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■「日本の生保業界の真実」=第127回=■

2008年12月13日 | 保険
12月13日(金) 訪問者数535人(閲覧者数1,238人)<追記あり>

■ 「自動車3社救済案否決か?株価暴落!円は90円割れ寸前!

● どうやら、世界経済もだが、日本も相当厳しい状況になってきた。「ソルベンシー・マージン比率 ストレステスト」で試算した結果は、あくまでも20年9月末の経済指標を基準としたが、「株価は11,259円、為替は米ドル103.57円、ユーロ149.05円」である。
 あえて説明するまでもなく、現在の金融情勢が12月末まで続くと「ソルベンシー・マージン比率」はいくらになるかを試算したのが「ストレステスト」だが、間違いなく現状は、「ストレステスト②あるいは極めて③」に極めて近い状況だ。
 もちろんこれでは売るに売れないがんじがらめの状態が続き、資金調達競争になることは間違いないが、これも早めに手当てしないとずるずると12月末を迎えると「破綻前の売却が待ったなし」になる保険会社が絞り出されてくることになる。
 
● またあえて付け加えると「銀行窓販の個人年金保険」を中心に販売してきた生保は、「ソルベンシー・マージン比率」の「最低保証リスク相当」の穴埋めのためにその親会社はそれ相当の資金準備を余儀なくされることになる。
 この資産運用環境下では、撤退する個人年金保険専門生保が出てきても何らおかしくない状況だ。少なくとも資金投入がうまくいかなかったり中途半端なところは12月末、続く3月末の決算で「ソルベンシー・マージン比率」が暴落する可能性がある。当然、売り止めファンドが相次ぐことにもなりかねない。


■ 「三井生命」600億円の増資ほぼ決まりどうにか安全圏に!

● 株転後の上場を延期している「三井生命」だが、はっきり言えば上場どころではないのが経営体力の低下だった。特に有価証券評価損の「ソルベンシー・マージン比率」に対する影響は大きく、もし何もしない場合は「S・M比率」のストレステストでは「①500.3%、②362.7%」さらに「③のケースでは225.0%」と試算された。
 もちろん”年内”600億円の増資でとりあえずは、②・③からは脱却できる模様だ。ここで肝心なことは「年内」に実施が条件と言うことだ。確かに20年度上半期決算(業績報告)が済んだばかりの状況から、つい21年3月の本決算に的が絞られたかのように思われがちだが、その前に12月末の「第3四半期決算(業績報告)」が待ち受けているのだ。

● 今回はたまたま「三井生命」を取り上げたが、実は「ストレステスト③」では、500%に満たない生保が資産規模上位20社のうち、驚くことに7社も出てくることになる。もちろん”500%”は安全圏と言いたいところだが、現実に「大和生命やそれ以前の破綻生保」でも200%以上で実際破綻してしまった。
 もちろんそうならないためにも「緊急な増資」は必至だが、もし、現状以上の金融情勢悪化となった場合には、これらの「S・M比率」が前倒しに発表される事態になりかねない。

● 諸事情でこの「ソルベンシー・マージン比率のストレステスト一覧」は発表を控えたが、近々「保険・かわら版」として公にすることにした。但し、これらの数字だけを見るのではなく「算出基準とその諸条件」を理解した上で参考にしていただきたい。(「保険・かわら版/決算特集号」購読者の方にも発行。)

■ 「富士火災」が、第三者割当による増資と自己株式消却!

● 市場が閉まった18:00に発表された。もちろん、第三者割当増資も自己株式消却も珍しいことではないが、これでAIG傘下に”完全”になったということと、AIGの日本における経営の方向性がはっきりしたとも言うことが出来る。
 しかも「AIU保険」がこれまでの株式保有2.18%から10.36%保有となり、株主第3位となることで存在感を増した。これで、AIG関連企業が保有する富士火災の株式は41.56%となる。筆頭株主は「オリックス」(20.02%)だが、当然のことながらAIGとの良好な関係を考えると、2社(グループ)で、61.58%の株式を保有することになる。

● これによる富士火災の株価がどう動くか興味深いところだが、これまでAIG問題の影響を受けてやや売られ気味だった株価が戻すのか、あるいはまだ先が見えにくいAIG問題により無反応かは不明だ。
 ただ、少々うがった見方をすると、発行価額135円で「AIU保険」の払込日が21年1月20日ということから、ひょっとしたら濡れ手で粟ということになるかも知れない。とにかく明日の株価次第だ。

● 12日の株価を注目していたが前場終値近くで「富士火災は141円のー4円、AIGは165円のー8円」だった。地合も悪かったが、結局好材料にはならなかったことになる。

■ 「東京海上HD,三井住友海上GH、日本生命、第一生命」など続々「アリコ」買収候補の名前が・・・!

