まずは拍手コメントお返事から!!!
6/25 まあこさま
いらっしゃいませ!!コメントありがとうございます!
タオルのお話教えてくださってどうもです!早速今回の話に使わせていただきました。
ロイ先生もきっと気に入ると思います~~~。
じゃんけんのかけ声は、諸説ありますが、「最初はグー、またまたグー、いかりや長介、
頭がパー!」という志村けんのコントだったらしいです。全国区で定着しているみたいですね。
また楽しんでいただければとっても嬉しいです!!
………………
まず、ロイはお弁当をひろげている各グループの様子を見て回った。子どもたちには、
「お弁当はおうちの人に作ってもらうと思うけど、荷物をリュックにつめるのは自分で
やりなさい」と話している。さもないと何がどこに入っているのかわからない事態が起きる
からだ。それでも箸箱に箸が入っていない子や、体調の悪くなった子がいないかどうか、
まずは一度確認する。
幸い目立ったトラブルはないようで、エドワードはお弁当箱のふたがなかなか開かないと
言って、ちょうどそこに現れたロイに開けてもらってご満悦だった。密閉性の高い容器だと
たまにこういうことがある。
先生チームは見晴らしの良い場所に敷いたブルーシートの上に集まり、急いで仕出し
弁当をかっこむ。唐揚げや焼き魚、炊き込みご飯が彩りよく並んだ美味しいものだった。
ロイも若い男なので、学生の頃はふと、こういう給食のない日には同僚の若くて綺麗な
独身の女先生がお弁当を作ってきてくれたり、それがきっかけで恋が芽生えたりなんか
するんじゃないかと思ったことも、まあ、ないではない。だが実際に採用試験に受かって
現場に来てみると、みんな忙しいのでそんなことはどこを探しても起こらない。初めての
遠足の二週間ほど前に、会議で「遠足の日のお弁当を注文します。不要の先生は
申し出てください」との話を聞き、ロイは以前抱いた夢というか妄想絵空事を、一度も口に
出さなくて本当に良かったと思ったものであった。
ごみを分別した後、大人たちは前もって決めておいた場所に散らばり、子どもにけがが
ないように見張る。公園の周囲には木がたくさんあるので、ハチ、毛虫などの虫にも注意が
必要だ。下見には来ているが、自然の生き物についてはその時でないと、出現するか
どうか予想がつかないところがある。
正直長く歩いた後なので、ロイは食後もう少し休みたかった。だが子どもたちは元気で、
二十分も経つとおやつもそこそこに、遊具にとびついて遊びだすのだ。よく食べた直後に
運動できるものだと思う。ロイは「子どもは大人と違い、走り回って血行をよくすることで
疲労回復している」というトンデモ説を提唱している。
ふと見ると3組の子どもが、ぶらんこの近くで頭をおさえていた。行ってみるとどうやら、
ぶらんこから降りた時、ハンカチを落としたのでしゃがんで取ろうとしたところ、まだ動いて
いたぶらんこの座面が、ちょうど戻ってきた形でおでこに当たったらしい。手をどけさせて
みると小さなこぶができていた。
「あらら、痛かったね」
そこに担任のマリア・ロスが来て、保冷剤の入ったタオルを当ててやった。
「それ、いいですね」
細いタオルに、保冷剤を入れることのできるポケットがついているのだった。
「近頃いろいろ便利なタオルがあるのよ」
マリア・ロスに教えてもらい、本格的な夏を前に、ロイも一つ買ってみようと思った。