安芸太田町加計の「かけはし」で、広島市東区のバイシクルネコモト主催、「TREK・FISHER ロード デモライドツアー」が開かれました。全国14会場を回るTREKとFISHER最新バイクの試乗会ですが、朝からあいにくの雨。
ですが午前10時、雨の中井仁の棚田方面を回る20キロのツーリング隊が出発。
このほかもっと緩やかで短いコースを回るショートツーリングも午前午後とひらかれ、こちらはカップルや家族連れが参加していました。
みんな楽しそう。ワシも参加にしとけばよかったかなと、ちょっと後悔。
いやいや、今回私はボランティアでイベントＭＣ（といってもちょっとだけ）役と、「日曜銀輪倶楽部」の取材という任務があったのでした。何しろメーカーの人に直接話が聞ける機会なんてそうそうありませんから。
さてさて、TREKとFISHERの最新バイクの中からピックアップです。
こちらはかのランス・アームストロングが所属する「TEAM RadioShack」のレプリカモデル。
こちらは展示のみ。とそしてその隣にもう一台・・・。
トライアスロン、タイムトライアル専用バイク、世界で最も進化した空力性能を誇る「Speed Concept」。
マドン６．９がロードバイクのフェラーリだとしたら、間違いなくコイツはF1でしょう。
ボトルに小物入れも当然エアロ形状。
ケーブルやブレーキアーチも完全に隠れています。
このカーボンホイール、実はよくある楔形の断面ではなく、やや紡錘形をしています。つまり中ほどが膨らんでいるわけ。ホイールの後半分の空力を考えた結果こうなったとか。
そのほか会場には20万円クラスのエントリーモデルから電動デュラ装備の120万円以上のモデルまで展示。
当然大先生はこのときとばかり乗り倒しました。
車も少なく、適度なアップダウンが試せる1キロほどの周回コースで試乗。
ベテランライダーからドロップハンドルはじめてという若い女性まで皆さん乗り心地を楽しんでいました。
で、大先生的ベストセレクションはこちら。
FISHERのCRONUS PRO。
MADONE6.9のようにガンガン加速する興奮はないものの、落ち着いた大人のマシンって感じ。本当に乗り心地が良く、操安性が高く、ツーリングには絶対コイツだと確信しました。
TREKのスタッフ、田中さんはゲイリー・フィッシャーと話したことがあるんだそうで、そのときフィッシャー氏は
「君はツールに出るのか？」
と聞いたそうです。これこそがフィッシャーのバイク思想なんでしょう。
アルテグラ装備で45万円。鎮まれ物欲。
それともうひとつ、今回皆さんチャレンジしていたのが「PowerTap」という計測システム。これは従来の速度、距離、心拍数、ケイデンスなどと違い、ライダーのパワーを「仕事量（単位ワット）」で表示するというもの。
自転車は常にパワーをかけ続ける必要はなく、例えばある程度のスピードに乗りさえすれば、惰力+αの小さな力で巡航することが可能です。したがって「今日は150キロ走ったからいいトレーニングになった」とは言い切れない。仮にそれをこのシステムで計測したら、平均ワット数は驚くほど低かったりするんだそうです。したがって思ったより「仕事してないじゃん」というわけ。これを使えばより効率的なトレーニングが可能になるということです。
僕の知り合いの中でも最もパワフルな脚を誇るケンちゃんのチャレンジ。
ハラッさんの記録を塗り替える929ワット。これ実際にやってみるとわかりますが、500ワット以上となると本当にキツイんです。これはフラットペダルでの記録。このあと彼はビンディング着用で1000ワットを超える大記録をたたき出しました。すげえ。
こちらが表示部。普通のワイヤレスメーターとかわりません。
センサーはこのハブに仕込まれています。もちろん速度、ケイデンスも測れます。お値段19万円也。
後半には雨も上がり、なんと青空までのぞくという奇跡の好天。午後4時までにぎわいました。スポーツバイクはほとんどカタログ販売というのが実情です。こんな風に実際に試乗できるというのは本当にありがたいものです。春には「第1回広島自転車試乗会」も開かれましたし、今後はこうしたイベントがますます広がってゆくでしょう。加計のこの会場は敷地も広く、試乗コースにも恵まれていてとても良かった。スマートICもありますしね。ゆくゆく地元商工会も巻き込んで、出店や神楽ステージなど多彩な行事が楽しめる「広島自転車まつり」みたいな一大イベントに育つとよいなと思います。
ところで、後片付けまで居残った者の特権。
Speed Concept、触っちゃった～。めちゃ軽ー。
ネコちゃんはじめスタッフの皆様、お世話になりました。
TREK Japanの田中様、パールイズミの山崎様、取材へのご協力ありがとうございました。
