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WindowsCE FAN/Windows Phone FANのウェブマスター日記 2007年~2011年版です
Windows Phone FAN日記









『スマートグリッド135兆円』の135兆円ってどのくらいすごいの?
最近目にして、もはや数字が大きすぎてにわかにはピンとこなかったのが「135兆円」という規模。
まず、この数字がどの程度大きいかというと、トヨタの2008年度の年間売上高予想が「25兆円」。実際のところ、不況などの影響で約「20兆円」まで縮んでしまったわけだが、その約 5倍 ~ 6倍という規模が、米国のスマートグリッドの投資総額なのである。

とイントロダクションを書いたところで、数字の素性を明らかにしておくと、

・元々の試算は、米コンサルティング会社Brattle Group
・2010年から2030年までの合計の投資額。
・135兆円という資産は、1$ = 90円で日本円に換算した額。
・20年間で割ると、6.8兆円/年

になります。

それならば、ぐっと現実的な数字に近づいてきたという気もしますが、近年だとトヨタの経常利益が 1兆円超えで話題になりましたが、その経常利益を 7社分突っ込む感じ。NTTドコモの売上高 (こちらは利益ではなくて) が、4.4兆円程度なので、そう考えると、日本の携帯電話の売り上げをすべて電力網インフラ投資に回す (もちろん、端末代金も含めて) という規模。

東京電力の売上高もホームページでみてみると、2008年度が約6兆円。ということは、ちょうど、東京電力の売り上げ分を丸々投資に振り向けるというかなり無茶苦茶な整備計画なんだなあというのが分かったりする。もちろん、東京電力自体、この売り上げを得るための総資産額は 13.5兆円も持っていたりする訳なので、電力インフラ事業というのは、金のかかるものなのかもしれません。

ちなみに米国の状況は、というと、ご丁寧に PDFのレポートを掲載してくださっている人がおり、ここに「米国の主要な電力・ガス企業」というのが掲載されている。これをみると、最大の電力会社 Exelon は、東京電力の 1/3 の規模 (東京電力より小さい) とのこと。(ちなみに、文中には、1,800億ドルとありますが、これは、同社のホームページに行ってみましたが、18,925百万ドル という単位なので、約190億ドル = 1.7兆円 が正解なのではないかと。)
http://www.jif.org/column/pdf2009/200902-2.pdf

ただ、米国はその分、企業の数も多いので、実際に Fortune 1000 に登場する電力・ガス企業の売上を全部加えてみると、ざっと、年間売上は 30兆円ほどになります。ざっと日本の3倍といったところでしょうか。

それにしても、エネルギー市場の売上が 30兆円という市場に、そのうちの2割を超える年間 6.8兆円を投じようというのは、まさにすごい大計画ですねえ。エネルギー関係の会社が群がりたくなるのもわかります。が、その原資はやはり税金なのでしょうか。なんか余計なことが心配になりますね。

(関連記事)
・日経エレクトロニクス雑誌ブログ
 スマートグリッド135兆円は本当か
 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20091019/176542/
[ ニュース ] / 2009-11-03 19:55:39 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




ゲームにおける物理エンジンの力
NVIDIAが元になっている、物理エンジンである「PhysX」に関する記事が PC Watch に掲載されている。記事は、所詮記事なのだが、わざわざこの記事を紹介したかった訳がある。それが記事の中程にある

【「Batman: Arkham Asylum」PC版におけるPhysXデモ】

というデモムービーだ。一本のタイトルの同一の箇所で、PhysX が ON のときと、OFF のときで、ゲームの表現がどんな風に変わるか、というのを見せてくれる。約10分間のムービーだ。あわせて、「PhysX」というゲームエンジンが、持っている力をわかりやすく教えてくれているように見える。

いくつか観ていて感じたのはこんな点。
じっくりみたわけでもないし、何度も見返して、理解が正しいかどうか確認した訳でもないので念のためだが、概ね正しい理解ができたのではないかと思う。

1.紙吹雪の表現
 PhysX を表示していると、紙吹雪が舞っている。
 表示していないときには、紙吹雪が舞わない。
 これは、紙吹雪が舞ったから、ゲーム的にどうか変わったのかといわれると、変わらない例のようにも見えた。

2.足下の煙
 ムービーの終わりのあたりで、歩く足下に煙が漂っているシーンが出てくる。
 驚くのが、ここを主人公が歩くと、この歩いたことにより、煙が影響を受けて、実際の映画のシーンをみているかのように、煙がゆらりゆらりと動くのだ。人が歩くことで、煙が動く。歩いたところの煙が一瞬切れて、左右に動くという様子が見事に表現されている。
 PhysX を使わない場合は、この足下の煙はなし。

3.布切れの表現
 プレイ中何度か登場するのが、着物や旗の表現。
 PhysX をオンにしていると、来ている服や、天井からぶら下がっている旗がゆらゆらしたり、自然なしわができたりするのがわかる。しかも、手に持った刃物で、旗に斬りつけると、その布が「破れる」様子が表現されている。
 PhysX をオフにした場合には、これらの表現は一切なし。

4.登場人物の攻撃やそのリアクション
 題材になっているのはアクションゲームのようなのだが、そのアクションの動きが、PhysX をオンにしたときによりリアルに感じられる。この項目を 4. に持ってきたのは、その効果がわかりにくかったからだ。実際のところ、PhysX の機能として、動きが変わってしまっているためにリアリティを感じるのか、それとも前述の表な様々なゲーム中の主人公を取り巻くオブジェクトがリアルな動きをするために、主人公や敵にリアリティを感じるのか、といった点は何度かでてきた比較シーンでも、判定が難しかった。
 しかし、トータルとしての表現能力という点では、PhysX がオンであることの恩恵がよくわかるデモになっているといえるだろう。

ゲームそのものをみた感想としては、この PhysX という物理エンジンがないと到達し得ない、みたこともない映像がみられてかというと、そういうわけでもない。
従来でも、ファイナルファンタジーシリーズなど優れたコンシューマーゲーム機の世界ではみることができたような表現だし、映画の世界の CGといえば、とっくにこのレベルを凌駕したものしか、目にすることはない。と、この「PhysX」というエンジンの価値はどこにあるか、というと、やはり、ゲーム制作者が、手軽に使えるところにあるのだろう。

もし、今回の比較ビデオで、PhysX オフのときのようなゲームソフトがあったとして、そこに PhysX エンジンを組み込んで、若干のエフェクトエンジニアがコードを追加するだけで、PhysX ありの映像表現が実現できてしまうとしたら、素晴らしい効果である。

確実に PCゲームの映像品質自体を手軽に向上させることだろう。先ほどの映画の CG や、ファイナルファンタジーシリーズのような大作ゲームなんて数年に一本しか存在できないようなもののわけで、そうした作品の 1/10 とか 1/100 の制作コストで、同様の映像表現を生み出すことができるとしたら、それは素晴らしいことだ。

このエンジンにはこのエンジンなりの使いこなしの難しさなどはあるのだろうが、紙吹雪のライブラリなんかは意外と使い回しも効きそうである。そうした周辺小物のライブラリが充実することで、ゲーム映像の品質が向上すると、すごいことになるなあというのを感じさせてくれるビデオなのであった。

(関連記事)
■ 佐藤カフジの「PCゲーミング道場」 ■
NVIDIAが提案する、物理エンジンとGPGPUの素敵な関係
「PhysX」と「APEX」で物理ゲーミングの夜明けがやってくる!?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/pcgaming/20091030_325600.html
[ ニュース ] / 2009-11-03 02:20:50 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




     




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