だいずせんせいの持続性学入門

自立した持続可能な地域社会をつくるための対話の広場

かっこいいオトナですか?

2008-12-06 22:38:59 | Weblog

 名城大学附属高校総合学科の環境フォレスト班の生徒たち5人の研究活動報告会に参加した。彼女たちは私たちがやっている2050年担い手塾に参加してくれて、石徹白や佐久島の合宿でいっしょに学んでくれた。彼女たちは自分たちが学んだことを同世代の高校生に伝えたいということで報告会を開催した。

 彼女たちは最初は町に木が少ないので募金を集めて植林をしようと考えた。ところが石徹白や加子母の山を訪問して、自分たちの目と身体で日本の森林の現状について学ぶうちに、植えるだけではだめで、人間が植えたものは人間が手入れをしていかなければならないこと、山の人工林では間伐ができないことが問題となっていること、今の時点では植えるよりも伐る方が大事であるということを理解していく。
 さらに、理解は伐るだけではなくそれを活用することが大事というところまで進む。そこで間伐材を使ったものづくりにも取り組む。加子母のヒノキの薄板を編み合わせた団扇キットに、彼女たちのアイデアで色紙で縁取りをすることで、とてもおしゃれな団扇を考え出した。さらに間伐材でベンチを作って学校の近くの駅に置いて使ってもらおうということで、木工にもチャレンジしている。

 研究発表では時々に出会ったオトナたちの印象深い姿や言葉に学びながら、それをけっして借り物でない自分たちの言葉として表現していた。その堂々とした発表に会場一堂たいへんな感銘を受けた。
 彼女たちの最後のメッセージが「木友(こども)になろう」だ。木と友だちになろう、ということと、子どものココロを忘れない、ということだ。そして、森林を大切にする気持ちをもちながら「かっこいいオトナになっていきましょう」と結ばれた。

 あなたたちこそ、かっこいい高校生である。あなたたちは自分たちのことを普通の高校生と思っているにちがいないが、けっしてそうではない。すばらしい学びの力をもったずばぬけた高校生だ。

 そして、彼女たちのメッセージはオトナに対しては「あなたはかっこいいオトナですか?」と厳しく問いただすものだ。私は背筋が伸びる思いがした。本当に大事なことを理解していますか?本当に大事なことだけを実践していますか?漫然と過ごして私たちの世代の未来を奪うことになっていませんか?・・・私たちは彼女たちとともに「かっこいいオトナ」に近づくべく日々精進を重ねる他はない。
 私は報告会の最後に講評を頼まれ壇上にあがったが、彼女たちに感謝の言葉を述べるのがせいいっぱいだった。名城大附属高校の山西先生に協力して、彼女たちの学びの環境をつくるお手伝いができ、その成長の現場に居合わせることができたことに、教育者として幸せな気持ちでいっぱいである。





コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12月12日魂の再生に出会う | トップ | 21世紀型縄文竪穴式住居 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございました (ヤマ虫)
2008-12-07 10:49:00
遠いところありがとうございました。皆さんの協力がなかったら多分報告会どころか体験的なこともほとんどできないことだらけでした。あのこたちも、感謝していると思います。まだ卒業までありますからもう少し一緒にがんばります~。
返信する
リオの環境サミット (樹子)
2008-12-09 07:04:25
あの時 12才だった セヴァン カリス=スズキ の伝説のスピーチの
次の章を 読んでいる気がしました。

返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事