パンドラの箱を開けるとちむがいた

書くスピード早いですが、誤字脱字多し。

29冊目

2006-06-30 21:23:17 | Weblog
◎29「トヨタ流英語上達術」スティーブ・モリヤマ、2005、ソフトバンクパブリッシング



感想:
「トヨタ流」が目に付いて読んでしまいましたが、内容はよかったです。
英語というよりも、トヨタの拠点長クラスの人の異文化体験の本として
読んだほうが良いと思います。

外国人は絶対に謝らないとか、米国でも東部出身のエリート層は、YES NO
で答えるような話し方ではなく、婉曲的な話し方をすること(直接的に話すのは
下に見られる)、トヨタウェイが外国人には伝わらないこと、
現地でよい人材はなかなか取れないが、タイとかはトップ大学の学生も
トヨタに入社するようになって来たとか、トヨタの仕事を通じて世界が広がる感じがして、
ぼくもトヨタに入社したいなと思わすような密度の濃い内容でした。

英語上達については、英語を使わざるを得ない状況に追い込み(追い込まれ)、愚直に
勉強することとあり、あまり参考になりません。

筆者は名前からして日系人のようですが、実は生粋の日本人で、
スティーブはペンネームですので騙されないように。

異文化コミュニケーションを知りたい人、トヨタに興味のある学生等にお勧めです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

28冊目

2006-06-28 23:11:13 | Weblog
☆28「図解雑学発達心理学」山下富美代編著、2002、ナツメ社



感想:
初めて出ました「買っても損はない」レベル。図解雑学とあるので、
本当に雑学レベルかと思いきや中身は非常に硬派。左ページでは
学説の解説、右ページにその挿絵があり、やさしく解説している
体裁を取っています。

この本は人生のロードマップを見ているようで、乳児から老年まで、
過去現在未来が整理されており、大変分かりやすくなっています。
子どもとのスキンシップや、乳幼児の環境が、その後の人生に大きく
影響することがよくわかりました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

27冊目

2006-06-25 17:56:52 | Weblog
○27「なぜか思考停止するリーダー」山中英嗣、2006、総合法令



感想:
本書は筆者が見てきたMBAホルダー1000人でも出来る人とできない人がいて、
できない人はなぜできないのかに焦点を当てた珍しいタイプの本です。

①仕事においては、問題が一般的なのか、新しいタイプの例外的な問題なのか
 の見極めが必要。例外的というのはほとんどない。例外的を多く作ると
 場当たり的な判断になる。
②1、ロジカルシンキング(意思決定するための頭脳・思考力)
 2、経営の原理原則・MBA(戦略部分、基本知識)
 3、経験(戦術部分、業界・専門情報)
 4、対人力(実行部分、ヒューマンスキル)
 が必要
③謙虚でいる方法:成功しても反省し、改善の方法を考える
④自分に厳しく他人に厳しくだと、どうしても他人に厳しくなりがちなので、
 「自分に厳しく」だけでよい

等が参考になったところです。また、時間がたってから読み返す価値のある一冊です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

26冊目

2006-06-25 08:22:39 | Weblog
○26「できる上司は部下のどこを見ているのか」渋谷昌三、2003、大和書房



感想:
部下を持っていないので、実感はわきませんでしたが、上司と部下の関係に
ついて分かりやすく、具体例を挙げて書いてありました。

筆者が繰り返し言っているのがどの部下に対しても「公平で公正」。
これが大前提で話が展開されています。確かに、これが崩れては、
部下も信用して上司について行くことができません。
それから、部下への気配り(観察と声かけ)。

部下が出来たときには是非読み返す必要がある本です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

25冊目(目標の4分の1です)

2006-06-24 08:35:52 | Weblog
△25「下流社会」三浦展、2005、光文社新書

感想:
×か△かで迷いましたが、参考になったので、△にしました。
本書は、ほとんどが上流、中流、下流の人たちの意識調査で占められており、
最後の最後にようやく筆者の意見が出てくるといった構成で、基本的に
グラフや表の説明に終始しています。

面白そうなグラフがあったらその解説を読むといった感じでした。
特に面白かったのは、下流の女性は「歌ったり踊ったり」してすごして
いる人が多いとか、年収700万円以上から上流意識を持ち始めるとか、
上流の人ほど、スポーツとか、健康に気を使ったりして、下流の人ほど
だらだらすごしているとか、下流のキーワードは3P(パソコン、ページャー=携帯電話、
プレイステーション)+2P(ペットボトル、ポテトチップス)だとかいった
ことが面白かったです。ただ調査のサンプル数が少ないのが少し残念です。

筆者の主張である、下流社会の固定化を避けるため施策(国立大学の無料化等)
は正論だと思います。

もう少し、グラフや表の解説以外のことも書いてほしかったです。






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

24冊目

2006-06-21 22:43:21 | Weblog
△24「面白いほどよくわかる現代思想のすべて」湯浅赳男、2002、日本文芸社

感想:
○か△で迷いましたが、筆者のかなりうっとうしい主張が散りばめられていたので、
△にしました。大学の先生らしいですが、筆がすべり過ぎており、嫌悪感さえ
感じます。

内容は分かり易いような分かり難いような挿絵がついており、初学者でも
わかるように努力した跡がありますが、何分主張が鼻に付くので、初学者にはお勧め
できません。

本書は、現代哲学をドイツとフランスの二つの哲学で表現しています。
東大の仏文出身らしく、特にフランスについては詳しく書いてあります。
また「思想ファッション」書いていますが、こんな言葉を使って哲学を解説した
本など見たことないので、おそらく筆者が一流の表現と思って使っているのでしょう。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

