ミュリエル・バルベリ著 河村真紀子訳 早川書房 2008
YouTubeで「きほんひとり」さんおすすめの本だったので読みました。
フランス・パリの高級アパート管理人で未亡人のルネとアパート住人の少女パロマの二人の記述で物語は進みます。
ルネは下流階級ですが、読書を通して高い知性を持っています。
パロマは賢く、上流階級の少女特有の厭世観、自殺願望を持っています。
まったく別世界の二人が交わるとき、物語は動き出します。
うーむ、読んでて苦しい道中でした。なかなかおもしろくならない。
フランス人の登場人物の名前が覚えられなくて、誰の事を言っているかわからなくなるし、ルネの読んだ本の内容もまったく理解不能なのです。
ルネとパロマの関係をつなげる人物としてオヅ(小津)という日本人男性が出てきます。
ルネを一人の人間として認めるのはフランス人でなく日本人のオヅだというのが、日本人の私には面映ゆい感じです。
80%過ぎたあたりでなんとか乗れてきました。
そして、ルネとオヅのラブストーリーが盛り上がったところでサドンデスのラスト。
こういう終わりはきらいです。
読み終わって、ふた昔前の韓国ドラマを見ていたような気分です。
というか、日本によく来ているという著者は日本で古い韓国ドラマでも見たんじゃないかという気がしてしまいました。