Darkness Before the Daylight Blog

鋼の錬金術師、黒子のバスケにまつわる人々、漫画やアニメ、日々の楽しみ、その他つれづれ。

ハガレンオンリーのこと&拍手お礼

2016-10-27 22:31:24 | 日常
1月の大阪に続いて、7月にも東京でハガレンオンリーがあるそうで、びっくりしつつ喜んでいます。
相方と相談しまして、私自身の直参は無理であっても、できれば参加したいという方向で考えています。
東京のイベントには、今まで一度も参加できずに来ていましたが、一度は行ってみたいです……

いろいろな方のご本が読めるのも楽しみです!!
ご来訪、拍手、メッセージありがとうございます!

10/24 葉月白様

こんにちは! 小話読んでくださってありがとうございます!
子どもたちのしそうな言い回しを考えて書いてみました。それらしく読んでいただけたらとても嬉しいです~。
エドがボーゼンとしている様子を自分でも書きながら想像してしまったりして、一人で笑ってます。

たぬたんぐ大佐とエドにゃんの話も,楽しんでいただけて嬉しいです。
イラストを描いていただけるなんて幸せです!!ありがとうございます。



拝命証&拍手お返事

2016-10-16 20:36:04 | 日常

先日書きました小話を読んで、相方が絵を描いてくれました~~~
ありがとうございます。二人が幸せそうなところが……いろんなことがあって、今、幸せそうなのが……
とても嬉しいです。

自分の文章でイラストを描いていただいたり、三次創作してもらえたりするのって、とても嬉しいです。
誰かのイメージを刺激したっていうことなのかなぁって思うので。

そろそろ冬のイベントに向けて、新刊の構想を練っています。
長さがどのくらいになるか、何頁になるか、見通しを立てるのが苦手で、いつも最終的に決まるのが締め切りの
前日あたりです。表紙を作ってくれている相方には頭が上がりません。
本文頑張ります。どうか皆様、よろしくお願いいたします。

10/9 まあこ様
こんにちは!リゼ小の話、読んでくださってありがとうございます。
「先生」って、まごうことない仕事なんですが、どこかまだ小さい子どもたちにとってはそういう認識が
ないかもしれないなあ……と思って書いた話でした。ちょっと似たようなことがあったとのこと、まあこ様も
お疲れ様でした~。
子どもって面白い発想をしますよね。
また何か考えついたら書きたいと思います。

ご来訪、拍手、メッセージありがとうございます!

リゼンブール小学校小話&拍手お返事

2016-10-06 22:56:04 | 小話

ある日の給食時間、そろそろごちそうさまの挨拶が近づいてきたという時、ふとある子がロイに尋ねた。

「ロイ先生はどうして、先生になろうと思ったの?」

たまーに出る質問である。

「そうだなあ、教育実習に行ってみて、みんなと一緒に勉強するのが楽しかったからかな」

ロイはそう答えた。

「ふうん」

子どもたちはわかったような、わからないような返事をした。「教育実習」という言葉は、まだ2年生の子たちにはわかりにくかったかもしれない。

「じゃあロイ先生は楽しい?」
「仕事は忙しいけど、楽しいよ」

ロイが笑顔でそう言うと、「えっ」と驚いた声が教室の一角から聞こえた。
見ると、リン・ヤオだった。

「先生って、仕事だったノ」
「はい?」

今度はロイが驚く番だった。

「先生って、仕事なノ? 知らなかっタ」

リンは心底驚愕していた。

「仕事だよ、当たり前だろ」

物知りのセリム・ブラッドレイが冷静に指摘した。
ロイは、驚いているリンに聞き返してみた。

「先生って、仕事じゃないと思ってた?」
「うん」

僕も私も、という子が何人もいる。
聞いてみると、「考えてみれば仕事に決まってるんだけど、今までなんとなく、先生っていうのは学校にいるのが当たり前で、朝になると学校に来る、『そういう人』なんだと思ってタ」というのである。