● 「フジサンケイアイ」によると、「アリコ」の買収候補としてこのような記事が書かれている。

「国内勢では、海外展開を積極化している損保最大手の東京海上ホールディングス、2位の三井住友海上グループホールディングスなどが守秘義務契約を結ぶ意向を固めた。このほか、生保大手の日本生命保険、第一生命保険なども資料の検討に向けて仲介する投資銀行と折衝を進めている。」

● さすがにここまでくると、実際に買収しようという熱意よりも「とにかく参加しておきたい」というオリンピック精神に近いものを感じる。しかも「アリコ買収」の記事の多くが、「アリコジャパン」の保険料等収入などの規模面を強調するが、その維持には「銀行窓販の個人年金保険」の信用回復が絶対条件だ。
 ところで、一度は消えかけた「中国CIC」だが、もし49%の株式保有で1兆円を出す条件なら、これがAIGからするともっとも好条件に思えるがどうか。 

● このような売却先候補がぞろぞろ出始めたことで、アリコの一部には安心感が出始めているらしいが、M&Aは最終的な契約が締結するまでは気をゆるめるのは早計だ。しかも営業員や代理店は買収先がどこに決まってもそう大きな影響はないが、管理職は相手如何では自分の人生が大きく変わる可能性が出てくる。このままの丸ごとが期待できるのは「中国CIC」の条件だが、果たしてどうなる?

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12月11日(木) 訪問者数550人(閲覧者数1,220人)

■ AIG株が再度売られた理由!

● 昨日も少し触れたが、どうにか日本に関する生保3社の売却の具体的な話題が出始めたことで、昨日のNY市場でのAIG株が値下がりはないだろう、と思っていたところが、1.75㌦と9%強安で引けた。余り深くは考えていなかったが、今日の「日経新聞」の夕刊の「ウォール街」のコラムで、その下げた理由が分かった。「ウォールストリート・ジャーナルが、AIGは開示されていない投機的な取引に絡む約百億㌦(9300億円)の債務を他の大手に対して抱えている」と報じたことだ。
 これに対し、AIG側は「損失や債務ではなく必要な金額の最大値を示している」と反論したが、「状況次第では巨額の資金流出につながりかねないことには変わりない。」と記事にはあり、この不安感が株安の原因となったようだ。

● 今日の東証でも下げていることから、今夜のNY市場が気になるところだが、何がAIGの好材料かが実に見えにくくなってきたのはまちがいあるまい。
 
■ AIG情報!AIG買収に「英プルーデンシャル・仏アクサ・米メットライフ・中国CIC」が買収の意向を示す!
● 3生保の内、もっとも難航すると思われていた「アリコ」の買収候補4社が明らかとなった。この内「英プルーデンシャル・仏アクサ」は、「保険・かわら版=第66号=(20年8月10日発行)」の時点から、「買収候補保険会社」として名前をリストアップしてきた保険会社だ。
 「中国CIC」は、今回も一部買収となる最大49%までの株式保有ということらしいことから、その真意は読み取りにくい。意外だったのは「米メットライフ」だ。むしろ同じ米国保険会社なら「米プルデンシャル」と読んでいたが、やはり「三井住友海上」と立ち上げた「三井住友メットライフ生命」(三井住友海上51%、メットライフ49%の株式保有)関係からの日本の生保事情に詳しくなったことも背景にあるのかも知れない。

● もっとも直近の「保険・かわら版=第71号=(3生保、年内タイムリミット?!)」では、「米プルデンシャル」を可能性30%として解説したが、結局その中で「(米プルデンシャルの場合)問題山積のアリコ買収の実現!」とあえて3点を区切りを入れて解説を加えたが、もし名乗りを上げないとなると、やはりこれらのことがネックとなったのか。
 ただ、いずれにしても生保3社の年内の見通しが立ったことで(もちろんまだ完全ではないが)一段落というところだか、問題は買収側の本気度だ。

● 「アリコ」買収候補現れるもAIG株は無反応!

● 「アリコ」などの具体的な資産売却のニュースが流れても、株価は無反応だ。もっとも、まだ端緒についたばかりで資産売却の実現にはまだ遠い道のりということが暗示されていることにもなる。現在、1.76㌦という株価だ。

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12月10日(水) 訪問者数537人(閲覧者数1,159人)

■ AIG情報!AIGエドワード・リディCEO、佐藤隆文長官と会談。 AIGスター&AIGエジソンの買収に「マニュライフ」も買収意向!

● AIGに関して、この2つのニュースが流れた。まず、リディCEOと佐藤長官の会談だが、これは「朝日新聞」がわずか9行で報じている。ところが、その中身については「AIGの経営再建策などを説明した」とだけある。確かにこのように書くとどんな内容でも含まれることになるが、やはり「謝罪」がメインと取るのが常識だろう。下手したら極めてヤバイ状況だったのだから、致し方ないことだ。

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12月9日(火) 訪問者数589人(閲覧者数1,325人)

■ 金融庁検査が長期化か?「ハートフォード生命、マニュライフ生命、三井生命 ?!


12月8日(月) 訪問者数538人(閲覧者数1,200人)

■ 何とも意味不明な”AIG絡み”の記事?!

