ゴミは芸術だっ

2009-09-15 07:22:44 | ニュージーランド雑記
桜の季節といえば・・・・ちょうど始業式や入学式の4月と決まっていますが9月のいま桜が満開のハミルトンからお届けするひつじのブログです。





あっちでもこっちでも桜が好きな家もたくさんあるのだな~と、この季節に気づくわけなんですが(花が落ちると何の木か分からないからねー私(笑))




この時期毎年じつはハミルトンでは「コンテンポラリーアートアワード」というのが開催されます。


ワイカト博物館で行われる芸術展で、全国津々浦々から応募された作品の中から毎年一作品に$15000ドルが送られます。

いつも「???」なのがコンテンポラリーアートという私の情けない知識においても、2006年から毎年作品は見させてもらってますが、一応作る過程においても作品的にも「自分には作るのは無理だろうな」と技術だけは私にも認められる作品が賞金を取っていました。だから納得(笑)というのも単純ですが・・・。



ところがいままでひっそりとアートをやってる人だけに知られる静かな存在だったこの賞が、先週にわかに全国の脚光を浴びることとなったのは、今年の優勝作品が、


正真正銘のゴミ

だったから。

ニュージーランドで先週ニュースを見ていた人は覚えてるんじゃないでしょうか。
1チャンネルのクロースアップや夜のニュースや、新聞の投書欄でさんざん叩かれたこのゴミの作品。

他のアーティストさんたちはカンカンですわ。

このコンテンポラリーアートアワードの応募ってインターネットのみなんですよ。

作品の写真と申し込み情報を専用のウェッブサイトから送るんです。

だから極端な話、自分が外国にいても応募は可能。

最終選考に作品が残ったときに、実物を博物館に指定日に届けることさえできればいいんです。

ところがこのゴミを「作った」アーティストはその時ニュージーランドにいませんでした。

では誰がこれをもってきたか。

持ってきたのではないのです。

アーティストが書いてきた作品の「コンセプト指示書」にしたがって、博物館のスタッフが作ったゴミの山なんです。

指示書には「他の最終選考作品に使用された梱包材を丸めて山にする」みたいなことだったらしいですよ。

世間の評判は最悪。100%批判的です。

誰のせいかって・・・・それはジャッジ。
今年のジャッジがこれを選んじゃった。
博物館側は選考には口出しできないらしい。


どうやら世間を騒がせることが目的の作品「コンセプト」は成功したようです。


しかし15000ドルってんだから笑っちゃう。

この不景気に。

お金を出したのは芸術活動に理解のあるTrust Waikatoという財団で毎年この賞の優勝賞金を出してきたんだけど、さすがに今年のは役員さんたち絶句だった・・・・らしい。

しかも。この真ん中の封筒に書かれたKateなんとかさん、かわいそうに住所まで全国放送で知られちゃうわけですね。

個人保護法なんてあまり浸透していないニュージーランド、結構ネットで個人の住所を検索できちゃったりするんですけれど、いくらなんでも自分のゴミが人の作品の一部になるなんて(しかも自分は優勝できなかった)私なら我慢できない。


この展示会開催前に、清掃係りの人に「作品」を片付けられてしまわないよう指示徹底したとか。

しかもこの「作品」お値段もちゃんとついているんですよ。

5250ドルだそうです。
売れるわけないだろうけれど、万が一売れたら60%がアーティストの懐へ・・・




オセアニアブログランキングへ