23冊目

2006-06-18 22:31:08 | Weblog
○23「決断力」羽生善治、2005、角川書店



感想:
羽生さんのすごい集中力と、柔軟な思考、将棋の醍醐味がよくわかりました。
話を無理やりビジネスの話に結びつけているところが気になりましたが、
その他はよかったです。

羽生さんは将棋というか、こういうゲームが好きで、朝鮮や中国の将棋も指せる
そうです。またチェスでは日本でも有数の強豪選手だそうです。

本書は、そういう羽生さんのこともさることながら、将棋界のことがよくわかり、
大変興味深かったです。戦型とよばれる「型」(「矢倉」とかいろいろたくさんある)
とか、最先端の戦型は新人がよく研究していて、羽生さんでもすべて体得することは
難しいとか、最近の将棋は序盤から勝負が始まっており、序盤、中盤でほとんど
その対局の結果が決まり、終盤は研究されつくされて結論が見えるとか、竜王と
名人というタイトルは別格とか。加藤一二三先生は変人だとか。

とにかく、将棋の魅力が文面から溢れ出ており、思わず日本将棋連盟のHPで
棋士のことを調べたりしてしまいました。以前、「聖の青春」という
村山聖(さとし)8段の本を読んで、えらく感動した覚えがありますが、
(聖は病気で29歳で志半ばで亡くなってしまった)将棋というのは、
純粋さというのか、将棋に対する謙虚な心みたいなものがよくわかり、すごく魅力的に思います。

また奨励会という、将棋のプロ養成期間で、26歳までに4段を取得しないとプロに
なれないという厳しい規則が悲劇的で、将棋の世界を味のあるものにしていると思います。
(奨励会については「聖の青春」で詳しく書いているます。全国から将棋の天才
と呼ばれている子どもが集まり、自分よりも強い相手がいることにショックをうけます。
そして、限界を感じた人や実力の無い人は次々去って行きます)







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

道義的責任?

2006-06-16 01:55:06 | Weblog
日銀総裁が、村上ファンドに出資していた事実が明らかになり、
民主党や連合が辞任を求めているが、その理由が道義的責任。

この言葉、使いやすくて、よく政争に使われたり、トップを
追い落とそうとするマスコミがよく使う言葉です。

そもそも、日銀総裁として村上さんに有利な情報や状況を作り出したの
なら辞任して当然ですが、その事実は今のところありません。
また出資は日銀総裁になる前で、かつすでに出資を引き上げています。

福井さんの自己責任かつ、当時はこれほど有名になるとは考えられなかった
村上さんに出資し(つまりすごいリスクを取った)、結果的に捕まった
あとで、その道義的責任を追求するのはおかしい。出資者はその金額の範囲で責任を
取ればよいのだから、個人のレベルにまで、たとえ公職にあっても責任は
及ばないと考えるのが普通でしょう。

金融政策も大事な時期だし、下らない政争や報道はやめてほしいものです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

児童手当て

2006-06-14 23:34:53 | Weblog
少子化対策として児童手当ての増額バラマキが検討されています。
いくらになるかわかりませんが、金などばらまいても、少子化対策に
ならないのは誰が見てもあきらかでしょう。

月に10万円程度のばらまきなら生活も変わりますが、1万円~2万円程度もらっても
変わりません。外食の回数や、どうでも良い買い物に消えて行くだけです。
「児童手当増えたから子供つくろう」なんて気になると、本気で思っているのか、
不思議で仕方ありません。

そんな出産や、幼少のころに一時的に必要な金の心配ではなく、その後に
一番金のかかる、教育費の削減か補助を考えた方がよほど懸命です。
二人目の子が学生になったら二人とも授業料半額とか、親の年収によって
授業料を変えるとか、公立の学校教育で希望者には塾代わりになる中学入試や
高校入試の特訓コースを作るとか、公立保育園の待機児童をゼロにして共働きが
有利になるように税制も変えるとか。

思いついただけでもこれだけあります。いずれもせよ、金はいい意味でも悪い意味でも
無色透明なので、必ず「狙った効果からの漏れ」(例えば、児童手当として支給した
金でブランドバックを買うようなケース。)が発生するので、現金で支給するのは
効果的ではないと思います。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

22冊目

2006-06-13 21:29:20 | Weblog
◎22「クビ!論。」梅森浩一、2003、朝日新聞社



感想:
タイトルからして、下らない本だろうと思いましたが、良書でした。
「1000人クビにした」という下らない武勇伝ではありません。

外資系企業の考え方がよくわかり、筆者の「仕事に私情を挟まない」
考えにも賛成です。外資系企業の社員は「専門職」なので、仕事がなくなれば
やめていくのは当然だし、「プロ」なので、結果を残せない場合はやめて当然です。
(ただし、転職市場が発達していることが前提。筆者も言っていますが、ゼネラリスト
 として育ててきた40歳台の日系社員をクビにするのは問題あり)

以前、転職しようと考えていたときに「外資系に行くことは流浪の民になることだ」
と言われたことがありました。また、大卒の時の就職活動のときも「日系企業に入って
問題意識が出てから外資に転職しても遅くない。はじめから外資だと、
日系には転職できないし、日系では使いモノにならない」と言われ、外資を対象から
外しましたが、この本を読んでこれらの判断は正しかったと思いました。
ただ、外資でもメーカーは金融と違って、ドラスティックな解雇はしないみたいなの
で、外資メーカーは検討してもよかったかもしれません。

私は本書での筆者の主張には全く同感ですし、現在の会社で憤懣やるかたなく思っている
ことがばっさり切ってあり、スカッとしました。言っていることは外資一辺倒でもなく、
バランス感覚もあり、非常にまともです。ただ淡々と自分の役割課題をまっとうしたことが書いてあります。

本書は、働くとはどういうことで、仕事のプロとは何かを確認できる本としてお勧めです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする