パンドラの箱を開けるとちむがいた

書くスピード早いですが、誤字脱字多し。

63冊目~64冊目

2008-02-24 01:24:11 | Weblog
×63「会社の品格」小笹芳央、幻冬舎新書、2007
感想:
内容のレベルが低すぎて話しになりません。リクルートを止めてリンクアンドモチベーションとかいう、従業員のモチベーションに注目したコンサルの社長らしいですが、
内容がどこかで聞いたことのある話ばかりでつまらない。
実例もほとんどなく、下らないたとえ話ばかりで全く中身がありません。読んだ時間を返してほしい。

○64「20世紀この10年 1970S」ニックヤップ、ランダムハウス講談社、2007
感想:
写真とそのコメントでつづる1970年史です。テロやPOPなどのカテゴリー別に、写真があり、コメントがしてあります。
1970年代といえば、僕が生まれたときでもあるので、
そのときにこんなことがあったんだ、と思いにふけてしまいました。
僕の両親はこの時代に結婚して、今の僕の年ぐらいを過ごしていたのかと思うと、時代の移り変わりは速く、光陰矢のごとしという思いがしました。

番外編 「日本人はなぜなめられるのか」中山治、2001、洋泉社
感想:あまりに酷い内容なので、途中で読むのを止めましたが、
次の被害者が出たら気の毒なので、書いて残しておきます。
慶応出の精神科医らしいが、自分の精神を分析したほうが良い。
これほど日本人をバカよばわりするこいつは本当に日本人か?と疑わずにはいられない。
歴史的事実を、思い込みと自分の理論に無理やりこじつけようとするレベルの低い話が延々とされており、
一度過去の歴史をきちんと学んだ方が良い。

とにかく決め付けと貶しの連続で、発展的な提言はなし。
筆者のパラノイアと知識の浅はかさが遺憾なく発揮されています。まあ、こんな本を出版した洋泉社も、よく恥ずかしくないなと思う。


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新銀行東京の失敗

2008-02-21 01:23:33 | Weblog
新銀行東京という銀行に東京都が400億円の出資をするという。
また同時に融資で9000社が業績回復し、石原都知事はつぶすと都民に迷惑がかかるのでつぶせないと言っているらしい。

そもそも素人は金融に手を出してはいけないのである。
素人が思うほど簡単な商売ではない。
さて9000社は本当に新銀行の融資で復活したのだろうか。
多分違う。景気がたまたま回復したり、当然他の銀行からも借入しているので、新銀行だけの成果ではない。
また、追加出資する羽目になったことは、その分、潰れた会社もたくさんあるということだ。

つぶすと迷惑がかかるというロジックは、当時大きすぎてつぶせないといわれて公的資金を突っ込んだメガバンクになぞられる。あの時は世間から大変な批判を受けたものだ。

新銀行東京は、銀行の貸ししぶり、貸しはがしというのが、
マスゴミを中心に言われていたときに、信太郎の肝いりで作られたものだ。
また、ミドルマーケットで、中リスク中リターンを狙うとのことで、木村とかいう日銀出身の人も設立に関わっていたはず。木村氏も政策当局としてはプロだったが、実際に中小企業に対してカネを貸すことについては素人に過ぎない。

また、当時から、銀行を設立しないで、特別枠で信用保証協会付き貸し出しをしておけば、済むはずという議論があった。あえてそうせず、銀行を設立したのは、信太郎が単に銀行設立に粘着して、素人が駄々こねてやってみましたというレベルに過ぎない。それに、既存の銀行でも、特別にファンドを組んで中リスク中リターンを狙うことも出来る。
また、当時、銀行に外形標準課税をかけて、カネを巻き上げようとしていて、失敗している。その後、その訴訟に関わった都の幹部は左遷されているなど、銀行に対する信太郎のこだわりは並大抵のものではない。

当時から、周囲の銀行関係者は信太郎のスタンドプレーぐらいにしか思ってなく、多分失敗するなという冷ややかな視線で見ていた。だから、今回の出資はやはりなと思っているだろう。

失敗して400億も突っ込むのである。
この失敗に対して、都民は信太郎の責任を強く求めるべきだと思うし、個人の思い込みや思いいれで作った銀行は、
即、事業売却するか、期間を決めて廃止しないとダメになる。

