あやし小児科医院 第2ホームページ

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注射でないインフルエンザワクチン「フルミスト」

2015-10-20 11:36:15 | Weblog

フルミストとは、鼻腔に噴霧するタイプのインフルエンザ生ワクチンです。

弱毒化させたインフルエンザウイルスを 鼻腔内に投与し、インフルエンザ疑似感染状態をつくることにより免疫が得られます。

不活化ワクチンで得られる血液の抗体に加え、ウイルスの侵入口である鼻腔局所の免疫も得られるため、発病予防効果がより高くなります。

2003年に米国で認可され、10年以上の安全な使用実績があり、2011年からは欧州でも認可されています。

日本ではまだ無認可ですが、2年後に承認される予定です。

 

 

◆不活化ワクチンとの違いは?

 

フルミスト

                                                                       

対象年齢     2歳以上50歳未満

 
投与方法      鼻腔内に噴射

効果の持続    1シーズン                

成 分        4価(A型2株、B型2株) 

接種回数         1回
           (過去の1回もインフルエンザワクチンを受けた事が無い方は2回)

       

 

                   
不活化ワクチン

対象年齢     6ヶ月以上

投与方法      注射

効果の持続    4ヶ月程度

成分        4価(A型2株、B型2株)

接種回数    12歳以下は2回   13歳以上は1回
 


フルミストは不活化のインフルエンザワクチンに比べて

 1、発症予防効果が高い

 2、効果の持続が長い

 3、注射ではないので痛くない


という点で優れています。

 


◆フルミストを接種できない方

 1、2歳未満、50歳以上の方

 2、5歳未満で喘鳴の既往がある方、1年以内に喘息発作を起こした方

 3、慢性疾患のある方(心疾患、腎疾患、糖尿病など)

 4、インフルエンザワクチンの成分(鶏卵、ゲンタマイシン、ゼラチン、アルギニン)に対して重度のアレルギーがある方(これは不活化ワクチンも同じ)

 5、妊娠している方(不活化ワクチンは可)

 6、免疫不全の方や、免疫不全の方のお世話をする方(不活化ワクチンは可)

 7、接種時にお子さんが激しく泣いてしまうと、ワクチンがうまく鼻腔に入らず効果が弱まってしまうため接種できない場合があります。

  

◆フルミストの副反応について

 副反応として最も一般的なものが鼻水・鼻づまり・頭痛・発熱などの風邪症状ですが、重篤な副反応の報告はありません。

その他のアレルギー反応など、通常のインフルエンザワクチンと同様の副反応が起こる可能性があります。ただし頻度は非常に少ないとされています。

 

◆そのほか

 1、既に個人輸入でフルミストを使用している医療機関もありますが、日本では未承認のワクチンのため、万が一重篤な副反応が生じた場合医薬品副作用被害者救済制度が適用されません。また出荷・入荷が不安定で、予約した日までに(理由不明で)届かないという事態が頻発しています。

 2、受験生などで効果を確実にしたい場合は、不活化インフルエンザワクチン接種後28日以上経過後、フルミストも接種することが可能です。

 3.フルミストは英語だとFlumist。 発音は「ル」にアクセントがあって、「フルーミスト」となります。

 4.料金 1回で8000円前後になりそうです。