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府中の魔物~第2話「Sの悲劇」

2007-10-24 20:35:37 | 競馬
府中の杜には、魔物が住んでいる。

「Mの悲劇」から6年後の1997年10月26日。
武豊が、自身2度目となる天皇賞・秋を牝馬エアグルーヴで制した。
府中の魔物の呪縛から解き放たれたかのような見事な勝利であった。

が、府中の魔物は忘れた頃にやって来る。
この時、既に武の背後に魔の手が忍び寄っていようとは、お釈迦様でも分からなかった。
無論、死んだはずのお富さんでさえも。

その翌年、府中の魔物が再び武豊に牙を向いたのだ。

天高く馬肥ゆる秋。
そんな言葉がよく似合う、秋晴れの府中の杜。
その日、1頭の名馬が天に召された。

998年11
118回 天皇賞・秋
番サイレンススズカ
単勝オッズ.2倍と圧倒的番人気に支持された。

誰もがサイレンススズカの勝利を信じて疑わなかった。
外枠を引いたのならまだしも、逃げ馬のスズカにとって最内枠というのは、願ったり叶ったりである。
まるで、サイレンススズカに勝って下さい!と言わんばかりの枠順である。

絶妙のスタートを切ったスズカは、見る見るうちに後続を引き離す。
5馬身、10馬身、15馬身、20馬身・・・・・
カメラが限界まで引いても2番手集団を捉える事ができないくらいの大逃げである。
否、正確に言うならば逃げではない。
ただ単にスズカのスピードに他の馬がついて行けなかっただけなのである。
まさに音速の貴公子の異名に違わぬ一人旅であった。
ホームストレッチも快調に飛ばし、3コーナーを回り、府中名物・大欅の向こうに姿を消した時には、誰もが、スズカの優勝を確信した。

が、丁度、大欅を通過した瞬間、4コーナー付近から異様などよめきが。

ゴール前にいる私からは見えない。

『なんだ?どうした?一体何が起こったんだ?』

ターフビジョンが、コースを外れて行くスズカの姿を映し出した。

場内アナウンスの声が無情に響き渡る。

『どうやら、サイレンススズカは故障発生した模様・・・サイレンスズカは故障発生!』

歓声が悲鳴に変わった。

懸命の救命措置も叶わず、予後不良となった。
合掌。

サイレンススズカの全成績:全15戦 9勝 2着1回
9勝全てが逃げ切り勝ち。

『俺はまだまだ走り足りないよ。』とでも言いたげに、サイレンススズカは天国への階段を一気に駆け昇っていったのだ。
それにしても、何かと『1』に不思議と縁がある『Sの悲劇』、サイレンススズカの最後であった。

そして、これが魔物の正体なのである!
そしてまた、実は『Mの悲劇』にもこの魔物が潜んでいたのである!

=次回、遂に魔物の全貌が!=

追悼~サイレンススズカ~1
音速の貴公子

【転載元:netkeiba.com 1998年小倉大賞典パドック】

いやあ、本当に綺麗な馬だったなあ。

追悼~サイレンススズカ~2
スズカのレースの中でも、一押しがこれ。
1998年金鯱賞の映像をご覧下さい。ド肝を抜かれますよ!
☆音速の貴公子~衝撃の逃亡劇☆

私は余りにも悲し過ぎて1998年天皇賞・秋の映像は掲載できません。
ご覧になりたい方は、ご自分でYoutube探してご覧下さい。
あしからず。








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