まあ、信太郎は独善的素人なのでその辺の決断はできないでしょうが。





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60冊目~62冊目

2008-02-16 18:20:59 | Weblog
△「爆笑問題のふざけんな俺たち!!」爆笑問題、2005、集英社
感想:
週間プレイボーイに連載されていた爆笑問題のコーナーを集めた本です。2004~2005の話で、その時々の話題が書いてあり、「そーいえばこんなことあったな」と思って読んでいました。それにしても太田のほうは、結構本を読んでいて、
アーヴィングのことなどを話題にするなど、オタクぽい感じがしました。

◎「貧乏するにも程が有る」長山靖生、2008、光文社
感想:
主に夏目漱石、森鴎外、石川啄木、芥川龍之介など、明治~大正のころに活躍した文豪達がどのようにお金を使っていたか、また困っていたかを、事実に基づいて丁寧に解説した傑作です。この筆者は鶴見大学の歯学部卒の歯医者兼文芸評論家ですが、そこらの文芸評論家よりも切れ味がよくておもしろい。それによく勉強している。おもしろかったのが、漱石と塩原家との関係や、東大教授就任を目前に辞退して、朝日新聞社に入社しようとしたときの交渉の内容とその理由、もし、朝日新聞のほかにも、京都大学や慶応から声がかかっていて、もし、朝日でうまくいかなければ、京都大学の教授になっていた可能性が高い、石川啄木は小さいときからの贅沢癖が治らず、成人してからも家族を困らせては、なんとか文筆業で生計を立てようとしていたが、普通はもうちょっと汗水たらして働けよと思うことなど、おもしろいエピソードがたくさんありました。

◎「組織行動のまずい学」樋口晴彦、2006、祥伝社新書
感想:
ほんのささいなミス”から起きた重大事故、事件を徹底解剖
●JR西日本脱線事故の原因
●「ほんのちょっとしたこと」が積み重なると
●過去の教訓を忘れた日航と雪印
●アウトソーシングが引き起こした美浜原発事故
●「コンコルドの誤り」とは
●対応のタイミング松下電器と参天製薬の差
●相次ぐ不正経理事件は、なぜ起きる
●有能な社員ほどチェックせよ
●和歌山カレー事件と女子中学生のレポート
などが主な内容ですが、美浜原発の例、有能な社員ほどチェックしろなどがおもしろい。
雪印は過去に同じ中毒事故を起こしていたり、
松下と参天だと、ヒーターと目薬の回収のときの発表のタイミングが違い、大きく企業姿勢を問われたなど。
いわゆる失敗学のようなものですが、購入しても良いかもしれません。

これで62冊になり、昨年の62冊と並びました。
年間目標は80冊ですが、最初の目標が昨年以上なので、
一つ目の目標はクリアしました。次は63冊目、次に70冊目、最後に80冊目です。

残りのTOEICは3月に受けますがこれは目標には届きそうにありません。

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55冊目~59冊目

2008-02-08 22:17:27 | Weblog
○55「世間のウソ」日垣隆、2005、新潮新書
感想:
マスコミの一方的な報道に対して斜めから見たことを書いています。鳥インフルは大きく報道されすぎだとか、
中国の子どもの売買事件は読み解くと、地方で生まれた女の子で、
日本でも昔行われていた口減らしだとか、そういうことが書いてあります。
正直、好き嫌いが別れる作家で、僕も支持できるところとできないところがあり、
何とも言いがたい作家です。ただ、非常に頭はよく、東北大卒みたいです。

△56「航空機ファイナンスの諸問題」証券化問題研究班、関西大学政治経済研究所
感想:
プロジェクトファイナンスの手法を勉強しようと思ったが、
内容は損害保険論。タイトルと中身が違いすぎます。
この本のタイトルは「航空機損害保険の諸問題」とするべきです。

○57「戦後日本の技術形成」中岡哲郎、2002、日本経済評論社
感想:
戦後日本の技術がどのように発展してきたか、代表的な産業を中心に書いてあります。
おもしろかったのはシャープにおけるディスプレイ開発で、
電卓競争でいかに薄くしようと取り組んだのか、
RCAに技術的な未熟度を指摘されながらも、自分達で液晶の開発に取り組む姿はすごいと思いました。

