寺門 其二
塀█
前ページ「寺門」延長の塀
外回りを僧が清掃中
博雅三位█
朱雀門のまえで鬼と合奏
その鬼から名笛「葉二(はふたつ)」を得る。
源博雅は平安時代中期の公卿、管弦の名手。
「博雅の三位、月の明かりける夜、直衣にて、
朱雀門の前に遊びて、夜もすがら笛を吹かれけるに、
同じさまに、直衣着たる男の、笛吹きければ、
誰ならむと思うほどに、その笛の音、
この夜のたぐひなくめでたく聞こえければ、あやしくて、
近寄りて見ければ、いまだ見ぬ人なりけり。
割れもものを言わず、かれも言ふことなし。
かくのごとく、月の夜ごとに行きあひて吹くこと、
夜ごろになりぬ。
かの人の笛の音、ことにめでたかりければ、試みに、
かれを取りかへて吹きければ、世になきほどの笛なり。
…………」
十訓抄『博雅の三位と鬼の笛』より
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