひさしぶりに論考を書きました。近いうちに、できた分からまとめてみたいと思います。

以前のものは、ここのブログのカテゴリ「考えてみました」からご覧になれます。

それにしても今、アイザックのことをこんなにも一生懸命考えている人も珍しいでしょうか。

ご来訪、拍手ありがとうございます!


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