○58「図解雑学飛行機の仕組み」水木新平、桜井一郎、2003、ナツメ社
感想:
図解雑学シリーズです。航空機の制御のことが非常にわかりやすく、良書です。

○59「企画は1行」野地秩嘉、2006、光文社新書
感想:
最初から、トヨタの張会長が出てきており、すごいと思いました。
また、川渕チェアマンや、屋台のタコやなど、サントリーのマカを売り出した女性(斉藤茂吉の孫)などの、
苦労話や体験からどのような企画を作って成功させてきたのかが、対談形式で書いてあります。
少々強引なところもありますが、読み物としては大変おもしろいと思います。


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50冊目~54冊目

2008-02-03 02:37:32 | Weblog
○50「クルマが先か?ヒコーキが先か?」岡部いさく、2006、二玄社
感想:
フジテレビに良く出ている軍事評論家ですが、本当に航空機も自動車も詳しい。
学習院の仏文卒らしいが、エンジニアリングもわかっている見たいだし、大した人です。
最近、自動車の技術と航空機の技術の変遷を比べて、
どちらがどうなのか良く考えるが、やはり技術的な難易度は
航空機の方が高いようだ。

○51「ロケット開発失敗の条件」五代富文、中野不二男、2001、ベストセラーズ
感想:五代さんはもとJAXAでロケット開発に取り組んできた人で、中野さんは評論家。二人の対談形式で話は進みますが、特に中野さんは発言がはっきりしていてよい。
特に印象的なのは、ロケットは、自動車や航空機のように、失敗したものを回収して分析することができないので、
推測によるところが多いということ。宇宙に行ったらはいさようならで終わるのだ。
また、技術的にはすぐに自動車と並列して語られるが、
自動車は製造技術で、ロケットは開発技術なので、全然性質が違うということらしい。
多分、製造技術とは量産技術のことで、ある程度確確立した技術をベースに作るということだろう。
ロケット開発の現場がよくわかる良書です。

△52「トヨタの品格」伊藤欽次、2007、洋泉社
感想:
前に読んだトンデモ本の「トヨタの正体」よりはかなり事実と思い込みが分かれており、程度は良いといえる。
後半の人権とかの解釈論のところはあまりにも稚拙な論理なので読み飛ばしても良いが、前半にある事実の積み上げにはなかなか説得力がある。
最近、トヨタの揚げ足を取ろうとする本が沢山出てきているが、これはその中でもまあまあではないだろうか。
読んでいて思ったのは共産党系の議員は結構良い質問をしてるなてことだ。
僕は中道右派なのだが、納得できる。
もっと書いたほうが良いのは、海外の工場の現状だろう。特に労組の状況等。

◎53「大学病院の裏は墓場」久坂部羊、2006、幻冬舎新書
感想:
筆者は阪大の医学部卒。大学病院の医師の側の本音の部分をストレートに書いており、少々過激な表現もあるが、
良書です。特に大学病院は人体実験をしているとか、若手医師にとっては患者は練習台とか、どんなベテラン医師でも失敗があるなど。
また、最近の産婦人科、小児科が減っている背景(大学病院が臨床=診察にも力を入れだした)等が書いてあり分かり易い。特に最後の提言のところは、理にかなっている。医者の開業を制限するとか、制限をかけるとか。良書です。

○54「ニッポンの大学」小林哲夫、2007、講談社現代新書
感想:
「大学ランキング」の作者です。結構手厳しいところもあるが(私学助成を受けていない私大はダメ。助成には審査があるが、それを無視して金儲けに走っている)、あったかいところもある。例えばFランの札幌大学からロシア語弁論大会で優勝者を出したので、もっと評価して良いのではないか等。
また、合格者数を出して入学者数を出さない大学もあるらしく、慶応、上智、関西、立命あたりがそのようだが、前2校はプライドが高くて沢山いる辞退者を表にしたくないのだろう。また、後2校はリアルに辞退者が多くて、出せないのだろうと思う。結構参考になりました。

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