天地否。
易の卦の一つである。
天の気が上にあり、地の気が下にあり、上下の気が互いに交わることはない。
言い換えれば「地よ、おまえはおまえで下に行け、俺は俺で上に行く。」
こんな状態が易の天地否の意味なのである。
さて、これが政治経済の世界で起こるとどうなるか?
「俺らたらふく食ってるぞ、おまえら勝手に飢えて死ね。」
と、こうなる。
そうなったら大変だ。
秘密警察はトップに民情を報告せず、正規軍は正規軍で規律が乱れる。
そんなときに反乱の火種を投げ込めば、クーデターは必至である。
歴史をひもとくに人民革命とやらが起こった試しは皆無であり、大体が野心ある軍閥のトップが指揮したクーデターしかなくて、新政権樹立後には、必ず反革命対策や干渉戦争対策と称して、怠け者や乱を好むもの、そして病弱者たちへの粛清が始まるのであるから、くわばらくわばらである。
実際問題、上級国民と呼ばれる人たちのスキャンダルがサーカスとなっているうちはまだいいが、稼働世代の失業がバンバン増えて、大多数の民が後ろめたくない銭でまっとうな飯が食えない時代が来たら、もうワンラ(一巻の終わ)だ。
そうならないことを祈る。
ちなみにこれが人体に起こると、いわゆる心腎不交と呼ばれる状態になる。
気をつけられよ。