ふと、エドワードはと見れば、彼も「先生」というのを「仕事」であり「職業」とは認識していなかったようで、よほど意外だったのか、ロイを見ながらボーゼンとしている。
先生(かつてお世話になった、保育園や幼稚園の先生も含まれるかもしれない)というのは、子どもにとって、家族や親戚の次くらいに身近な大人なので、「仕事」というより「そういう存在」なのだろう。
ロイがそのように納得したとき、ここでしゃべる能力を回復したらしいエドワードが叫んだ。

「じゃあ、先生、給料もらってるの!?」

これはまた別方向からの問いである。

「そりゃもらってるよ。だってもらわなかったら、先生はこの赤ペンも買えないよ」

ロイはそう言い、特に採点が多い時には1本が3日ともたない机上の赤ペンを取り上げて見せた。

「あっ、そうか」
「そうかー」

子どもたちは頷いた。そこでちょうど、時刻はごちそうさまとなった。
「仕事」というものについて、子どもたちが少しだけ知る機会になったなら良かったな、と思いつつ、みんなのびっくりした顔を思い出すと、ついつい笑ってしまうロイだった。


※※※※※※


葉月白様

こんにちは! メッセージありがとうございました(感涙)
先日の小話と過去作品まで、楽しんでいただけてとても嬉しかったです。
丁寧な感想までいただいて、とても励みになりました。久しぶりにリゼ小の小話を書きましたので、
読んでいただけたら幸いです。
小学生エド君たちの可愛さが出ていたらいいなあと思いながら書きました。

これからも頑張りますので、どうかよろしくお願いいたします。


ご来訪、拍手ありがとうございます!

十月三日

2016-10-03 22:02:12 | 小話

十月三日



「どうした」

エドワードは顔を上げて、男に笑ってみせた。

「まだ、あったんだなって思って」

エドワードが手にしていたのは、一枚の上等な紙だった。
鋼の錬金術師という銘を賜ったときの、獅子の紋章も鮮やかな拝命証。

ふたりで暮らす家の書斎の、大きな本棚の前だった。
そこに籠もったきりで、なかなか戻ってこないエドワードを、ロイは茶を淹れてから呼びに来てくれた。


十月三日、暖炉にはまだ火は入らない。

あの日、燃え落ちたエルリック家は、熾火を抱いて三日三晩うっすらと煙を上げ続け、そして静かになったと、エドワードは後で聞いた。
いつしか風雨にさらされて、今も墓標のように、その姿をそこにとどめている。

時間は、エドワードに何かをもたらしてくれたのだろうか。
それとも、何かを奪い去ったのだろうか。
あの火は、兄弟ふたりの――殊更、兄の、と本人はいう――罪を償い、清めたのだろうか。
それとも、新たな罪の始まりとなったのだろうか。


答えはまだ出ない。
しかし今、ロイと共にあって、エドワードは当時のことを少しだけ、忘れたくないと思うようになっている。

辛く、苦しく、思い出したくなかったからこそ、エドワードはそれを、銀時計の中に刻まなければならなかった。
あの、全ての人を憎んだ一瞬が確かに自分の人生の通過点だったことから、もう逃れる必要はない。
今ではもう、心の中はいっぱいに満たされているからだ。

錬金術をこの手から失い、弟の身体と腕を取り戻した。
父とはもう二度と会うことが叶わなくなったことと引き替えに、確かに愛されていた証を受け取った。

あの頃よりは残り少なくなった未来の時間を、今はただできるだけ、この人と過ごしたいと――あのすべてのなつかしい日々もまた、この現在を得るための通過儀礼であったのだと――そう思うことを、エドワードは自分に許した。

「どうした? ぼんやりして」
「何でもねえよ」

旅のことを考えていたんだろう。
そう言う男にエドワードは、「うん」と答えた。

長い長い旅路の始まりが、かつての今日であったこと。
それを心の奥に埋めるように、エドワードはドアを後ろ手に閉めた。


おわり