吉岡金田一よかったです。このシャイで傷つきやすい探偵を見事に演じていました。
でも、2時間は短すぎました。
おかげで登場人物はかなり整理されていて、一人何役分の役割をしなければならなくなりました。
そして、犯人の状況が変えられていました。
今回のドラマでは一番肝心な出生の秘密を知らなかった犯人が金田一によって真相を教えられ、激情のあまり母を殴り殺すというなんともおぞましいラストになりました。
新宮利彦が秌子の弟になったのも?です。
結局、全ての罪の原因が利彦でなく秌子にあったと言いたいための設定変更なのでしょうか。
できれば前作の「獄門島」のようにおおまかな設定は原作に忠実に作ってほしかったです。
そしてむやみな設定変更はやっぱり矛盾が発生してしまいます。
犯人が椿家に、自殺した恋人の復讐のため、入り込んだという設定なら、椿家の人々が、恋人が死ぬ直前に神戸に行ったかどうかなんてすぐにわかったでしょう。
そして椿英輔が残した「悪魔が来りて笛を吹く」のレコードはどのくらいの時間をかけて作られたものなのでしょう。
英輔は作曲してレコーディングしたこの曲のインスピレーションを悪魔のような男から感じたのです。
悪魔のような出生の秘密を持つ男から脅迫されたから、この曲ができたのです。
出生の秘密も知らない男がどうやって椿英輔を脅迫できるのでしょうか。少なくても椿英輔は彼の出生には無関係なのです。
ということで、惜しいドラマでした。
とはいえ、吉岡金田一はもっと見たいです。
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