● 「フジサンケイビジネスアイ」に、このような記事が掲載された。確か会長の給料は「1㌦」になったが、「一部の上級管理職」は記事にあるような残留手当を貰えるという。では、一般の社員はどうなるのか?
 何回読んでも意味が分からない。
 
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AIGに残って良かった? 130人に残留手当 (2008/12/6)

 米保険大手AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)は近く残留手当の支給を開始し、一部の上級管理職は給与の倍額を受け取る見通しだ。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。
 同社は、公的資本注入による救済を受け、議会からボーナスや特別手当について非難されている。
 今回の手当の対象者130人の一部は、2009年いっぱい同社に残ることと引き換えに50万ドル(約4600万円)超と、現行給与の約200%の金額を受け取る。同関係者は、非公開の情報であるとして匿名で語った。より低賃金の従業員の一部にも、残留に伴う手当が支給されるという。
 ジェームズ・F・レダ・アンド・アソシエーツのシニアコンサルタント、デービッド・シュミット氏は「従業員を引き留める上で必要な額を超えていると思う」とし、「転職先がないのに、どこに流出するというのか」と述べた。
 AIGは9月にSEC(米証券取引委員会)に提出した文書で今回の現金支給計画を開示したが、対象者の大半が受け取る見込み額には触れていない。関係者によれば、管理職の大半は、2回に分けて支給される今回の手当の初回分を今月末に受け取る。(Hugh Son)

フジサンケイビジネスアイ
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12月5日(金) 訪問者数549人(閲覧者数1,207人)

■ 「日経VS朝日」の様相を呈してきた「AIGスター&AIGエジソン」買収問題!

● 「AIGスター&AIGエジソン」の買収候補として、12月3日に「日経新聞」が「ジブラルタ生命」が名乗りをあげたと報道をしたところ、翌4日には「朝日新聞」が「T&Dが名乗り」と報道した。
 ところが、今日の「日経新聞」には、「金週末を予定していた入札〆切を延期」と「現時点での応札はジブラルタ生命のみ」とある。
 そして「入札延期」の理由としては、「AIGが、2社の詳細な財務内容などの目論見書の査定に時間がかかることなどから、延期したもようだ。」とある。

● 注目すべきは「入札締め切り日」だ。4日の「朝日新聞」では、「来週末にも1次入札が行われる予定」とあり、今日の「日経新聞」の「今週末の〆切が来週末に延期になった」とは明らかに異なる内容だ。
 さらに「朝日新聞」は、「ほかにも国内損保大手や欧米の保険会社数社が関心を示している」とあるも、「日経新聞」にはこの点については一切触れていない。
 
● このような展開になると、各紙のニュースソースが気になるところだ。もちろん「朝日新聞」は、日本のAIGに好意的な記事が多いことから、その出所は容易に想像が付く。ただ、記事に思わせぶりの部分があり、これはオーバーランだ。例えば4日の記事でも「国内大手損保や欧米の保険会社数社が関心を示し」とあるが、これが売却発表のころなら通用する書き方でも、ここに来ての書き方としてはやや不適切だ。
 素直に読むと、国内大手損保とは「東京海上火災や三井住友海上」などを指すことになるが、本命はやはり「東京海上火災」だろう。それに欧米の保険会社数社だが、”数社”という基準を5,6社とみると、果たしてそれだけの保険会社が名乗りを上げられるのかと素朴な疑問を抱く。どんなに踏ん張っても2,3社がいいところだ。

● ナーバスな問題なのでこれ以上は書かないが、やはり新聞は事実を正確に記事にすべきであり、読者に先入観を与えるような記事の書き方は止めるべきだ。もっとも一番驚いているのは、大々的に報じられた「T&D」だったりして。

■ 「混沌としてきたAIGの行方」!

● どうにか2ドル台に乗ったと思われたAIG株だったが、再度4日は1ドル台に舞い戻る様子だ。
 更に過日報道された「中国、AIGに出資」のニュースを覆すニュースが入ってきた。それは「CIC」は、「07年、米証券大手モルガンスタンレーに50億ドル、世界最大の米プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社ブラックストーン・グループに30億ドルをそれぞれ投資した。しかし、購入後にモルガン株は77%、ブラックストーン株は85%それぞれ下落し、多額の損失を出している。」いることから、外国の投資は凍結するというものだ。
 もちろんこのことがどこまでを指すかは不明だが、双でなくとも株式49%までの投資というのには疑問が残る投資条件だった。

● さて、もう一つのAIG関連ニュースは、この米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)のニュースだ。
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 AIGの事業再編の責任者であるポーラ・レイノルズ氏は、同紙とのインタビューで、公的融資は返済されなければならないと言明。そのために「AIGの解体が必要なら、そうすることになる」との考えを示した。
 同紙によると、1500億ドル(約14兆250億円)超の支援策を受けたAIGは公的融資返済のため、事業全体の約3分の2の売却を進めている。同社は9月に政府の緊急救済措置を受けた。
 AIGのリディCEO(最高経営責任者)は同紙に対し、大半の部門売却は2年以内に実施されると説明した。
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 つまり、AIGの資産をすべて売却のシナリオだ。となると、損保事業で再興を図るAIG復活のシナリオは頓挫することになる。しかし、実名でのコメントだけに妙に説得力がある。

■ AIGの株価は1.84㌦が終値だった。

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