本日は、カクテルバー・マルソウの新作「ビリオン・ダラー(BILLION DOLLAR)」を紹介致します
横浜の名物カクテル「ミリオン・ダラー(Million Dollar)」のツイスト・カクテルです。
写真下が「ビリオン・ダラー」です!
ビリオン・ダラーは、ミリオン・ダラー(100万ドル)の10倍の"1000万ドル"の事です!
アメリカで古くからシャンパンを使用したカクテルとしても知られるミリオンダラーですが、横浜のグランド・ホテルでは1894年にメニューに掲載され、ルイス・エッピンガー氏か浜田省吾氏が考案したカクテルと言われています
ご結婚を祝うカクテルとして考案されたこのカクテルは、通常、オールド・トム・ジン、スイート・ベルモット、パイナップル・ジュース、グレナデン・シロップ、レモン・ジュース、卵白で作ります。
考案者ではと言われている浜田氏は、1921年(大正11年)に新規開業する「東京會舘」にグランド・ホテルからチーフ・バーテンダーとして派遣されました。
開業から間もない東京會舘の結婚披露宴で150名のお客様にミリオン・ダラーを提供し、"縁起の良い名前で美味しい!"と大好評を博し、それを聞きつけたお客様が引ききらず、しばらく大いにバーを賑わせた記録があります。
この当時のレシピは、ピンク・レディにパイナップルの缶詰のシロップを加え、ひと工夫したものであったと言います。
1922年に関東大震災により東京會舘は閉館し、浜田氏は銀座に転出し、銀座4丁目の「カフェ・ライオン」のチーフ・バーテンダーに就任し、ここでもミリオン・ダラーの反響ぶりは伝えられております。
1930年には「ザ・サボイ・カクテル・ブック」にレシピが紹介され世界的に広まりました。
写真上は、ザ・サボイ・カクテル・ブックに掲載されているミリオン・ダラーのレシピです。
シンガポールの「ラッフルズ・ホテル」のバー&ビリヤード・ルームで、もう一つの考案説があります。
ラッフルズ・ホテルでは、シンガポール・スリングの考案者であるニャム・トム・ブーン氏が1915年に考案したと主張しております。
ラッフルズでのミリオン・ダラーの反響ぶりは、サマーセット・モームの"ザ・レター(The Letter)"の話の中に書かれています。
今回のビリオン・ダラーのベースは、横浜市のシンボルの花が薔薇ですので、ローズ・ティー・インフュージョン・ジンになります。
他、スイート・ベルモット、レモン・ジュース、グレナデン・シロップを加え、カーボン(炭素)シェーカーにて、発泡性のあるカクテルを作ります。
そして二層目には、パッションフルーツ味のエスプーマです。
パイナップル・ジュース、パッションフルーツ・シロップ、卵白をエスプーマにてムース状にして浮かべます。
ご結婚を祝うカクテルと言う事で、南国での新婚旅行を連想させる味を表現致しました。
仕上げに、フレッシュ・パッションフルーツ、叩いたミントの葉、スペイン産ペタセタ・キャンディー(Peta Zeta Candy)を散りばめます。
水分を吸収するとパチパチと弾ける性質を持つキャンディーで、飴に炭酸ガスが仕込まれたものになります。
この発明は、1956年に米ゼネラル・フーズ社のウィリアム・ミッチェル氏によって考案され"Crackling Candy"と呼ばれました。
商品としては、1975年にアメリカで"Rop Rocks"の名で発売され、世界初の弾けるキャンディーとして注目されました。
日本では、1979年に"ドンパッチ"の名前で発売され人気となりましたが、様々な風評被害で数年後に発売中止となったものです。
今回ペタセタ・キャンディーの"パチパチ"の音で結婚を祝う"拍手喝采"をイメージしました。
面白いカクテルですので是非ともお試し下さいませ!!