エドにゃんの小話

最近大人びて背も高くなってきたエドにゃんに、たぬたんぐ准将は日夜、可愛いな可愛いなと

愛でる思いが不埒なものへと化学変化を遂げることのないよう、自分に必死で歯止めを

かけていました。

ですがエドワードはそんなことは知らない上、精神的には奥手でそちら方面には無知なので、

ただにこにこして、信頼しきった目で准将を見つめているのです。

そしてある日、エドワードはこう言いました。

「ねえねえ准将、『恋』ってなに？」

それは私の君に対する気持ちの別名だ、と言ったところで通じやしません。そもそも最近の

若い衆は「青春とは何ですか」「人生とは何ですか」と、宇宙の真理の深淵を覗くような

答えにくい質問を平気で投げかけてきて、お手軽にその答えが得られると思っているのが

甚だ不届きであると、准将はどっかの頑固じじいのようなことを最近考えていたのです。

苦労して年長者が得た人生の教訓はそんなに簡単に渡せないぜ。

が、エドにゃんにはそうは言えないし、結局上手い言い方を思いつかず

『魚の名前だよ』

と言うと、案の定エドにゃんはふくれました。

『それじゃない方！　大佐ひどいな、わかってるくせに』

エドにゃんは怒るとつい我を忘れて、以前の階級で呼ぶことがあります。

そんなところがますます可愛い。

夜、隣で寝ているエドにゃんの清らかな寝息に悶々としている、でもそれを言うことは

できない、たぬたんぐ准将の悩みは続きます。

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ツイッターに流したものの再掲です。お題は「眠れない夜」でした。

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