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なおしのお薦め本(6)男気万字固めa

 小川なおしさんから、お薦め本が届いています。文字数の関係で2回投稿します。

 『男気万字固め』

              吉田 豪

  名インタビュアーの著者が、山城新伍、ガッツ石松、張本勲、小林亜星、さいとう・たかお、という五人の豪傑から話を聞きだした2001年刊行の単行本が、やっと文庫になりました。文庫化にあたって、本宮ひろ志との対談を追加し、解説代わりに乙武洋匡とも対談する豪華版。単行本の三割り増しのページ数です。

 著者は対談に先立って、資料集めを念入りにします。

 まず対談相手の著作をできるだけ集め、さらに雑誌の発言までチェックします。その他にも、家族や関係者の本、本人のレコードなど、手に入るものはなんでも入手しておきます。もう、その人のファンとしか言いようほど資料を集めて、それを頭に入れて対談するのです。

 ですから、相手も話しやすくなるのでしょう、普段は言わないようなことまで喋ってしまいます。「あまりに喋り過ぎた」ということで原稿チェックの際に削除を求める相手もいるそうですが、ここに登場するのはみなツワモノで、ほとんどそれもなし。ということで、著者の満足する対談だけが活字化された、このうえない対談本と言えます。

 数々の名言があるので、引用します。

 ガッツ石松

 「人間は苦しくなると必ず楽しかったことを思い出すじゃない? 逆なのよ。苦しいときこそ、もっと苦しかったことを思い出せば、いまの苦しさなんてなんともないの」

 張本勲

 「毎日300回素振りするんですよ。ところが、それまでは一本一本を必死に振ってたのをサッサと振って、それで遊び呆けてたの。一年棒に振ったら取り返すのに一年かかるんだよね。キッチリやれば素振りは2時間ぐらいかかるけど、『頭の悪い自分がこれだけ練習しとるんだから、頭のいい相手はもっとやってる』という気持ちになるのよ」

 「プロなら絶対、練習は見せたら駄目だし、球場に子供連れて来たり、子供と一緒にテレビ出たりするもんじゃない。裏面のものは見せずに、何気なくサラリとプレイするところに感銘があってね。『あんなプレイよくできるなぁ』って言われるけど、それは死ぬほど努力しとるの。だから、私のもう一つの人生哲学に『これほどの努力を人は運と言う』というのがあってね。『お前、運がいいやっちゃなぁ』って言われるけど、『死ぬまで俺は努力しとるんや、それをお前ら知らんのや』、と。まあ、知らんでいいんですけどね」

 小林亜星

 「感心させるのは、割と簡単なんですよね。勉強すれば人が感心するようなこと、いくらでも書けるけど、感動は勉強だけじゃできないから。右脳の方だから」

 さいとう・たかを

 「科学文明というのは便利になろうということでしょ。便利になるっていうことは、必ずそれに対する歪みが起こるはずです。便利にするっていうことは、つまり無理をするっちゅうことですから。無理をすると何か必ず歪みが起こります。その歪みが膨らんできたときには、遂に人間はその歪みにイジメられることになりますね」

 「バブルの頃、株の話を随分されましたよ。株やらないとバカみたいに言われて。あの頃に私は『私は博打に興味ないから』とよく言ったんですけど、『株は博打じゃないですよ!』なんて言われました。『これ博打と思ってないの、あんた!?』って不思議な気がしたけど。あれが博打でないなら何が博打なの(笑)」

 「のめり込んだら必ずエネルギー使いますから、そのエネルギーが勿体無いでしょ」

 「もし何かあって私が死んだとします。そうすると、その後のことは私の知らんことでしょ。だから、『後のことなんか知るか!』と(笑)。もうどうされたってかまわない。例えば、私は自分の死体をそれこそ道路に放ったらかされてもかまわないという考え方ですからね」

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